Lilacの妊娠・出産・育児ノート

キャリア志向の強い女性や、仕事で既に責任ある立場にあったりする女性向けの妊娠・出産・育児ブログ。 妊娠したときのTips集、キャリアと妊娠・育児を取り巻く論点、女性リーダーシップと子育ての両立、日本と海外の状況比較、今は仕事に没頭中だけどいずれは子供も欲しいと思う若い女性向けのメッセージなど、様々な話題をお届けします

育児をめぐる社会環境

電通過労死事件-長時間労働を美徳としてはいけない本当の理由

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妊娠38週に入り、こどもと公園に遊びに行ったりなど、産休を楽しんでます。
とはいえ、あさってが出産予定日なので時間は限られているんですが(汗)、この件はどうしても記事にしておきたいと思い、筆を執りました。

■ 電通女性社員の過労死事件を巡って-「100時間程度の残業で…」発言の是非

昨年(2015年)末、電通の新入社員の女性が自殺。
この件が、今年の10月7日になって、長時間の過重労働が原因だったとして労災認定されたことが明らかになった。

これを受けて、武蔵野大学の長谷川教授が「月あたり残業時間が100時間を超えたくらいで過労死するのは情けない」とTwitterに投稿し、「時代錯誤だ」などと大きな批判を浴びた。
長谷川秀夫教授「残業100時間超で自殺は情けない」 投稿が炎上、のち謝罪 

この方は、もともと東芝の経理部門に勤務しており、その後、コーエイやニトリなどの取締役を経た後、現在は武蔵野大学の教授をやっているようである。
上場企業の経理部といえば、予算決算時期は会社泊まり込み・土日出勤は当たり前で、残業200時間超(しかもサービス残業が主)なんてところも未だにザラだろう。
そんな中で、自分がやらなきゃ会社が大変なことになるという責任を感じつつ、仕事にプロ意識と誇りを持ってやりきってきた経験から、ついツイートしてしまったのかもしれない。

問題になったツイートがこちら。
 
月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない。会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない。自分で起業した人は、それこそ寝袋を会社に持ち込んで、仕事に打ち込んだ時期があるはず。更にプロ意識があれば、上司を説得してでも良い成果を出せるように人的資源を獲得すべく最大の努力をすべき。それでも駄目なら、その会社が組織として機能していないので、転職を考えるべき。また、転職できるプロであるべき長期的に自分への投資を続けるべき。

このツイートは大変なバッシングを受け、長谷川教授は謝罪のコメントを出したが、その謝罪もバッシングの対象となって、大学からは処分も検討するなどと言われている状況だ。

しかし、ネット上の反応を見ていると、長時間労働は仕方ない、俺はもっとやっていた、などとお考えの方は少なくないように見える。
長谷川教授バッシング以降は影を潜めたが、FacebookなどのClosedなSNSでは「え、100時間で自殺?少なくない?(注)」「俺なんか若いときは残業150時間超えザラだった」などのコメントがよく見られた。 
(注)認定105時間なので、実際の残業時間はもっと長く、150時間程度だったのでは?という説もある。 しかし後で述べるように時間の問題ではない。

過去に仕事で「自分がやらなきゃ誰がやるんだよ」という極限状況に追い込まれ、給与に見合わない多大な責任を負わされ 、長時間労働を強いられ、それでも歯を食いしばってやりきった人たち。
更には、それが自分の成長の糧になったと信じている人たち。
そういう人たちが結構いて、こんな反応をしているように見える。

■ 「プロ意識があれば、長時間労働は苦にならないはず」とは、会社に都合よく洗脳されちゃった社畜の発想ではないのか

長谷川氏コメントで、私が一番引っかかったのは、
自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない
という部分である。
まるで、プロ意識がある人は、長時間労働で自己犠牲することを厭わないべきだ、と言っているようで、おかしな話である。

後述するが、プロ意識を持つことと、長時間労働をすることは全く別物である。
プロ意識を持って仕事をし、短時間で切り上げることは可能だし、プロだからこそ自分の時間を大切にし、効率的に仕事を進めるべきだ。

「プロ意識」を理由に長時間労働を正当化するなんて、敢えて不躾な言い方をすると、これは完全に「社畜」として洗脳されてしまった発想ではないか。

少人数しかいないのに、多大な仕事量。これをこなさないと、会社が大変なことになる…俺がやるしか無い、と思ってひたすら頑張る。
それって、その責任感の強さに付け込まれて、仕事を大量に押し付けられただけではないのか?

土日も出勤して150時間残業してるけど、50時間しかつけられず、残り100時間はサービス残業。それでも、50時間つけられれば手取りで10万は増えるし、嬉しい。 奥さんも喜ぶ。
でも、本当は残業150時間すれば手取り30万円増えるはずなのに、欲の無さに付け込まれて、働かされているだけではないのか?

更には、その理不尽な状況を「プロ意識」などと、あたかも自分の意思で選んだかのような言葉で形容してしまう。
それって洗脳されているだけじゃないのか?

■「社畜」に悪い人はいない。むしろ、世の為人の為に頑張る善人が、社畜として洗脳される

さて「社畜」という言い方を不快に感じる人もいると思うので補足する。
ここでいう「社畜」とは、「会社のためになる、組織のためになることを目的に、自分の私生活や信念を放棄してでも働く人」という意味で使っている。
またの名を「企業戦士」とも言う。 

所謂「社畜」には悪人はいない。
むしろ彼らは、会社に入れば、自分を犠牲にしてでも、会社のために頑張ろうと考える素直な善人であり、人のために頑張ることに生きがいを覚えるような人たちだ。
どんなときでも自分の都合を優先する人や、自分勝手な人は、絶対に社畜にはならない。
責任感が強く、無欲で、でも自己成長欲の強い善人ほど、会社という組織に吸収された時、社畜として洗脳されやすい。
(ハンナ・アーレントの定義に従えば悪人かもしれないが…)

こういう「社畜(企業戦士)」は、会社のために自己犠牲を払って働くという宗教に洗脳されているので扱いやすく、なまじやり遂げる能力もあるから出世もしやすい。
しかも、それで成長できたなどと自己洗脳し、自分のことを「社畜」だなんて思っていないので、余計にたちが悪く、部下や後輩に対しても、同じことを推奨する(時に強要する)。
結果として、長時間労働を美徳とする日本独特の企業文化や、どこかで長時間労働を乗り越えないと出世できない評価の仕組みはなくならない。

その文化と仕組みの中で、一番損をするのは誰だろうか?
それは明らかに、女性であり、また子育てや家庭にも時間を割きたいと考えている若い男性である。

■ 妊娠・出産・育児を通じて気がついた、長時間労働を美徳としてはならない本当の理由

かく言う私も、36歳になるまでずっと、長時間労働も厭わず働く「社畜」であった。
東大の博士課程を中退して、拾ってもらったコンサルティングファーム。
新入社員の頃は、夜中の2時3時まで仕事し、土日出勤も多々あったが、「給料も貰えて、将来の展望も描ける。大学院で研究してるより恵まれた環境だ~」と思って、何の不満もなかった。
体力もあったのか、夜中まで猛烈に働くことで悪名高い上司(笑)と組んで、徹夜続きで周囲の社員が次々倒れる中、特に体も壊さず仕事を続けていた。
そのせいなのか、ある程度早く出世もさせてもらったと思う。

「こんなやり方じゃダメだ、人生が破綻する」と気づいたのは、36歳で妊娠して、子どもが生まれてからだった。

子育ては、自分が主たる責任者となると、本当に時間とエネルギーを吸い取られる。
子どもを朝起こし、着替えさせ、何か食べさせて、保育園に送る。
夕方には仕事を何とか終わらせ、いや、終わってなくても会社を出て、保育園に迎えに行き、1時間くらい一緒に遊んで、風呂に入れて、寝かしつける。
終わらない仕事は、子どもが寝静まってからからやるしかない。
仕事の間も、熱などで保育園から電話がかかってくると、自分が迎えに行くか、シッターを手配し迎えに行ってもらう。
病気になれば病院にも連れて行く。家事も、子どもがいると大人だけの生活の2倍、3倍に膨れ上がる。

うちは、主人と私は完全に育児・家事を折半しているし、家事サービスを雇って、家事は半分以上外注している。
それでも私の感覚としては、仕事にかけられる時間は社畜時代の半分程度になった。
私が組織の中で成功するには、その半分の時間で、長時間労働の人と同じ以上の価値を提供するか、或いは常駐のシッターを雇って子育てを完全外注し、長時間働くかのどちらかしかないことに気がついた。

とりあえず、現在の私は、前者の効率化の道を突っ走っているが、まだ道半ばである。
子育てと仕事を両立するようになってから、仕事の効率は抜群に良くなった。
だが、半分の時間で、自分の2倍の時間働く優秀な人たちと同等以上の価値は、提供できるには至っていない。

また、女性が男性並みの激務をこなそうとすると、ましてや子育てと激務を両立しようなどとすると、体を壊して倒れるのがオチだ、ということにも初めて気がついた。
独身時代は激務で徹夜続きでも、体もメンタルも壊さず、生理が遅れたことすらなかった私が、出産して仕事に復帰してから、初めて突発性難聴になりかけたり、中耳炎になったりした。
そういえば、私の母はその昔、私と弟を保育園に預けてデザイン会社で働いていたが、体を壊して仕事を辞め、専業主婦になったんだった。
子育てしていなくても、男性並みの激務で体を壊して、仕事を辞めた友人や、会社の後輩のことを思い出した。
女性の方が普通は体力的に不利なんだ…というアタリマエのことに気がついた。

■ 長時間労働を美徳とする企業文化で、女性が活躍するのは圧倒的に不利であるという事実


男性に混ざって働く女性たちが、このジレンマに陥る状況を、かの上野千鶴子氏は「ネオリベのカモ」と呼んでいる。
ネオリベラリズムの下で「頑張れば、評価される」という「機会均等」を与えられ、たしかにそれは平等だと信じて競争に参入し、頑張ってしまう。
しかし、実際に戦う際の基準は、子育てや家庭の責任を奥さんに任せ、長時間労働も厭わず働ける男性たちの基準である。

この家庭責任を免れた男性労働者たち、一歩家を出れば「単身者」のふりをできる男たちと「対等の」競争に参入するのは、女性にとって最初から負けがこんだ勝負です。家庭を持つことをあきらめるか、他の誰か(実家の母や姑)に家庭責任をおしつけるか、さもなければがんばってカラダをこわすのがオチでしょう。つまり「男並みの競争」とは、もともと男に有利にできたルールのもとでの競争を意味します。そのなかにすすんで入っていく女が、悲壮に見えたり、あほらしく見えたりするのも、当然でしょう。こんな「機会均等」、だれが望んだ?……と女性が言いたいきもちは無理もありません。ー 上野千鶴子「女たちのサバイバル作戦」


