Lilacの妊娠・出産・育児ノート

キャリア志向の強い女性や、仕事で既に責任ある立場にあったりする女性向けの妊娠・出産・育児ブログ。 妊娠したときのTips集、キャリアと妊娠・育児を取り巻く論点、女性リーダーシップと子育ての両立、日本と海外の状況比較、今は仕事に没頭中だけどいずれは子供も欲しいと思う若い女性向けのメッセージなど、様々な話題をお届けします

女性リーダーシップ

女性のキャリア構築で重要となる「メンター」にまつわる10個の誤解

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最近、女性が昇進するためのメンターやスポンサーの重要性があちこちで語られている。
このブログでも女性のリーダーシップを論じる以上、一度は書かないといけない、と思っていた話題がこれだ。
私自身、現段階でメンターやスポンサーとなる人を探し、関係構築をしているところであり、偉そうに語るほどに分かっているわけではない。ただし、私の少ない現在の経験から思うことも多いので、勇気を振り絞って(笑)まとめてみる。

そもそも、メンターとかスポンサーって何?という方もいるだろう。
メンターとは言葉通り、仕事上での指導者や助言者という意味だ。キャリアを構築するために、もっと生々しく言えば組織で生き残り、階段を登っていくために必要不可欠なアドバイスをくれたり、指導をしてくれる人をメンターと言う。女性も、男性も、キャリア構築にはメンターの存在は非常に重要だ。

一方、スポンサーとはメンターより狭義で使われる言葉で、昇進したり、立場を築くのに投資してくれる人、リスクを取ってくれる人である。例えば、他の幹部にその人を推薦して、昇進しやすくしたり、新しい仕事のチャンスを与えたりするためにリスクを取ってくれる人が「スポンサー」と呼ばれる。

なお、ここで「リスク」と言っているのは、例えば「こいつはよく出来るぞ」と他の幹部に自分の部下を推薦したのに、その部下が成果を出せなければ、部下の能力の目利き力に疑問符がついてしまうので、他の幹部に人を紹介するのもリスクはある、というような世知辛いことを言っている。

メンターだと「アドバイスするだけの人」という意味にもなり、その人に仕事を与えるためや昇進するためにリスクを取るとは限らないから、最近は「メンターだけではダメ、スポンサーがいないと出世できない」などと言われて、スポンサーという言葉が区別して使われる、という文脈である。

1. メンターとスポンサーは違うもの?-No その区別を付ける必要はない。幅広い層のメンターを持つことが重要

というわけで、メンターとスポンサーは定義としては違うが、それを敢えて区別する必要はないと考えている。というか、同じ直線上にある、程度の問題であり、区別することは難しい。メンターと言うものの実態を考えると、「メンターだけでなく、スポンサーがいないとダメ」という言説は、非常に浅く聞こえるのである。

そもそもメンターがメンティーのために時間を割いてアドバイスをくれることだって、投資である。それ以上の投資をするのは嫌だと思っているメンターはいない。信頼関係が深くなるにつれ、自然と投資額が増えていく、というだけのことなのだ。
または、自分のメンティーのために何かをしよう(投資しよう)、と思っているが、メンター自身が若かったり、社内での立場がまだ低く、できる事に限界があることもある。その限界の中で、自分の上司にメンティーを「彼女は有能なんです」と推薦してチャンスをあげたり、評価を高めようとするのが、若いメンターの自然な行動だ。

重要なのは、スポンサーを持つことではなく、幅広い層のメンターを持つこと、そしてそのメンターとの信頼関係を徐々に深めていくことである。自分のメンターポートフォリオの中に、直接昇進させるなどの実力があり、スポンサーとして振る舞える人がいるのが理想、というだけである。
逆にスポンサー的な偉い人だけが評価し、直属の先輩や上司がメンターになってくれない人は、恐らく何か問題がある。