女たちのサバイバル作戦 (文春新書 933)
上野 千鶴子
文藝春秋
2013-09-20
¥ 864プライム 


長時間労働を美徳とし、前提とするような企業文化や評価システムでは、体力的に男性より劣る女性、そして家庭でのケア責任を持つ女性は全く平等に戦うことなど出来ない。

私は女性として働きながら、自分が子どもを産むまで10年以上、そんな当たり前のことにも気づかなかったのだ。
そして、長時間労働も厭わず頑張ってきたが、その働きぶりこそ、女性の働きやすさを阻害するアンチロールモデルだったとは全く思わなかった。 
出産をきっかけに、そのことに気付いたときは愕然とした。

だからこそ反省を込めて 、今の私は子育てと両立しながら、短時間で生産性高く、価値の高い仕事をして成功できるか、に挑戦しているのだと思う。

■ 「カモ」になるのは女性だけではない。子育てに参画する男性も同じ

近年は、子育てに参加する若い男性も増えてきている。

私の主人は、日系メーカーで働いていて、激務ではあるが、私とほぼ折半で子育てを行っている。
朝は保育園に子どもを送ってから、長い通勤時間を経て、周囲の目を気にしながらフレックスで出勤。
朝遅くなった分は、夜の残業で取り返したり、子どもが寝静まってから夫婦で机に向かったり、土日に家で仕事して何とか取り戻そうとしている。

私が第二子を妊娠して、更に仕事まで忙しくなったとき、子どもも体調を崩して、彼の育児負担が大幅に増えてしまった。
それがちょうど仕事の忙しい時期と重なってしまい、一度倒れて入院してしまったことがあった。
長時間労働の激務を前提として、子育てもちゃんとやろうとしたら、男性だって倒れてしまうのは同じことなのだ。
それとも、上野千鶴子氏の言うとおり、誰か(奥さんや実母)に子育てを完全委託するか、子どもを持つことを全く諦めるかだ。

■ プロ意識を持つことと、長時間労働をすることは全く別物である


電通の話に戻るが、この会社には中興の祖と言える吉田秀雄氏が残した「鬼十則」という、私でも知っている有名な心得がある。
プロとして仕事をするための心得を10か条にまとめたものだ。
「鬼十則」(昭和26年制定)
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けて行くことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事は己れを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてそれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは…。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
ここに書いてあることは全くそのとおりだと私は思うし、これぞまさに「プロ意識」と言われるものだ。
仕事は自ら作り出し、先手先手で働きかけ、周囲を引きずり回してやるものである。
頭は常にフル回転で、長期の計画を持ってやる。

人から仕事を請け負って、長時間労働を苦とも思うな、なんてどこにも書いていない。

プロ意識を持ち、頭を常にフル回転させるためには、長時間労働などすべきではない。
むしろ、自分のその能力の高さを、他の仕事にも活かせるよう、出来るだけ効率よく仕事を片付け、別の仕事にも時間を使えるようにすることこそ、プロがやるべきことだ。

そして、ここに書いてあることは短時間の勤務であっても出来ることだし、子育てを担う女性や男性であっても出来ることだ。
限られた時間の中で、自分で仕事を作り出して、自らリードしてやる積極性を自ら引き出し、生産性高く仕事をすることが、現代のプロフェッショナルに求められることだ。
会社に洗脳されて「長時間労働」を厭わず働くことなど、「社畜」であって、プロ意識では決してない。
そして、そのほうが経済も活性化し、日本経済も成長することだろう。

実際、ドイツや米国などの労働生産性の高い国々が、先進国では経済成長を続けている。
経済成長に長時間労働が必要だ、などと言うのは、日本が生産性の低い後進国だったころの話に過ぎないのだ。

生産性高く価値を出すのがプロである、という意識がもっと普及すれば、過労死なんてなくなり、子育てをしながら働く女性も男性ももっと活躍しやすくなり、先進国で最低レベルの日本の労働生産性も高くなり、経済成長にもつながるだろう。  

家にベビーシッターを呼ぶ前にやっておく7つの準備

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今日から漸く妊娠38週に入り、予定出産日がいよいよ来週に決まりました。
二人目が産まれたら、どんな生活になるのだろう、と想像しますが、想像以上に大変なのだろう、と思っているところです。
もう私には無理だ、と思ったら、ベビーシッターさんに頼ろうとか甘いことを考えております。

私たちのベビーシッター歴は、主人も私も育休から復帰した一人目の生後7ヶ月の頃、病児保育のシッターさんに来ていただいたのが最初でした。
当時、病児保育で有名な「フローレンス」が定員いっぱいでもう募集していなかったので、「ポピンズ」というベビーシッター大手に病児保育を依頼しました。
大手だけあって信頼出来る方が多く、やはり家に来て頂けるのは便利なので、病児だけでなく、色んな時にお願いするようになりました。
出張で朝早い、仕事で夜遅くなるので保育園に間に合わない日、保育園で風邪が流行ってるとき、などなど。

以前、復帰前のキャリア系のママさんたちと座談会をやった時、その話をしたところ、
「ベビーシッターはかなり抵抗があるが、復帰したら使わざるを得ない。どうすればよいのか」
と言うママさんが意外に多かったのが、この記事を書くことにしたきっかけです。
確かに、ベビーシッターが見ている際の死亡事故や、神田うのさんの盗難事件などが起こっており、絶対の信頼をおけない、と思う人は多いだろうと思います。

■ ベビーシッターが不安な理由3つ。不安というだけで、ベビーシッターが使えないのはもったいない
皆さんの話を色々聞くと、不安は次の3点に尽きるようです。
  1. 子供をちゃんと扱ってくれるか不安。海外のように虐待までは行かずとも、きちんと面倒を見てくれるのか?
  2. 留守の時に、家の中に他人を入れるのが不安。神田うのさんの事件のようなことは起きないだろうか?
  3. 値段が高い。。
実は、これらの不安は、きちんと準備をすることで、かなり軽減することが可能です。

夫婦ともに、それなりに仕事を頑張っていると、仕事が遅くなったり、出張が入ったりなど、どうしても保育園だけでは対処できないことが多いです。
また、実家が近い、親がすでにリタイアしてて、いつでも頼れる場合は別ですが、そうでない限りは、家にベビーシッターさんに来て頂けるのは、とてもありがたい事です。
ただ「不安」というだけで、ベビーシッターが使えず、仕事に支障をきたしてしまうのはとてももったいないなーと思ってます。

というわけでこの記事では、家にベビーシッターを呼ぶ前に、どのような準備をして、これらの不安を軽減するか、について書こうと思います。全部で7つ!

■1) 大手の「ちゃんとした」ベビーシッター派遣会社を探す

「子供をちゃんと扱ってくれるか不安」という点は、大手ベビーシッター派遣会社を使うに限ります。
シッターへの研修をしっかりやっているところも多く、また看護師や保育士などの資格保有者も多い。
もし何か起こっても、会社からの保障もある。代わりのシッターを送ってくれたりする。

とはいえ、ベビーシッター派遣会社はたくさんありますし、また有名な会社が自分の住んでる地域をカバーしているとは限りません。

そこで、こちらのホームページ→ 公益社団法人 全国保育サービス協会 を使い、自分の住んでる地域をカバーするベビーシッター派遣会社を探し、直接電話で話してみることをオススメします。
全国保育サービス協会は、ベビーシッター派遣会社複数社が平成元年に設立した任意団体ですが、厚生労働省内閣府も、まずはこちらで情報収集することを推奨している団体です。

ただ、登録されているベビーシッターの会社は色々ありますので、実際に電話して話してみるのが良いかと私は思います。主なチェックポイントは下記です。

・何名くらいのベビーシッターが在籍しているか (規模を知る。100名以上だと超大手、20名程度でも割と大きい)
・ベビーシッターの何割が、看護師・保育士などの資格を有し、経験があるか。そういうシッターの方が派遣されると思ってよいのか
・ベビーシッター向けの研修は行っているのか、どのようにやっているか
・ベビーシッターの年齢層は(最近ベビーシッター不足のため、60代過ぎて初めてシッターやる主婦を多く雇っている会社があります。60代・70代でも、長い保育経験がある方は別ですが、年取ってシッター初めての人ばかり、という派遣会社は避けたほうが良いです)
・何らかトラブルが起きたときは、会社としてはどう対応してくれるのか
・(病児保育目的で使う場合)病児保育には対応しているか。感染症はどれに対応しているか。急な発熱や痙攣など、病児特有の状況に対応できるよう研修をしているか

こういう質問をしていくと、ちゃんと対応できているシッター派遣会社は意外と少なく、凹むこと間違えないです。
一社でもちゃんとしたところに出会えればラッキー、ダメだったら少し条件を落として探せばいいんだ、と思って探して下さい。

2)ネットワークカメラの設置

賛否両論あると思いますが、私たちはベビーシッターしか家にいない時に、何かが起こって、相手を疑って嫌な思いをしたくないと思ったので、カメラを設置しました。

最近、Webカメラが本当に安くなりました。
高いベビーモニターを買うより、ネットワークカメラを買って設置するほうがよっぽど安く済みます。

私が気に入って使っているのはこちら。



スマホにアプリを落として、どこからでもスマホで家の中の様子を見ることが出来るすぐれもの。
そのうえ、暗視機能がついており、寝室に設置して子どもが寝ている様子をスマホで見ることも可能です。
これだけ機能がついて、Amazonで1万円ちょっと、という安さ。

さて、シッターさんにはちゃんとカメラがついていることを伝えましょう。
カメラを付ける目的は、シッターがちゃんと保育をしてくれるよう仕向けることであり、落ち度を発見することではないんで、カメラがついていると伝え、気を引き締めてもらうわけです。
それに、シッターさんだって、何も言われないでカメラが回っていたら気分が悪いでしょう。
言いにくい、と思っても、言わないのは盗撮になってしまうのでちゃんと言って下さい。

今どき、保育所にもウェブカメラがついてるとかよくあることですから、カメラで監視するのは当たり前なのだ、という心づもりで、はっきり伝えてください。
私の場合、「ここにカメラがついていて、リビング全体が映るようになっています。ので、保育はリビング内で行うようにしてくださいね」と伝えています。

なお、私は過去に一度だけ、カメラでシッターさんの保育を見ていたのがきっかけで、シッター交代になったことがあります。
お昼休みにカメラを見ていたら、子供が大泣きしてるのに、シッターさんが携帯をずっといじっていて、対応しない状況が続いていたんで、シッター派遣会社に電話をしました。
交代のシッターさんを探してくださり、2~3時間後に別の方に交代となりました。
その後、そのシッターさんは自分でおにぎりを食べながら、娘のごはんをあげていたので、そのことも一応伝えたら、派遣会社の方が慌てて「え、それは禁止行為です!」と言って、その場でシッターの携帯に電話し、厳重注意となってました。

虐待とか大怪我したとかいう話ではないですし、保育園なら多少の放置は仕方ないですが、こどもと一対一のシッターでこれはまずいよね。カメラあって良かったな、と思いました。

あと、Webカメラを使っていない時は電源を消すとか、カバーをするなどしましょう。
最近はスマホの自撮用カメラすら乗っ取られて、盗撮が頻繁に行われている時代です。仮に盗撮されても大丈夫なように…。

3)ベビーシッター手順書の作成

子供の保育に関して、自分がどうしても譲れないところ、気になるところは、ちゃんと文書にしておくに限ります。
また、来て頂いてからすぐ家を出なくてはならない時もありますし、長時間の場合、二人・三人交代になることもあるので、手順書は書いておいたほうが良いです。

手順書の内容としては、次の項目を書いておくと良いと思います。
・ミルクや食事の準備の仕方、内容。食事時の注意(食事時間、アレルギー、好き嫌いの対処、残した時の対処、など)
・トイレや、おむつ交換時の要望(おむつの場所やゴミの捨て方、局部のケアの仕方、トイレの仕方など)
・着替えについて
・寝かしつけ方 (昼寝の時間、起こすかどうかなど)
・遊び方(外遊びの有無、おもちゃの好み、やってほしい遊びなど)
・病気の場合のケアの仕方、かかりつけ医にかかる場合の指示 

4)保育ノートの準備

シッター派遣会社によっては、自社の保育ノートのフォーマットがあるところもあると思いますが、私は自分で準備してます。
普通のノートに、日付、天気、時間、シッターさんの名前を記入する欄をつくり、縦に罫線を引いて、時間、項目、内容詳細が書けるようにしたものを準備しておき、来たシッターさんに記入してもらっています。

こんな感じ。

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ちゃんと書いてもらうことで、何があったのか、何をしたが分かるので、不安感も減るでしょう。
とくに病児保育のときは、熱や病状の経緯を書いていただくことで、後で病院に行く時に説明するときなどにも助かります。

5)鍵の交換・合鍵作成、鍵の保管方法

自分たちが外出している時に、ベビーシッターさんに外遊びや、医者に行く、保育園に迎えに行ってもらう、など外出をお願いする場合は、合鍵を渡す必要があります。
合鍵が無い場合は、いくつか作っておく必要があります。

この「鍵を渡す」というのに抵抗ある、という人も多いと思います。
対処方法ですが、うちの場合、鍵を二種類つけています。
もともと付いていた鍵以外に、もう一つシリンダー錠をつけ、こちらの鍵は家族のみで管理しています。
鍵は鍵屋さんに頼んでも良いですが、DIYが好きな人なら自分でやっても良いと思います。
シリンダー錠はAmazonでも3,000~10,000円くらいで安く手に入ります。

シッターさんに保育園のお迎えをお願いする場合、保育園の先生に合鍵を渡しておき、それをシッターさんに渡してもらうか、子供の持ち物に鍵を縫い付けておく、という方法を取る方が多いみたいです。
防犯上は前者の方が確実かな‥と思いますが。。

6)金庫の設置・部屋の鍵の設置

うちには盗まれて困るような高いものは残念ながら何もないんですが、印鑑とかパスポートとかマイナンバーとか大切なものはあるんで、一応金庫を設置しました。
こだわる方は、耐火性で重くて運べない3~10万円くらいする金庫を。こだわらない方は、6,000円くらいのお手軽な金庫を買ったら良いと思います。これも、うちはAmazonで買いました。




 
神田うのさんは、ブランドバッグなどを盗難されたようですが、家にバーキンだのお高いバッグや毛皮がたくさんある方は、クローゼットに鍵を設置しておき、鍵をしめておけば良いでしょう。 

7)ベビーシッター派遣事業割引券・地方自治体の助成金など

今年度(2016年度)から、ベビーシッター派遣事業割引券の制度が変わり、内閣府の下で復活することになりました。
先程紹介した、公益社団法人全国保育サービス協会が発行・実施しています。

割引額は1日の利用につき2,200円で、企業負担がある(大企業10%、中小企業5%)のが、厚生省が担当していた昨年までとの大きな違い。
夫婦ともに就労しているときの利用が条件。所得制限はありません。
双子の場合は、1日9,000円まで補助が出るそうです。
雇用主に発行してもらうものなので、発行については会社に問い合わせをしてみてください。

これに加えて、地方自治体によっては、ベビーシッター、または病児保育の使用に伴い、補助金を出しているところがあります。
これも住んでる自治体の保育サービス課などに問い合わせをしてみましょう。

ベビーシッターは保育園等に比較すると高いものですが、 こういった補助金等で少しでも負担を軽減することが可能です。
来年からは、所得制限がありますが、国でベビーシッター料金を更に負担するという話も出ています。
アンテナをしっかり張って情報を集めて、出来るだけ金銭的負担を軽くするのが良いと思います。

■まとめ
以上、ベビーシッター利用初心者で、家に来てもらうのが不安、という方への具体的な準備のアドバイスでした。 
まとめるとこんな感じ。

1)  大手の「ちゃんとした」ベビーシッター会社を探す
2)ネットワークカメラの設置
3)ベビーシッター手順書の作成
4)保育ノートの準備
5)鍵の交換・合鍵作成、鍵の保管方法
6)金庫の設置・部屋の鍵の設置
7)ベビーシッター派遣事業割引券、クーポンの準備 

ちゃんと準備をしてベビーシッターの方をお迎えすれば、ちょっと風邪気味で子供を無理させたくないときや、多少の仕事上無理しなくてはならないときも、安心して活用することが出来ますので、忙しい共働き夫婦には是非おすすめです。

アメリカの病児保育事情-子供が病気の時、共働き夫婦はどうするの

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風邪をひいた4ヶ月の娘。
咳は治まってきましたが、まだ鼻がズビズビ、たまに詰まらせて大泣きします。
やはり長引くなぁ。
私は、家事はルンバと洗濯機に任せ、昼はレトルトと冷凍品でササッと済ませ(赤ちゃんの栄養のため、手抜きでも品数だけは揃えてます)、一日中赤ちゃんのそばで様子を見ています。

さて、先日書いた「病児保育をつかう、ということ」の記事は、その後BLOGOSに転載され(転載先リンク)、一時は人気記事のトップにあがり、100を超えるコメントがつきました。

頂いたコメントを読むと、私のことを育児を放棄して迷わず仕事をする鬼母みたいに書いてる人がいますが、そんなことはありません。
娘を愛し、育児も不慣れながら一生懸命やり、娘の笑顔を見るたび「この子を幸せにするため、仕事も頑張ろう」と思い、復帰したらこのクソ忙しく責任の重い仕事と、育児をどう両立しようかと悩んでいる、普通の母なのです。

さて、コメントの中で結構多く、気になったのが、

「日本の会社は育児に不寛容すぎる。子供が風邪でも休めない職場は日本だけ。」
「子供が病気でも、病児保育に預けて仕事に行くって、どんだけ社畜を前提とした社会なんだよ」
「アメリカでは、子供が病気ならどちらかの親が休むのが普通です。日本はおかしい」
「子供の風邪でひとりやふたり抜けたくらいで、業務が他の人にふりかかるような仕組みで回してるのがおかしいんだよ。こんなの日本だけ」 

というように、日本は育児に不寛容、海外は育児中の親にやさしいユートピア、みたいに書かれているコメントが多いこと。
本当にそうなのでしょうか。

私自身、2年以上も米国に住み、東海岸での留学に加え、西海岸でも半年ほど仕事をしていたのに、当時は育児に関心がなくて、余り記憶がなく。

そこで、娘の看病の合間に、スマホで"when both parents work and children get sick" でGoogle検索し、上位40の記事やサイトをざっと読み、海外での共働き夫婦の実態を調べてみました。
「海外」と言っても、私が調べられたのは英語圏のアメリカ、オーストラリア、イギリスだけですが。
色々わかったので、これらのサイトの一部を、和訳しながら紹介します。


■ アメリカの病児保育事情: 「病児保育」は存在せず、子供が病気なら父母が休む。「看護休暇」も20州で法的には認められている。しかし会社を休みづらい状況は日本と同じ。休み過ぎでクビになるリスクは日本より高いかも

日本語で「アメリカ 病児保育」でググると、最初にこの記事(リンク)が出てきて、アメリカでは、子供の病気で休むのは当然、他の人がイヤな顔をすることもない、とか書いてあるんで、誤解があるのかもしれませんが・・・

英語の記事を漁っていると、アメリカでは、子供が病気で父母が休んでも、イヤな顔するひとはいない・・・とはとても思えませんでした。苦労してるアメリカ人がどれだけいることか。

色んな記事をまとめるとこんな感じ。
  • 共働き夫婦は通常、子供をDaycareという保育園に預けるか、家でベビーシッターを雇う
  • Daycareでは、日本みたいに「37.5℃以上は一律ダメ」ということはないが、湿疹が出たり、吐いたりすると親に電話がかかり、迎えに来い、と言われるのは同じ
  • 一部のベビーシッターで、Totally OK with runny nose or a cough(鼻水・咳でも預かります)という人がいるが、病児保育のようなきちんとした仕組みはない。訴訟社会のアメリカですから、訴訟リスクが高すぎてやれないんじゃないでしょうかね
  • そのため、親は子供の風邪が治るまで交代で休みをとるのが普通
  • 「家族看護休暇(Family and Medical Leave Act)」が法律で認められている州もあるが、少ないので、自分の分の病気休暇まで使い切ることもザラ
  • 法律で認められてるからって、職場が休みに理解が有るとは限らない。休みにくい状況は日本と同じで、上司の理解が得られない、同僚に文句言われるなどの事例が出るわ出るわ・・。一流企業に勤めてる人でも、「周囲の反応を考えると休みづらい」という感覚は同じようです
  • 更に、子供が病弱で、法律範囲外に休暇をとると、給与が減らされたり、クビになるリスクと背中合わせ。アメリカのほうがこの辺は厳しそう
  • 一方、一流企業に勤めているアメリカ人は、子供の病気で休んでもクビ、とはなりにくく、休みも取りやすい様子。これは日本も同じですよね
  • 日本より良いのは、そんな環境でも働き続ける女性が多くて事例が豊富なこと、男女間の役割固定がより少なく「子供の面倒のために男が休む」のも一般的なこと、でしょうか
では記事を幾つかご紹介。