というわけで、この文章では、メンターとスポンサーは分けて使わず、スポンサーの意味を含む形でメンターという言葉を使う。

2. メンターを持とうとするのはいやらしいこと?-No 出世のためでなく、楽しく賢く生きるために必要なこと

自分が出世するために「メンター」を持つなんて、日本人の美徳からするといやらしい、と思う人もいるかもしれない。これに対しては、メンターが自分の出世のため、などと考える必要はない、と言いたい。

メンターとは、自分を評価し、相談に乗ってくれて、新しいチャンスをくれたり、アドバイスをくれる人だ。会社の中で、自分がやりたいことをやるために、他の部署に掛けあってくれたり、顧客など社外の人を紹介してくれたりと、時間やネットワークを投資してくれる人もメンターだ。また、仕事を進める上で困っている時(例えば仕事と育児の両立など)に、時間を割いて相談に乗ってくれたり、アドバイスをくれたり、問題解決をしてくれる人もメンターだ。

そういう形で、自分のために時間やネットワークその他を投資してくれる人がたくさんいれば、仕事も成功させやすいし、自分も楽しい。「出世のためのメンター」がいやらしいと思う人は、自分が仕事を成功させ、楽しむためにはメンターたちの協力が必要不可欠であり、結果として出世も伴う、と思う方が自然だろう。

3. 私にはメンターはいない-No. 組織で生きてきた以上、メンターは絶対にいる。「この人は私のメンターだ」と意識することが信頼構築の第一歩

最近、「女性のキャリア構築にはメンターが不可欠」と喧伝されるせいか、「私にはメンターがいない、それで苦労しているのだ」などと思い込んで焦っている女性が増えているように思う。しかし、新入社員ならともかく、それなりの期間働いてきているのであれば、絶対にメンターやスポンサーがいるはずだ。常に自分を抜擢するほどの信頼関係がまだ築けていないとしても、少しは自分に投資をしてきてくれているはずである。過去に小口でも自分に投資してくれた人に対し、「この人が私のメンターなんだ」と意識をすることが、メンターたちとの信頼関係を深め、もっと多くの投資を引き出すための第一歩である。

今週3回目の引用になるが、LEAN INの中でシェリル・サンドバーグはこんな経験を紹介している。
グーグルにいた頃、非常に優秀な若い女性に数年にわたって注目し、彼女が重大な決定をする局面で折にふれてアドバイスをした。「メンター」という言葉は使わなかったが、彼女の成長のためにたくさんの時間を費やしたつもりだった。だからある日彼女が、「私にはメンターはいなかったし、私を見守ってくれる人は誰もいなかった」とひどくあからさまに言った時、私はびっくりしてしまった 

メンティーだと思って投資している人に「私にはメンターはいない」と言われる程、メンターにとって悲しいことはない。それでメンター・メンティーの関係が終わってしまうわけではないが、これ以上関係が深まることはないってことかな、と思ってしまうだろう。それは、非常にもったいないことである。

メンターがいないということは絶対にない。過去の仕事・プロジェクトや評価、昇進などを思い出してみよう。その仕事の上で、自分のために時間を割いてくれたり、自分のために他の人に働きかけてくれたり、評価をしてくれた人は本当にいなかっただろうか?評価や昇進の際、自分のことを評価してくれたのは誰だろうか?その人たちが、あなたのメンター・ポートフォリオの基礎になる人達だ。まずは彼らがメンターなのだと認識しよう。そう認識すれば、自然と色々と相談に乗ってもらったり、一緒に仕事をしようと思うようになり、信頼関係が深まっていくだろう。「この人がメンターなんだ」と意識することが、全ての第一歩になるのだ。

4. メンターは社内の人?-No 社外にもメンターがいるし、むしろ重要

メンターは社内の人とは限らない。例えば自分のクライアントや顧客は、メンターであることも多い。例えば、顧客がある会社を取引先として選ぶ場合、営業の人が気に入ったりして、「この子は信頼できる。投資してやろう」「彼女がいるから、この会社を使おう」という気持ちで選ぶ場合も多くある。この場合の顧客は明らかにメンター(スポンサー)だと言って良い。