16 Things Working Parents Should Know about the Horrors of Caring for Sick Children -Pajaba
共働き夫婦が知っておくべき、病気の子供のケアにまつわる16個のホラーストーリー (2013, Nov)


この記事は、病気にかかりやすい小さな子供を持つ親が苦労する様子を面白おかしく書いている。
コメントの反響の多さ!中には「アメリカの職場は育児に不寛容すぎる」と書いてる人もいます。どの国もおんなじですね。
英語を読まない人のために、途中まで日本語で超要約しますが、英語読む人は是非上のリンクを読んでみてください。面白いので。

1. 子供は、親が最も困るときに風邪をひく。そう、必ず。裁判が始まる時、とか。明日が大事な昇進面接な時、とか。

2. 子供が3歳以下なら、年に10回は風邪をひく。これは科学で証明されてる(訳注:実際、1972年にLoda et alのそういう論文が有るらしい)。そして保育園は病気の培養装置。

3. 子供が鼻を垂らしていない日があったら、写真をとってFacebookにアップすべき。そんな日は殆ど無いから。

4. 子供のいない上司や同僚は、表では理解が有る素振りを見せるが、裏では陰口を言っている。「ちょっと信じられる?あいつまた子供の風邪で休みだってさ。子供おかしいんじゃないの?」 おかしいんじゃなくて、それが普通なの。子供は風邪引くんだよ、バーカ。

5. でも忘れないで欲しい。子供が産まれる前は、あなたもそのバカの一人で、同僚の文句を言っていたことを。
 
6. 悲しいジレンマ。子供が熱出して保育園に行けなくて、あなたが仕事を休んでも、保育園の金は払い続けなくてはならないってこと。あなたは自分の子供の面倒見ながら、他の子供の面倒を見るための月謝も払ってるの。

7. そして夫婦ゲンカ。どちらが明日の仕事を休んで、子供の面倒を見るか。
「オレは2時までにレポート仕上げないとダメなの」「私だって11時から大事なクライアントミーティングがあるの」。このエンドレスなケンカは次のように終わることがある。
「わかった。明日仕事に行かなかったら、オレはクビだよ。そしたら毎日家にいられるよ。ダンボールの家にね!」.

(この後、9つくらい、面白い事例が並んでます。最後までオチがなく、文句ばかりですが・・・)


Should staying home with a sick kid cause a working mom so much anxiety? - The Washington Post (2014, Jan)

言わずと知れた、アメリカで最も著名な新聞の一つ、ワシントン・ポストの記事。

子供がグズり始めた。夫婦のどちらが休みを取るか、スケジュールを見せ合って交渉。自分が休むと決まったら、同僚に何と言って休むべきか、同僚の嫌がる様子が目に浮かぶ…

(要約訳)「一番小さい子の病気でまた休む、と言ったら同僚はえぇーって言うだろうな。グループEmailで早退します、と書いたら目を回すかも。 
どのくらい、事情を話すべきだろうか。3番目の子供が夜中じゅう吐きまくってたって言ったら、同情を得られるかしら。それとも単に、病気休暇取りますだけのほうがいいかしら・・でも、先週2番目の子が熱出した時、私が病気でって嘘ついちゃったのよね。 前の週に一番上の子の病気で休んだばかりだったものだから・・

そんな悩める母親の気持ちを描いた後、「子供が病気の時、会社を休むことが出来るか」について2013年にアメリカで行われた調査について書かれている。
なんと、小さな子供を持つ親の3分の1もが、「子供が病気の時、休みづらい。給与を減らされるか、クビになるリスクがあるから」と答えているのだ。
そして別の調査では、10人に4人は、家族の病気の時の有給は認められていない、という。

A working mom's guide to sick kids- Parents 

Parents、というアメリカの親向け雑誌のサイト。結構驚きの事例も書かれていてびっくり。

(要約) Oregon州のDaycareでの極端なケース。1歳2ヶ月の女の子が昼寝後に吐いてしまったので、親に来るように連絡したところ、どちらも来られない、との返事。父親は新しい仕事についたばかりで、休んだらクビにされてしまうかも、と言い、母親は前の週に上の子供の病気で休んだばかりで、これ以上休んだら給料を減らす、とボスに脅されているという。
そこで、母親は何と自分の指を喉に突っ込んで、オフィスのカーペット中に吐き戻したという。それでボスは、彼女自身の病気ということで家に帰らせてくれて、彼女は漸く娘を迎えに行くことが出来たという

極端なケースだが、それくらい、子供が病気でも、休みを取るのが大変だという人がいるということだ。


■ ではアメリカでは、子供が病気で、両親とも仕事を休めないときはどうしているのか

流石、ハウツー本の国アメリカ。
その解決法を論じてるサイトもたくさんありました。

The working parents' guide to dealing with sick kids- Today's Parent

このサイト、太字だけ読み流すと、自分の権利を知ること、とか、上司の許可をとること、とかアタリマエのことしか書いてないんですが、目から鱗の正しいアドバイスが文中に隠れてるんで、しっかり読むべきです。

1.  もし子供の病気のために休むだけの十分な有給がなければ、地域の代議士などと相談し、雇用主に対して有給を増やすよう、掛けあってもらうべき

流石ロビイングの国アメリカ、と思いましたが、最近は日本も、地方政治の公約は子育てのことばかり。地元の有力な、市区町村の議員などに相談して掛けあってもらうのも、もしかしたら、結構効くかもしれないです。

2. 子供が病気になってから上司に許可を取るのでは遅い。病気になるずっと前から、上司と話して子供の病気の際の有給の許可をとっておくこと。家族の予期しない事態に準備するのは、仕事のリスクマネジメントで最優先事項だと思え。

リスクマネジメントについては全くその通り。そして、事前根回しはどんな場合でも重要。
この話は、他の記事でもかなり触れられてました。
実はアメリカは根回しの国。そしてリスクマネジメントが出来るかどうかは、リーダーの資質があるかどうかで最も問われる要件です。

日本でも、「職場の理解が得られない」とか嘆いている多くのケースで、「子供が病気だから」と言っていきなり休むケースが多いのではなかろうか。
前々から、子供が病弱で冬場は休みを結構取るかも・・などと上司や同僚に話して、事前に仕込んでおけば、休みやすい環境を自分で作れるかもしれません。

そういえば私の夫も、私の仕事復帰時に2ヶ月の育休を取るため、数か月前から上司や同僚にあの手この手で根回しをしていたようです。
(夫がどうやって根回ししたのか、は本人の許可があればそのうち書きます)
男性の育休取得率2%の今の日本で、男性が波風を余り立てずに育休を取るには、相当根回しが必要だと思うので、取ろうと思っている人は、かなり前もって、しっかりやって下さい。

3. 休暇が必要なほど、子供が病気ではないケースも多いので、良く症状を聞いて保育園・学校と話し、大丈夫なら預け続けること。子供が家に帰されるケースのうち57%は実際には急を要する病気ではない、という調査結果。

別の記事を読んでると、保育園から電話が来ても、「それは病気ではなくてアレルギー」などと言いくるめて、そのまま預けさせるケースが多いらしい。
それが良いかはともかく、自分の子供の面倒を見ているうちに、「こんな症状の時は大変な事態にならないから大丈夫」という親の勘が育つだろうから、その場合は安心して病児保育などに預ければ良いのではないだろうか。

4. 祖父母、親戚、友人、ベビーシッターなどの信頼できるケアネットワークを作ること。咳・鼻水程度なら面倒を見れるベテランベビーシッターもいるので、探しておくこと

前々から、祖父母や信頼できるベビーシッター等、親の自分でなくても、親と同じくらいか、準じる形でケアしてくれるような人たちのネットワークを作っておく大切さは、日本でも同じですね。


■ アメリカで、病気がちの子供を見ながら、「キャリア」も成功させるには…

さて、病気がちの子供を持ちながら、どうやって仕事と両立するか、という話を見てきましたが、リーダーシップ職に就くなど、「キャリア」との両立、となると少し話が違ってくると思います。
キャリアとの両立について、これ!という記事は無かったので、20程度の記事を読んで、見えてきたことを書きます。

1) 看護休暇が取りやすく、キャリアとも両立しやすい企業、というのはあり、そこに勤めることが重要

色んな記事を読んで思ったのは、やはりいわゆる一流企業に勤めている方が、子供の病気で休暇は圧倒的に取りやすく、キャリアとの両立もしやすい、ということです。
実際、Google、Facebook、P&Gなどで、子供が病気で休む、在宅での仕事を認める、などフレキシブルな対応のケースが沢山出てきました。
(Yahoo!はMarissa MayerがCEOに就いてから在宅を禁止しましたが、職場に託児所を設けました。Marissa自身の子供も含め、病児もそこで預かっているっぽいです→参考記事

一方、労働者階級は、州法で認められるはずの「家族看護休暇」すら、十分に取れないことも多い。そして減給と解雇のリスクに常にさらされている・・・

結局、良い大学を良い成績で卒業し、良い企業に勤め、育児と両立前に仕事でも実績を作っておく、というのが、アメリカでは日本より、育児とキャリアの両立には最も大事のようです。
当たり前かもしれません。すみません。

2) 事前準備、事前に根回しをしっかりやるのはリーダーの資質

ただ、そんな一流企業に勤めていても、休みづらい繁忙期、休んでもらったら困る時、などは有るわけで、相手が想定してなかったネガティブなことをいきなりやる人は「仕事が出来ない奴」と認定されます
「子供が病気だからと言って、突然休んで周りを驚かせる」というのは、仕事に対する計画性とリスクマネジメントがない証拠、イコール、リーダーとしての資質が問われる、と思って良いと思います。

え、子供の病気なんて事前に計画出来ないよ、と思うかもしれませんが、文字通りの計画ではなく、相手を驚かせないことが重要。
「休むことを知らない人に事前に可能性を知らせておく」
「余り協力的でない人にも、自分の窮状を話して、事前に同情を得ておき、サポートをしてもらえる雰囲気を作っておく」ことは可能なはずです。

キャリアとの両立を成功させたかったら、「職場が育児に不寛容」と嘆く前に、自分自身が子供が病気でも休むことに寛容な雰囲気を、十分な根回しやコミュニケーションで作っていくくらいが望まれるのかもしれません。

3) 共働きなら、夫婦どちらのキャリアを優先するかを決めておく

どんなに根回ししても、仕事を休んでばかりでは、キャリアとの両立は出来ないでしょう。
米国の消費財大手P&Gでは、「子供が小さい時は夫婦どちらのキャリアを優先すべきかを決めておくべき」と教えられるそうです。
この辺りは、また別の機会に書こうと思いますが、夫婦どちらもが同じ時期に育児とキャリアを両立するのは難しいんだ、という覚悟は必要なのかな、と思いました。

以上、まとめると
  • アメリカには病児保育の仕組みはなく、子供の病気の時は親が休む。休む法律もあるが、職場が子供の病気に対して不寛容、というのはアメリカでも一緒。たくさんのアメリカ人が苦労している。ただ、働く女性が多いのと、男性が育児をするケースも日本より多いせいで、理解は得やすそう
  • それでも、仕事と育児を両立する方法はいくつかある。子供が病気になるずっと前から、根回しして病児休暇を取りやすくする、議員に掛け合う、祖父母・友人・ベビーシッターなど、いざというときのネットワークを作っておく
  • 病気がちの子供を見ながら、キャリアも成功させたいなら、そういうことに寛容な一流企業に勤め、成果を出しておくこと。そして、そういう企業においても、ちゃんと根回しし、休みやすい雰囲気を作っておくこと。相手を驚かせるのは厳禁
子供が病気の時、親が休んであげられれば良いに越したことはないと思います。
でも、子供の病気って本当に長引くものは長引くし、その全てをお休みして付き合うことは、やはり難しい。
そんな時、病児保育、という選択肢がある日本は実はラッキーなのかもしれません。
「病児保育」と言うもの自体、ケアを提供できる日本のベテラン主婦のレベルの高さ、利用者のマナーの高さ、訴訟リスクの低さ、など日本ならではの事情によって成立しているんだろうな、と思います。

あと、今回の記事は、英語の記事文献のみをソースとして書いたんで、今度時間があるときなどに、アメリカ人の子供がいる友人に話を聞いて、どこかでアップデートしようと思いまーす。

病児保育を使う、ということ

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もうすぐ4ヶ月になる娘が、おとといの晩から風邪をひいた。
熱は37度程度と低いが、鼻をズビズビしており、咳も多くてかなりつらそうだ。
昨日は保健所の3-4ヶ月検診に行く予定で夫も有給を取っていたのだが、検診は延期して、朝から二人して娘を連れてかかりつけの小児科に行ってきた。

帰ってからお薬を飲ませ、暖かくして寝かせてあげるが、30分に一度はゲホッゲホッと咳をして、泣きだしてしまう。
抱っこをしてあげると少し落ち着いて、人の顔をみてはニコニコするが、また苦しそうにゲホゲホ。
調子が悪いんだから、そんなに愛想を振りまかなくても良いのに・・・
咳が苦しそうなのが、余りに可哀想で、一日中、二人つきっきりで看病していた。

こんなんで、二人とも仕事に復帰して、子供が病気になった時は、どうするのか。
当然、病児保育などのサービスを使うことになるだろう、と私は思っているのだが、夫は「こんなひどい病気の時に他人に預けるなんて可哀想すぎる。自分が休むか、実家の親を呼び出す」という。


■ 子供が風邪のとき、他人に預けることに抵抗があると、夫婦のどちらかが犠牲になる

その気持ちは痛いほどわかるが、子供の風邪ってそんなに簡単には治らない。
風邪が治って熱が引くまでは数日かかるわけで、そんなに長く会社を休む訳にもいかないし。
病児保育の施設も、埋まっていて使えないことがあるから、そんな時には実家を呼び出すか、どちらかが休むのは仕方がないとは思うが、最初から「子供が可哀想だから他人に預けられない」がデフォルトの発想は良くないんじゃないの、と私は思う。

おじいちゃんおばあちゃんだって、自分の仕事や生活があり、そんなに融通がきくとは限らない。
37.5℃の熱が出ればすぐ呼び出しがかかる日本の保育園に預けている以上、他人に預けることに抵抗があると、結局、夫婦のどちらかが責任をもつことになってしまう。
そうすると夫婦のうち休みやすい方、または収入が低いほう-多くの場合は、妻の方が、子供の風邪で仕事を休み、保育園に呼び出されて早退することになる。
病弱な子供の場合は、頻繁に仕事に穴を開け、そのうち職場に居づらくなり、仕事を辞めることになることも。

うちの場合、私が仕事を大切にしているのを夫も理解しているから、彼自身が休む、と言っているのかもしれないけれど、若い彼がキャリアを犠牲にしていく状態は如何なものか、と思う。

子供は大切だけど、仕事やキャリアも大切にしたほうが良い。
病気のたびにシッターを雇うのはお金もかかるけれど、たとえ「保育費=自分の給料」になったとしても、仕事は辞めずに働き続けたほうが生涯年収は圧倒的に高くなるのは明らかだ。
仕事を続けるのは、お金のことだけじゃない。
そうやって生き生き働き続けるお父さんお母さんを見て育つほうが、女の子は将来仕事を持ちたいと思うようになるし、男の子は家庭を大事にするようになるといわれている。
だから、子供が風邪をひいていても、ちゃんと病児保育や病児シッターを利用して、持続可能な子育てと仕事の両立をしようよ。

■ 不安なら、病児保育やシッターを事前に試し、信頼できるところを探しておく

病児保育には今のところ正式な国家資格はなく、ベビーシッターと同様、誰でも出来る。
ましてや、今の時代、病児保育が不足しており、経験の少ない人も入れて拡充されているところだ。
病状が悪化した時に、病院に行くなどの適切な判断をちゃんと下してくれるのか、など不安になる人は多いだろうが、ちゃんとシッター教育を施し、シッターと本部との連絡を密に行っている会社では、事故は過去には起こっていないようだ。

実は、世の中の保育事故の殆どは事故であり、病気の悪化によるものは殆ど無い。
考えてみれば、病気の時は、死に至る前からずっと何らかの症状が出ているはずであり、働いているお父さん、お母さんであっても、もっと前に病院で何度か診察を受けに行っている。
保育時に死に至るほどひどいなら、その前に入院などの処置を施されているからだ。

そういうわけで、きちんとした組織で運営されている病児保育であれば、問題はないはずだが、もし不安であれば、事前に試しておけば良いと思う。

チェックポイントとしては、保育士やシッター自身の質もあるが、
・新人への教育、マニュアルはどのように行っているか
・病状のチェックの仕方や頻度(体温をどの程度はかるか、病状のチェック項目に何が有るか)
・病状が変化した時の判断をどのように行うか
・保育士どうしや本部との連携はどのように取られているか(朝礼などで何がシェアされてるか、こまめに連絡をとっているか、一人で判断せず、組織として判断しているか)
というところ。
このご時世、病児保育は保育士やシッターが足りず、新人がどんどん募集されているところ。新人が送られてくることだってあるだろう。
だから、仮に担当の保育士やシッターの経験が浅かったとしても、組織の経験が活かせる仕組みかどうかをチェックするほうが大切だ。

病児保育には、子供を連れて行く「託児型」とシッターが来てくれる「シッター訪問型」がある。
託児型には医療機関併設型と保育園併設型、単独型の3つがある。

託児型については、こちらのサイトが参考になる。
子供が病気だけど会社を休めない方へ!病児保育室の比較と全国の施設一覧

医療機関併設型の場合は、その医療機関で事前に診療を受けることで、病気で預けるとどのような対応を受けられるのか、調べておくことが可能だ。
保育園併設型は、通常の保育園を併設しているので、空きが有るなら子供が元気なときに試しに預けて、状況をチェックすることが出来る。
単独型は、NPOなどが単独で病児保育を行っているところであるが、事前チェックできるかどうかは施設によるだろう。

シッター訪問型は、東京近郊だとフローレンスが圧倒的に有名だが、他にも色々な組織がある。
(追記:フローレンスは申し込み殺到のため、現在新規入会停止中だそうです。)
ここでは、子供が病気で、自分が休める時に敢えてシッターを頼み、その保育状況を観察し、上記のチェックポイントを確認すると良い。

最も信頼できるところを探せても、いざというときは埋まっていたりで、そこに頼めるかわからないのが病児保育なのであるが、候補となりそうなところは全て試しておけば、不安は軽減されるだろう。
私自身、安心して仕事に復帰出来るように、こんなことも復帰前にやっておこう、と思っている。

■他人は無責任なことしか言わない。周囲に何を言われても、自分の方針を貫いて

なお、私のように「病児保育を使ってでも、仕事を続けるべき」という考え方の人は、周囲の人達にこんな風に叩かれるらしい。

「病気のこどもがいるのに、そんなに仕事をしたいんですか?お金がそんなに大切ですか?」
「何でお母さんは、子供が何回も病気になっているのに、仕事を辞めないんですか?」
「子供に愛情があるんですか?」
中には、病児保育の保育士さんに言われるケースも有るというから驚きだ。

病気の子供のために会社を休めば、職場に「迷惑だ」と言われて煙たがられる。
かと言って、迷惑をかけないよう、病気の子供を預けて出勤すれば、「子供に愛情がないのか」と畳み掛けられる。
どっちに転んでも批判され、非難されるのが、仕事と育児を両立するママだ。

小学校の道徳の教科書にこんな話があった。
昔、父と子供が一匹のロバを連れて旅をしていた。
最初、子供がロバに乗り、父が引いていたところ、「子供が楽をして、親にロバを引かせてるなんて何て子供だ」
と街道からケチを付ける人がいたので、父がロバに乗り、子供がひくことにした。

すると「あの親は自分が楽して、子供に働かせて、子供が可哀想に。ひどい親だ」
というひそひそ話が聞こえてきたので、二人とも降りてロバを引くことにした。

今度は「あの父子はせっかくロバを引いてるのに、誰も乗らないなんて、バカなんじゃないか」
と野次を飛ばしてくる人々がいた。
それで、父子は二人でロバにのることにした。

しばらくするうちに、ロバは疲労で動けなくなり、ついに死んでしまった。

要するに、他人とは無責任に勝手なことばかり言うものなので、そんなことを気にして行動していては、大切なものを失ってしまう。
(家庭によっては夫が他人並である、というケースも有るだろう)