そして3で書いたように、メンターだと意識することで、その人との信頼関係も深くなる。例えば、世間話で家族の話をしたり、一緒に食事に行って、仕事以外のことを相談したりすることもあるだろう。仕事だけでなく、人間として、信頼関係を勝ち取ることで、その人との関係はより盤石なものとなり、結果としてメンターはより多くの投資をしたいと自然と思うようになるだろう。

更に言うと、メンターは仕事関係の人とも限らない。仕事以外の個人的なところにも、メンターは存在しうる。例えば、自分の親友で、自分のために何かを投資してくれる人はメンターと言って良い。趣味の世界で出会った人にもメンターはいるかもしれない。
メンターポートフォリオは、社内に偏ることなく、外部も含めて、幅広く持っているのが良い。単に組織の中で昇進するだけでなく、何か新しいことを始める際などにも、幅広いサポートを得ることができるからである。

5. メンターは自分の上司など上役の人?-No 同じくらいの立場の同僚にもメンターがいる

同様の理由で、メンターは上司とは限らない。同じくらいの立場の同僚も、メンターとして自分に投資してくれる人がいる。例えば、その同僚が、自分の上司に、あなたのことを推薦してくれたり、アドバイスをくれるかもしれない。ここでも「この人は私のメンターだ」と認識する謙虚さが、関係構築の第一歩となる。

6. メンターには「なって下さい」とお願いするものではない-Yes, but 自分から働きかけて関係構築は可能

LEAN INの中でシェリル・サンドバーグは、見知らぬ人に「メンターになって下さい」と言われて面食らう、と書いていた。メンターになって欲しい人に「なって下さい」というのは不自然だ、というのは全くその通りで、徐々に関係構築すべきものである。ただし、メンターになって欲しい人に自分から働きかけることは可能である。

例えば私の場合、社内で一緒に働いたことはないが、尊敬しているシニア・パートナーがいて、彼には定期的に時間を割いて頂いて、自分のキャリア構築に関する相談に乗ってもらっている。私のことを理解してもらうと同時に、彼のアドバイスを実行し、その成果を報告することで徐々に信頼関係を深め、今では何かあれば、私にチャンスをくれようとしたり、社内の他の人に働きかけたりしてくれたりと、彼が私に投資をしてくれる関係になっている。私は彼のことをメンターだと思っているし、恐らく彼は私をメンティーだと思ってくれている。何か機会があれば、一緒に仕事をするなどして、恩返しをしたいと思っている。

MITで私の指導教官であり、メンターでもあった教授も、私が頻繁に質問に行き、先生と議論をしていたことがきっかけで、メンターになって頂けたと思っている。

このように、メンターになって欲しい人には、「なって下さい」と言うのはおかしいが、質問に行ったり、相談に乗ってもらったり、問題解決をしてもらうなどで、その人を頼りにすることをきっかけに、関係を築きはじめる事が可能である。

7. メンターは待っていれば庇護を向けてくれる?-No 一緒に働いていなくても成長の状況くらい報告すべき

メンターは親鳥のように自分を育ててくれる人だと思い、庇護を待っている人がいる。残念ながら、女性にこういう人が多い。上にも書いたように、メンターは自分から働きかけて作っていくことが可能であるし、また関係を維持したり、深めるためには、自分から定期的に働きかけることが重要だ。

メンターになる立場の人達は忙しい。あなたがどんなに優秀で、素晴らしいと思わせる人だったとしても、一緒に働いていない期間が長すぎると、関係は薄れてしまうだろう。過去に一緒に働いて、評価をしてくれたなど、小口でも自分に投資をしてくれた人には、まめにメールを書いたり、連絡を取るなどして、関係を維持することは非常に重要だ。連絡の内容は、自分の近況報告でよい。メンターにとっては、メンティーが成長しているということが何よりも嬉しい報告なので、どのように成長しているかを連絡をするだけで良いのである。