だから、自分が迷わずに方針を決めたら、あとは何を言われてもニコッと微笑んで、低姿勢で他人にお願いできる鉄の心臓と、何にせよ周囲に迷惑はかけるのだから、最大限の気配りをもって続けるしかない。
病児保育を使って仕事を続けるなら、「子供が可哀想」と言われても、「可哀想だから、しっかり看てあげて下さい、お願いします」と低姿勢でお願いすること。
使わないで休みつつ仕事を続けるなら、仕事のサポートを職場の周囲の人にお願いし、迷惑をお詫びしつつ、気配りしつつ、辞めずに続けること。

そういえば、病児保育のシッターが主人公で、訪問する家庭の様々な人間模様を描いた人気漫画「37.5℃の涙」がTBSでドラマ化されるらしいですね。
育児をしていなければ知らない人も多い病児保育シッターも、これでかなり色んな人の知るところになるんだろう。 
ドラマもだけど、その反応が楽しみです。 



(追記) 日本で「病児保育」という、海外では聞かない特殊な保育システムが有るのは、恐らく日本の保育園が「37.5℃以上の熱がある場合、子供が元気だろうが預けられない、親に呼出がかかる」という事情、そして、一般にベビーシッター・乳母などがほとんど普及していないという事情が背景にあるかと思います。
37.5℃以上の熱が出たら、誰かがすぐに迎えに行かないとならない、すぐには行けないなどと言おうものなら、保育園には居づらくなる。そんな時に病児保育シッターは代わりに迎えに行き、自宅待機してくれる、という使い方をしている人も多いようです。
また、ワーキングマザーがまだ少ない職場では「37.5℃問題」が余り知られておらず、「何で子供が熱を出したくらいで休むんだ・・・」と思っている人が少なくない、というのも有るかもしれません。
そういう意味で、こういったマンガが読まれて、そういった事情を広く知られることはとても大切なことだと思います

「下積み時代は激務が当然」じゃ少子化は解決しない-キャリアが先か、子供が先か(続編)

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おととい、私の高校時代の友人たちとのママ会があり、子供の話や懐かしい思い出話に花が咲いた後、私が書いた「キャリアが先か、子供が先か」の記事の話になった。

キャリアが先か、子供が先か(前篇)
キャリアが先か、子供が先か(後篇)

話を聞いていて、(一部企業や職種を除く)どの会社も、若いうちは激務が当然、というところが多いんだなぁと改めて思った。
特に出世コースに残り続けるためには、最初の5~10年程度は残業なんか当たり前。
中には電車がなくなる時間まで働くこともザラという会社もあれば、残業代が出ないので7時始業、なんて会社もある。

会社によっては転勤が出世の条件、というところもある。
入社して5年は地方の営業所で働き、そこで課長になり、別の地方に転勤して支店長になり・・・などなど。

いや、別に出世に興味がなくても、単に下積み時代の安い給料から抜けだして、そこそこ稼げるようになるにも出世は必要なので、そのためには残業や土日出勤も含む激務を若いうちにこなさなくてはならない。

仮に女性が妊産適齢期の20代後半から30代前半、すなわちこの激務下積み時代の途中で、妊娠・出産を経験すると、出世コースから外れたマミートラックに移行することになりがちだ。
夫が9時5時ならまだしも、夫も残業がある中、子供を保育園に預けて働く、というライフスタイルで7時始業や深夜残業は厳しくなる。
本人が希望していなくても、激務が遂行出来ないので会社として移行してもらう、ということもある。

更には、本人たちが気にしなければ問題ないが、保育園が見つからない等で、女性が長い育休をとらざるを得なかったり、二人目も産んで3-4年の育休を取ったりという場合、復帰すると自分より3-4年若い後輩と一緒に、自分の同期や後輩の上司の下で、激務をこなすことになる。

周囲のそういうのを見てきた私達30代後半のおばちゃんたちは、私が前記事で逡巡していたように、キャリアを積みたい若い女性には、親心で「まずはキャリアに専念しろ」と思ってしまうのだ。
そりゃ、子供は産めなくなるリスクがあるし、少子化解消のためにも二人以上産んで欲しいと思うのだが、現実には、キャリアトラックが昭和から変わっていない会社や職場環境が余りに多いので、そうなっちゃうのである。

ある程度激務を逃れられる歳になっても、皆が残業している中、保育園のお迎えに間に合うため、毎日恐縮しながら定時に帰宅。別に時短を使ってなくても、周りが残業していりゃ、恐縮するのである。

そして、そういう先輩たちを見た女性の後輩たちが、妊産適齢期の20代後半ころに、産もうと思うだろうか。
あるいは二人目を産もうと思うだろうか。

男性も全く他人事ではない。
女性がフルタイムで働いて子供も産むとなれば、男性が育児や家事の責任を担うのは当然となってくるので、男性だって、激務と家事・育児との両立を迫られることになる。

私の夫は、私より若くて、現在入社数年で激務のまっただ中にいる年代だが、朝7時前には家を出て、残業をこなして夜10時に帰宅してから、更に家事や育児(寝かしつけ)をやっている。
抱っこしないと大泣きしない娘を抱っこしながら、腹話術みたいに娘との漫才を披露して、育児に疲れた妻を笑わせた後、眠りながら娘の寝かしつけをしている姿を見ていると泣けてくる。
夫以外にも、夜泣き対応担当で殆ど寝られず、大事なミーティング中に寝てしまった若い男性や、保育園の見送り担当で子供の熱が発覚し、ミーティングに来られなくなった男性が、年配の男性に白い目で見られる姿など、育児とキャリアの両立を一生懸命やっている男性(とそれに冷たい視線を送る年配男性)を、私はたくさん見てきた。

こういう先輩たちを見た男性の後輩たちが、早く結婚して、子供を持とうなんて思うだろうか。
二人目を産もうと思うだろうか。

バブル以前の世代には、
「俺達だって、子供の顔を見る暇もなく、苦労してその時期を乗り切ったんだから、お前らも若いうちに激務は当然だろ。むしろ妻が働いたり、自分が育児とか出来るだけ恵まれてるよ」
とか思っている人たちもいるかもしれない。

30歳の平均年収は、20年前と比較して100万円近く減って30年前の水準に戻っており、妻の給料と合わせても、税金や子供の保育費を考えると世帯の可処分所得は30年前とそんなに変わらない。
その上、年金だって、バブル前世代と違ってほぼもらえないと思われるのに、毎年何十万も支払っているのだ。
バブル前世代は、むしろ、所得も自分たちより下がっている今の妊産適齢期世代に老後を支えられていることを感謝して欲しいところだ。

だから、快く下積み時代の残業を無くし、残業や転勤は当たり前というキャリアトラックを解体することに真面目に取り組んで欲しい。
待機児童だけでなく、病児保育やベビーシッターも含めた柔軟な保育インフラの整備も早くやらなければ。

昭和の時代の、フルタイムで働く男性+専業主婦(またはパート)を前提としたキャリアトラックを、女性もフルタイムで働くことが当たり前となり、共働き率が6割を超えたこの平成の時代でも、いまだに引きずり続けている日本企業。
もう平成27年ですよ。
男女雇用機会均等法の制定(1985年)から、今年でもう30年ですよ。

働き方を変えないと、私達はいつまでも「若い時は子供を持つことを考えず、キャリアを優先した方がいいよ」と親心で言い続けることになって、少子化は解決しないだろう。

(と、カッコ良く言い捨てて終わろうと思ったが、「じゃあどうキャリアトラックを変えるべきか」への明確な解がまだ示せないので、どこかでまた続編を書きます) 

【参考】
30年前の一ヶ月の給料と比べてみると? 静岡県の統計だが、2011年と1988年の現金給与総額がほぼ同じ。

給料が上がらない時代 平均年収が最も高かった1997年と比較すると、今の年収は100万円近く安い

共働き世代の増え方をグラフ化してみる 全世帯数(単身含む)の中で、共働きは21%、専業主夫は14%なので、共働き率は6割を超えている計算 

キャリア女性のイクメン・カジメン育成講座(後篇)

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Photo credit: Fotolia

我が家の娘は、昨晩もギャン泣きでした。
電気を消すと、わんわん泣き始めるので、夫と二人がかりで交互にあやしながら、自分の寝る準備をしたり、赤ちゃんのミルクを準備したり、音楽をかけてあげたり。
結局、添い乳も拒否するくらい泣くので、夫が抱き上げて、しばらくあやしてあげたところ、ようやく寝てくれた。
こんなとき、夫が育児に協力的で本当に良かった、と思う。

というわけで、昨日の「キャリア女性のイクメン・カジメン育成講座(前篇)」の続き記事です。

6. 「察してもらう」を期待しない、やってほしいことは言葉で伝える

妻が夫にイライラするナンバーワンは、「私がこんなに大変なのに、夫が察してくれない!」というものらしい。

妻が家事や育児でバタバタ大変でも、「愛していたら、言わなくても気付いてくれるはず・・・」と思っているので、、夫が手伝わないでテレビを見ていようものなら、「何で助けてくれないのかしら?」とイライラ。

一方の夫は、テレビを見ながら、今日の仕事は大変だったなーと疲れを癒しつつ振り返っているところで、決して妻を無視しているわけでない。
妻は、そんな夫を見ながら、夫の近くでわざとバタバタして気付いてもらおうとしたりして、イライラを募らせる。

妻がようやく口を開いた時には、イライラが頂点に達しているので、いきなりヒステリックに責め口調。
「私だって仕事で忙しいのに、何で私だけXXやってて、あなたは何もやってくれないの!!! 」

最初から「察してもらう」なんて期待は一切持たず、全てを言葉で伝えよう。
ママやパパがイライラすると、子供にもイライラが伝わり、情緒の発達上も余り良くないしね。
相手も「少し休んで疲れが取れたら家事を手伝おう・・」と思っているだけかもしれず、自分が相手の気持ちを「察していない」だけかもしれないから・・

怒る代わりに、「テレビ見てるとこ悪いけど、XXしてくれる?」「私も疲れてるから休みたいんだけど、先にXX終わらせない?」などと言葉で伝える。
そして、伝えるときは、前篇の5に書いた「心は鬼嫁、言葉は良妻」を忘れずに・・・
優しい言葉で伝えれば、多くの男性が「分かった」「気づかなかった、ごめん」と言って、腰を上げてくれるだろう。

「期待して怒らず、言葉で伝える」習慣は、子育てにおいても役に立つはずだ。
子供の人格に感情移入し、期待している母親ほど、「何で私が思っていることと反対のことをするの?」「大変なのに分かってくれないの?」と子供に怒りを露わにしてしまう親が多いという。

「語りかけ育児」の本に詳しいが、親が感情的にならずに、言葉で伝える教育は、忍耐が必要ではあるが、子供の言葉の発達を早めるし、論理的にものを考えるのを促すのに役立つ。
「期待して怒らず、言葉で伝える」は、将来の子育てに向けた練習だと思えば、夫に対しても普通に出来るようになるかも知れない。


7. 責任範囲は明確に

夫にやって欲しいことがある場合、「これは夫の仕事」と決めて、任せてしまう。
これで、妻もいちいち言わなくて良くなるし、心に余裕ができる。
夫も妻の機嫌によってやることが違って、毎日お伺いを立てるよりは、やることが決まっている方がずっと楽だ。

任せる仕事は、皿洗い、お風呂掃除、トイレ掃除、ゴミ捨て、洗濯、など切り出して任せやすい仕事。
本人が料理が好きなら、それを任せるのも良い。
仕事がきまっていると、「この仕事は僕の仕事。これをやれば、妻が喜んでくれる!」と思って取り組みやすい。

責任範囲を明確にしておくと、夫がどんなに帰りが遅くても、仕事で疲れていても、これは自分の責任だから、とやるのが当然のことになってくる。
そうすると、妻も自然と夫に感謝の気持ちを持てるようになる。

我が家は、皿洗いとゴミ捨て、娘の寝かしつけが夫の仕事なのだが、どんなに夜が遅く、朝が早い日でも、ちゃんと自分の責任だから、と頑張ってやっている。
夜中にガチャガチャ皿を洗う音が聞こえたり、眠りながら娘を抱っこしているのを見ていると、感謝の気持ちしか生じない。
たとえ自分が育児と家事で大変な時に、夫が脱いだパンツや靴下がそのへんに落っこちているのを発見しても、愛おしく感じてしまう。

また、育児の中で夫の仕事をつくり、子供にとっての登場回数を増やすことも大切だ
産まれて数ヶ月の間に、子供の人格が形成されるだけでなく、夫が「父親」の自覚をもつのもこの頃だ。
夫が単身赴任でない限り、夫がどんなに忙しい仕事でも、心を鬼にして、夜間や土日に出来る仕事を与えるのは、子供の為でも、夫のためでもある。


8. 一度夫に任せたら、夫のテリトリー。一切口を出さない、入り込まない

産前に「パパママ学級」に行った時、お風呂実習があった。参加者が順番で赤ちゃん人形を沐浴させるのだ。
そこに、夫が実習している横で、妻が文字通り仁王立ちになり、夫が何か間違えるたびに「違う。もう片方の目を拭くのはタオルの違う面でって言われたでしょ?」「何でそうなるの?頭を洗う前に背中洗うんでしょ?」と駄目だししている、若い夫婦がいた。

他人が見ている前で注意するのは余りに可哀相だけど、これは家でも同じ。
一度任せたら、病気や怪我になるリスクがない限り、口出しは一切してはいけない。
多少のことは目をつぶり、褒めてモチベーションを上げること。
「こういうやり方をした方が、効率的なんだけどな・・・」と思っても、別に今言わなくても死ぬわけではない。
後で頃合いを見計らって、うまく伝える。頃合いを見計らううち、伝える必要がなくなることもある。
やるたびに妻のダメ出しが入るようだと、夫はそのうちやる気が無くなってしまうだろう。

これは仕事において人を育てるときも全く同じだと思う。

例えば、私が夫に皿洗いを教えていたころ、お湯をずっと出しっぱなしで長時間洗っているので、「水道代がもったいないなぁ」と思ったが、「お皿洗い初心者だから、まずは割らずに洗えることが大事」と思い、何も言わないでいた。
上達したら言おうかな、と思って見ていると、私とは違うやり方であるが、本人なりに効率化を図っていることがわかり、結局何も言わなかった。
今や、皿洗いは夫の専門分野となった。

育児だと、「そんなことしたら赤ちゃんが病気になる、怪我する」と、その場で口出したくなることもあるだろう。
もちろん抱き方が乱暴で危ない、とか、危険が伴うならその場でやめさせるべき。
でも、多くの場合は妻が夫に口出ししたくなるのは、そんなことではないはず。

また、口出しではなく、環境を整えてあげる、というやり方もある

オムツ交換に5分もかかっていると赤ちゃんが風邪をひく!と思っても、部屋を暖かくしておいてあげればよい。
だいたい、要領が悪くてモタついてる時に、何を言っても意味ないしね。
回数を重ねて、うまくなってもらうしかないので、「どうやったら早く出来るの?」と向こうから聞いてくるまで一切何も言わないほうが良い

あと、任せたらそこは夫のテリトリーなので、勝手に余計なことをしない、というのも大切。

むかし、私はお皿洗い用のスポンジが古かったので、Amazonで新しいのを注文し、古いのは捨てておいた。
すると翌日、皿洗い担当の夫が「あれ、僕の相棒がいない・・」と言いながら古いスポンジをしばらく探していた。
どうやら、新しいスポンジは洗いにくいらしく、古いスポンジを皿洗いの相棒として気に入っていたらしい。

私としては親切のつもりだったのだが、悪いことをしたと思った。


9. 夫の方が得意で頼れる、専門分野をつくってあげる

仕事でもそうだが、人は得意分野が出来て、人からも頼られるようになると、活き活きと仕事する。
家事や育児も同じだ。

ウチでは、娘の寝かしつけが夫の専門分野となっている。
実際、娘は夫の胸の中にいるほうが泣き止むし、おっぱいという伝家の宝刀がないにも関わらず、娘の機嫌を取るのは夫のほうが上手い。
夫も自分のほうが得意だと自覚しているので、私が「泣き止まないよ~」と言っていると、「どれどれ」と起きてきて、抱っこを交代してくれる。
その他、家庭によってはお風呂、オムツ替え、夜間のミルク作りなどがあるだろう。

「全てママが一番、ママじゃないとダメ!」という状態にしてしまうと、辛いのは妻自身。
仕事と同じである。
「ここはパパの方が得意」という部分があると、頼れるので、気持ち的にもラクになるのではないか。

10. 夫が育休を取る、または産後を二人だけで乗り越える経験を持つ

夫がみずから「イクメン・カジメン」になるには、妻がやっている全てを実際に経験するのが良いと思う。
そのためには、夫が長めの育休を取れるのが理想。
妻が仕事に復帰して、仕事をしている間に、家事や育児を経験する。

でも、男性の育休取得率が2%をうろうろしている現在の日本で、稼ぎがあるキャリア女性といえども、夫に育休をとってもらうのはなかなか難しい。

そんな中で、個人的にオススメなのは、出産後に夫に短くても休みをとってもらい、産後の一番大変な時期を夫婦ふたりで乗り越えて、生活を築きあげること。
里帰りをする人は、里帰りから帰った直後がチャンスになると思う。

「里帰りをしない選択」については、賛否両論あると思うので、これはこれでまた書きたいと思うが、ともかく我が家は、私の退院後一週間、夫には有給をとってもらい、二人だけで新生児と一緒の生活のスタートを切った。

子育ては夫婦どちらにとっても初めてのこと。たくさんの難問に直面し、それを二人で解決し、乗り切った。
その経験は、たとえ一週間であっても、夫婦の連帯感を生み、お互いの大変さを理解して、相手を思いやる絆になった。
夫が、今でも育児に関しては「察してくれる」し、自分からどんどんやってくれるのは、この期間があったことが良かったのではないか、と思っている。

以上、夫をイクメン・カジメンに育てるためのノウハウ集でした。
とはいえ私もまだ育成中。
これから、色々と増えたり改定したりもあると思うので、また書きたいと思います。
皆さんのノウハウがあれば、教えてください。

キャリア女性のイクメン・カジメン育成講座(前篇)

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テレビでも時折話題になる「産後クライシス」。産後2年以内に離婚する夫婦は3割、という統計もあり、他人事とは思えない。
その理由が、産後の出産・育児が非常に大変なのに、夫が理解してくれず、家事・育児に非協力的、というもの。
キャリア女性は、自活できる経済力もあるので、そんなことで愛情が冷めたら、即離婚となりかねない。

夫が自ら気付いて、家事・育児スキルを磨いてくれれば素晴らしいが、なかなかそんな人もいない。
だったら、夫がイクメン・カジメンになるように仕向けて、育てればいいんじゃないか。

実は、私の夫は、結婚前まで家事をほとんどやったことがなかった。
一方の私は、料理は好きだし、一人暮らし歴が長いので掃除や洗濯もパパっと出来る。
でも、一緒に生活するとなると別だ。今はいいけど、このままで子供が産まれたりしたら・・・。

というわけで、まだ愛情がある=やる気もある結婚直後から、夫に家事のやり方を教え、自ら家事や育児をやるイクメン・カジメンを育成することに決めた。

1. イクメン・カジメン育成は産前から

夫の家事や育児のサポートが最も必要なのは、出産後である。
ところが、産後すぐは自分の体すらままならず、家事のやり方を教えたりするのは難しい。
だから、産後にやって欲しい家事は、産前に仕込んでおく必要がある。

ここで大切なのが、「妻が夫に不満を持たないようにする」ということだ。
家事は家庭によって流派がある。家事経験のある夫であっても、妻と同じように出来るとは限らない。
産後に、実母ではなく義母が手伝いに来てくれた時に、妻が不満に思いやすいのもこのポイントだという。
もし、流派の違いで不満を持ちそうだったら、自分のやり方をやってもらうよう、お願いするほうが良い。

ウチの場合は、夫は家事経験ほぼゼロなので、流派もなく、飲み込みは早かった。
お皿洗いから始まり、買い物、洗濯、掃除など、毎週ひとつずつクリア。
簡単な料理も、お願いして作ってもらう事もあった。

こうして、出産直後に私が何も出来なかった時期には、家事はほぼ全て夫がやってくれるまでになった。

2. 相手は新人。仕事は細かく工程を切り出し、丁寧に教える

同じ「家事をやったことがない」でも、男性と女性では大きく違う。
昭和生まれの我々の場合、女性であれば、お母さんがやっているのを何となく見ていたりするので、曖昧な指示でも判断できる。
ところが、男性だとお母さんが家事をやっているのを見たことすらない人もおり、普通の指示が通じないことがある。