8. メンターは頼ることで探すべき?-No まずは自分から与えることで、メンターになってくれる人もいる

メンターには働きかけるとしても、相談に行ったり、頼りにしないとダメだと思っている人がいる。必ずしもそうではない。相手が自分より立場がはるかに上であれば、頼りにするのが自然だが、自分と同じくらいの立場や、自分からも与えられる相手であれば、与えるところからメンターシップが始まることがある。

例えば、私の会社に、私とは全く異なる強みを持っている同僚がいる。私よりも人生経験も長い。私は、彼の強みの部分で色々とアドバイスを貰い、また一緒に仕事をしてスキルを学びたいと思っている。一方、私の方が彼よりもずっと勤続年数も長く、またある特定の分野では私に圧倒的な知識がある。
そんな彼にメンターになってもらうために私がやったのは、月一回時間を取り、彼の困っていることを聞き、私が役に立てるところでアドバイスをしたり、後方支援をする、ということだ。彼は、この時間をとても有意義に思ってくれ、お返しとして私にも色々なアドバイスをくれる存在になった。また、私が産休に入った今も色々とサポートをくれている。

9. メンターは常に与えてくれる人?-No メンターとは持ちつ・持たれつの関係であることを自覚する

これも女性に多いが、メンターは自分に与える人だと思っており、恩返しをしようという発想がない人がいる。一方、男性同士のメンターシップを観察すると、メンターがメンティーに時に無理なことをお願いしても、メンティーが「Yes, Sir!」という感じで言うことを聞き、それにより信頼関係が深まっているケースも多々ある。余りに無理なことをお願いする人をメンターとして持つ必要はないが、メンターのために何か恩返しをする、という意識を持つことは重要である。

例えば、普段相談に乗ってもらうなどでお世話になっているメンターとは、一緒に仕事をすることで貢献したり、メンターが困っている時には手伝うことで、恩返しをすることにより、メンターはメンティーのためにもっと支援しようと思うようになるのだ。こういう関係を「アプレンティスシップ(師弟関係)」と呼び、男性の方がスポンサーを得て、昇進しやすいなどと言われるのは、この師弟関係を自然に築けているケースが多いからではないかと思う。

女性のメンティーの場合、男性のように「Yes, Sir!」という感じにはならないと思うが、メンターのために貢献したい、という気持ちを持ち続け、機会があれば実行することを心がければ、より多くの支援を自然に得られるようになるだろう。

10. 自分がメンティーを持つのは早い?-No. メンティーを持つことは、メンターとの関係構築に重要である

最後のアドバイスは、自分自身がメンターとなって相手に投資をするという経験を、キャリアの早いうちに持ったほうが良い、ということである。そうすることで、メンターがメンティーに何を求めているか、どうすることで信頼関係を深めていくことが出来るか、自然とわかるようになる。メンターである自分が、メンティーにやってほしいことこそ、自分もメンターにやるべきことなのだ。

上記に書いたコツは、ほぼ全て、私自身が後輩のメンターになることで、よく出来たメンティーの行動に学び、また時には悪気のないメンティーの不可解な行動に戸惑い、「こういう失礼なこと、自分も過去にメンターに対してやってきたかも・・・良くないな」など他山の石としながら、身につけてきたことだ。こんなまとめ記事を読むよりも、自分がメンターになって色んな思いをするほうが、ずっと学びは大きいかもしれない。

以上、だいぶ長くなってしまったが、女性がキャリアを構築するにむけ、メンターを得るために重要と思うこと-そして世間によく誤解されていると思うこと10個を書いてみた。正しくメンターシップを構築し、キャリア構築に役立てて頂ければ、と思う。

参考文献
LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
シェリル・サンドバーグ
日本経済新聞出版社
2013-06-26

 

 

書評:LEAN IN-女性、仕事、リーダーへの意欲

LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
シェリル・サンドバーグ
日本経済新聞出版社
2013-06-26


本書が発売されてから、既に1年半が経っており、今更書評する本ではない、と思うかも知れない。でも、女性のリーダーシップを語る上でこの本は避けて通れないし、また今まで時間や機会がなくて読んでいない方もいらっしゃるだろう。そして、私自身今回読み返して、ライフステージで学びが変わる良書だと思ったので、敢えて書評を書くことにした。
まだ読んでいないという方は、是非この機会に読んで欲しいが、一度読んでいる方も、また読み返して欲しい本である。この本は、女性のライフスタイルの様々なステージにおけるアドバイスが書かれている。だから、前に読んだ時と違う人生のステージにあれば、異なる部分がアドバイスとして耳に入ってくるだろう。

私の場合、前回読んだ時は、昇進したばかりで意気揚々としていたからか、キャリアパスの描き方や、女性が成功するためのメンターシップの築き方の章が心に刺さった。今回は、リーダーとして様々な苦労を経験したり、結婚・妊娠を経たためか、リーダーのコミュニケーションの話や、妊娠を前にしてリーダーシップをとれなくなる女性へのメッセージ、家庭でのパートナーシップの築き方が心に響いた。1年半という月日は、特に20代、30代の若い女性にとっては、人生のステージが変わるのに十分な長さだ。だからこそ、今一度読んで欲しい、と思う。

残念な日本の女性リーダーシップ率。でも歩く人が多くなれば、それが道になるはず。

さて、この本を序章から読んで、日本人として引っかかるのは、先進国の中でも女性リーダーが少ない国として、常に日本が挙げられていることだろう。議会に占める女性議員の比率、実業界で女性の取締役の比率、給与の男女差、アメリカでも、全てにおいて女性のほうが少ないのだが、「一方日本では、」という形で、先進国の中でも特に低い日本の数字がわざわざ示されており、これが世界中の人々に読まれているのかと思うと恥ずかしくなる。例えばこんな感じだ。

アメリカでは上級執行役員の14%、取締役の17%が女性だが、この数字は過去10年間ほとんど変わっていない。(中略)ヨーロッパの場合には、女性の取締役は全体の14%である。一方日本では、経営執行委員会の女性の割合はわずか1.1%に過ぎず、大企業の会長をつとめている女性は一人もいない。これは、女性の経営参加率としては先進国の中で最低の数字である。

問題は、取締役などの女性比率が日本より圧倒的に高いアメリカにおいても、シェリル・サンドバーグがこの本を書いて啓蒙するほどに、未だに女性リーダーには苦労が多いということだ。はるかに遅れている日本では、女性たちがアメリカみたいに働くようになるには、ましてや女性リーダー比率を更に引き上げる目標に向けては、もっとたくさんの苦労が必要になるのだろう、と思うと気が滅入りそうになるが、魯迅がかつて書いたように「もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道になる」のである。

日本では、1985年の男女雇用機会均等法世代の女性達が、男も女も同等に働けるんだということを身を持って示してくれた。数は少ないが、女性取締役になったり、部長などで活躍している女性たちが、道を切り開いてくれた。
また、1998年以降に就職し、育休制度が整い始める中で子供を産んだ世代の女性達が、出産や育児と両立しながらも、仕事を続けられることを示してくれた。
そして、その後に就職した女性たちは、私も含め、出産・育児と仕事を両立するだけでなく、シェリルのように出産・育児とリーダーになることを当然のように両立するようになってほしい。それが、更に次の世代が歩く道を作ることになるからだ。

妊娠・育児を始める前から、両立を不安に思う必要はない。むしろ子供を産む前に、新しいことを始めるべき

先週、「イクメン礼賛」だけでは解決しない、キャリアと育児を両立する女性活用問題 という記事の中で書いたが、私自身、まだ結婚も決めていない女性若手社員や、就職活動中の女子学生から、「キャリアを考えるといつ産むべきか」「どうやって両立すればよいのか」など、キャリアと出産・育児の両立についての不安や、質問を受けることが度々ある。

女性が、実際に妊娠するはるか前から、育児との両立を不安に思い、キャリア選択を躊躇するのは日本だけではなく、アメリカでも同じであることが、この本にも書かれている。シェリル・サンドバーグはそんな話の象徴として、ある本に書かれている5歳の女の子の話を紹介している。

その子には大好きな男の子がいるのだが、ある日動転した様子で家に帰ってくると、「あの子もあたしも宇宙飛行士になりたいの。困っちゃう」と言う。ママは意味がわからず、一体何が問題なの、と尋ねた。「だって私達がふたりとも宇宙に行っちゃったら、誰がベビーの面倒を見るの?」
なんと5歳にして、宇宙飛行の最大の障害は子育てなのだ。

私自身、妊娠しようと思って活動していた時、そして妊娠がわかった時、自分でリーダーシップを取って、新しいことを始めることを躊躇した。自分が何かを始めても、体調を崩したり産休に入って中途半端になるかもしれないし、とか、責任をとれなくなるかもしれない、と不安に思い、新しいことを始められないでいたのだ。
その後、「リーダーシップと妊婦であることを両立する5つの方法」という記事で書いたように、そんな状況であってもリーダーシップを取って何かを始めるためのコツをつかみ、出来るようになった。
しかし、もっと前から悩まずに、当たり前のように出来ていれば良かったのに、と今でも思う。

シェリル・サンドバーグも言う。 「子育てのために仕事を辞めようか考えるのは、子供が生まれた時。その前ではない。ましてや何年も前ではない」。むしろ、子供を持つ前こそ、新しい仕事を始めるべきだと後輩たちに勧めているのである。こんなエピソードがある。

内定通知を出すと、彼女はいくつか確認したいことがあるからとオフィスにやってきた。(中略)ミーティングが終わって彼女が立ち上がった時、私は一歩踏み込んでみることにした。「もしかするとあなたは近々子供を産みたいと計画していて、内定を辞退しようと考えているのではないかしら。」(中略)彼女は戻ってきてまた座った。「是非お話させて下さい」。そこで私は言った。直感には反するかも知れないが、子供を持つ直前というのは、実は新しい仕事を始めるのにまたとない良い時期なのだ、と。新しい仕事が面白くて得るものが多いと分かれば、出産後にわくわくして職場復帰できるだろう。もし、転職を考えるような今の仕事にとどまるか、あるいは仕事からすっかり離れた状態で出産したら、もう犠牲を払ってまでやる価値が有るようには思えなくなるかもしれない。彼女はフェイスブックに入ることを決めた。働き始めた時には妊娠しており、8ヶ月後に無事出産。4ヶ月の産休を取ると、大好きな仕事に戻ってきた。

全くそのとおりだ。
私は両立することの不安を克服し、リーダーシップを取って新しいことを始めた結果、今は早く産休・育休から戻って、自分が始めた新しい仕事を再開することにワクワクしている。そして、産休に入った今でも同僚やクライアントに呼ばれ、会議に出席したり、電話やメールで問い合わせが来たり、頼りにされているのがわかる。産休・育休が明けて、帰ってくる場所が自分にはあるのだ、と思う。自分がいなくても仕事が進むよう、引き継ぎをきちんとするのは大切だが、新しいことを始めることを躊躇する必要は全くないと、今は思っている。


シェリル・サンドバーグのこの本を読んで思うことは山のようにあるが、そろそろ切り上げよう。この本は、そのような形で、読み手の人生のステージや直面している課題になって、どの部分が響くか、ということが変わってくる。そのくらい、たくさんの課題について、データや、彼女自身の経験と思ったことが詰め込まれており、何度読んでも読み飽きることのない名著だ。むしろ、読み飽きてしまうくらいの時には、 女性のリーダーシップに関する様々な問題が解決している、望むべき時代なのかもしれない。 
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