初仕事をやる新人に対して、「この子は仕事というものをやったことないんだ」と思って、細かく仕事を切り出し、丁寧に指示をだすのと同じように、家事も細かく工程を切り出し、丁寧に教える必要がある。

買い物など、「今日はハンバーグだから、ひき肉買ってきて」などとアバウトにお願いしてはならない。
「牛豚合い挽き、300gくらい買ってきて。もし300gがなければ、2つ合わせて300超えてればいいから」
などと伝えないと、牛ひき肉を100gだけ、とか買ってきたりすることもある。
(そのときは、小さいハンバーグしか出来ないことを身をもって示しても良いが)

細かく工程を切り出すのも重要だ。
例えば、「ゴミ捨てしておいて」と言うだけでは、「ゴミないよ」と言われる事がある。
1) 家中のゴミ箱からゴミ袋をちょこちょこあつめ、大きなゴミ袋にまとめる、2) ゴミ捨て場に捨てに行く、3) ゴミ箱に新しいビニール袋を設置する(これ大事!)という3つの工程がゴミ捨てである、ということをちゃんと切り分けて教える

仕事と同じように教えれば、夫も飲み込みが早いはずだ。
通常やっている仕事よりは単純な作業が多いはずだから。

3. 家事分担は、夫は大きなかたまりを7割、妻は3割

もし、夫と家事を半分ずつ分担、と思っているなら、夫に仕事の7割はやってもらい、妻の自分は3割だけにする、というのが鉄則。
妻には、夫がやっている家事の細かいサポート、という手間のかかる仕事があるからだ。

例えば、掃除をしてくれたけれど、ホコリだらけだったり、ベットメイキングをしてくれたけれど、シーツがシワだらけだったり、洗濯はしてくれるけれど、自分の脱いだ靴下がその辺に落っこちていたり。
そういう時に、「XXさん、こんなところにホコリがたまっているザマスよ」などと冗談めかして忠告しても良いが、最初のうちは余り言いすぎても飲み込めないものだし、やる気を失ってもらっても困る。
でも、このチリのような仕事も山となってくると、こっちが嫌になるので、最初から切り出しやすい大きな塊は7割任せるのである。

これは仕事も同じで、後輩や部下には多めに仕事を任せて、自分は負担を少なくしておき、出来なかったところ、仕上げが必要なところを自分でやる方が、全体として回ることが多い。

4. 心は鬼嫁、言葉は良妻

世の「鬼嫁」と言われる人には、実際には家事も育児も妻がやっているのに、文句が多かったり、口うるさいだけで、そう言われている人が多いのではないかと思う。
男性は、女性と比べると、「ひとに言われる」のが本当に嫌いな人が多い。

むしろ、やって欲しいのと優しい口調でお願いし、ありがとうと感謝をすれば、どんなに疲れていても、家事も育児も頑張る夫は多いのではなかろうか。
心は鬼嫁、言葉は良妻ですよ!
夫が疲れた、土日くらい寝かせてよと言っていても、心は鬼にしてやってもらうべきことはやってもらう。
でも、やってもらったら文句は一切言わず、感謝の言葉だけを口にする良妻となれば良い。
やることをやってもらっていれば、「うちの夫はなにもしないんだから・・・」と腹が立つこともないだろう。

5.  夫のモチベーションは妻の愛情

夫が家事や育児を積極的にやる理由はなにか?
中には、料理が好き、など家事が楽しいという人もいると思うが、多くの夫にとって、最大のモチベーションは、妻の愛情を得ることではないだろうか。

昔、「家事を手伝う、育児を手伝う、なんて気持ちでやっていたらダメだ、もっと主体的にやるべき」という記事を何処かで読んだが、それはなかなか難しい。
私ですら、料理以外の家事は主体的にやるモチベーションはあまりないのに、夫にそれを求めるのは酷だ。
それでも夫が手伝ってくれるのは、妻に愛されたいから。
育児だって、最初から子供に愛情があるから育児をする、というこども好きの男性はともかく、多くは妻が好きだから育児を手伝っているうちに、子供が好きになる、というもんじゃないだろうか、と私は思っている。

だから、家事や育児をやってくれたら、感謝して、ほめて、愛情をたくさんかけてあげよう。
そうしたら、夫は家事や育児にもっとやる気を出すようになる。

後編に続く→キャリア女性のイクメン・カジメン育成講座(後篇)

女性リーダー増加と出生率増加を両立できる政策を

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先日の統一地方選挙、私の住んでいる区も区長・区議会委員選挙があり、投票に行きました。
これまでの私は、国政選挙のほうが興味があり、恥ずかしながら住民税を払ってるだけで、自治体行政はほとんど興味は無かったんですね。
子供が出来てからようやく恩恵を受ける側に立った気がします。
そんなわけで、今回は議員候補の公約などもちゃんと読み、子育てに関してはどんな政策を打つつもりかを見て投票しました。
女性が育児とキャリアやリーダーシップをを両立する、という意味でも、保育園を始めとし、地方自治体がどれだけ力を入れているか、どれだけ環境が整っているかは非常に大きな意味を持つと思っています。

ちなみに娘は生後50日を過ぎて、だんだん声のバリエーションが色々増えてきて、聞いている方も言葉のボキャブラリーが増えてるみたいで聞いてて面白いです。
機嫌が良いとひとりでコロコロとしゃべっております。

写真、加工してみたんですが、これじゃなんだかわからんですかね・・・まぁ雰囲気だけでも。
BlogPaint


では早速本題に。
ちょうど、私の出産一週間くらい前だったか、大学時代の某学部横断ゼミのメーリングリストで、ご自身が書かれたレポートを回してくれた先輩がいた。

「女性活躍推進」=「少子化推進」の失敗を繰り返さないために -ニッセイ基礎研究所

書かれたのは、ニッセイ基礎研究所で女性活躍推進などの研究をされている天野馨南子さん。
読んでみると、今までの日本は、女性活躍を推進する政策や子育て支援などを頑張ってやってきているが、出生率増加に全くつながっていない、これは何故なのか、というのを掘り下げている内容。
なるほど~と納得の内容だったので、早速ブログで紹介しようと思ったが、私の出産が予定日より早まってしまい、出産前に間に合わず。
産後もバタバタとしているうちに、ダイアモンド・オンラインで大々的に取り上げられた。

政府の「女性活躍推進」が「少子化推進」となってしまう理由 (上)-ダイアモンド・オンライン
政府の「女性活躍推進」が「少子化推進」となってしまう理由 (下)-ダイアモンド・オンライン

というわけで、今更かも知れないが、これから女性としてキャリアもしっかり積んでいきたいと思っていて、子供も、と思っているような20代、30代前半女子には是非知っておいて欲しい内容なので、取り上げようと思います。

1. 何故いままで出生率増加と女性活躍推進が両立できなかったのか

天野さんの論点は、今までの政府は女性活躍と出生率増加の両立を目指していないこと、その真の原因は、女性には妊娠・出産できる生物学的な適齢期があるのに、政策担当者も当の女性自身もあまり意識していないこと、というものだ。

実際、現在の日本の子育て支援は女性リーダー増加にはつながらないものが多い。
このブログでも取り上げてきたように、長期の育休制度など、女性がキャリアを積みながら子育てと両立するより、保育園不足など育児インフラの不足を女性が担うのを支援するものが多い。
長い育休は女性のキャリア形成の妨げになる-Lilacの妊娠・出産・育児ノート)

一方で、女性活躍推進の政策は、出生率増加を結果として妨げるものだった。
これは多くの先進国で1970年以降共通に見られ、社会学では度々指摘されてきた現象だ。
ただ女性の社会進出が進むだけだと、女性の晩婚化・晩産化につながるので、出生率が低下するのである。

天野氏のレポートによると、北欧、イギリス、フランスなどヨーロッパの多くの国では、1990年代以降この問題は徐々に解決され、女性進出と出生率増加を両立出来ているという。ところが、日本の状況は改善されておらず、出生率は低下の一途をたどっている。

何が違うのか、というと「妊産適齢期」という考え方が浸透しているかどうか、ということだという。

詳しくは天野氏のレポートを参照して頂ければと思うが、女性の妊娠率は高齢になるほど落ちることを政策担当者が意識した上で、「妊産適齢期」という考え方を国民に周知徹底し、若いカップルに子供を産ませる政策を打ち出せているか、ということが大きいようだ。 

イギリスでは、年をとると妊娠力が低下することの周知徹底と、若いカップルの貧困率解消。
フランスでは、14歳からの「高齢になると不妊になる」という意識の徹底、若い人の不妊治療の無料化と、43歳以上の治療の禁止・・・など。

こうすることで、1970年代に出生率が大きく低下した国々も、徐々に出生率2.0に向けて回復して生きているのだという。

2. 日本で「妊産適齢期」という考え方をどう定着させるのか

レポートによると「36歳で女性の妊娠率が急激に低下する」ことを知っている比率が欧米で7-8割なのに対し、日本では3割に満たないと言う。

実際、私自身、20代の頃は、30代後半で産むのがそんなに大変になるなんてことは、全く知らなかった。
マスコミではタレントの高齢出産がよく報道されているし、「今は不妊治療とか技術が進んでいるんだから、大丈夫だよね」と思っていたから、20代の頃は本当に仕事を頑張ることしか考えていなかった。
私の場合、周囲の女子も高学歴、20代後半で結婚しているのも2割くらい、という環境なので余計である。
32歳の頃、親から「子供が欲しいなら、そろそろ卵子凍結することを考えなさい。35歳までしか出来ないのよ」と強く勧められ、色々調べ始めて、漸く「あ、そろそろ産まなきゃマズい年齢なんだ」と知ることに。
だから、この数字はとても納得感がある。

「30代後半や40代でも産める」という情報は、30代後半以降で妊活している人が勇気づけられる分には良いが、20代の女性が「まだ産める」と思ってライフイベントを遅らせてしまうのは良くない。

それに、30代後半での1人目出産、というのは出生率増加という意味でも余りよろしくない。
私を含め、30代後半でたまたま一人目を産めたとしても、2人目、3人目を産めるかどうかは分からない。
産める確率は1人目よりもぐっと減るのは確実である。
出生率を考えると、出来れば20代後半で1人目を産む方向に持っていくのが理想的だ。

しかし、日本で「妊産適齢期の周知徹底」を政策として実施するとなると、結構大変そうだ。
フランス政府がやったように「産みたい時ではなく、産める年齢で産むべき」などと言ったり、中学高校で「36歳以降は妊娠率が圧倒的に下がります」と教育したりなどしたら、かなりの感情的な反発が生まれそうだ。

しかし、10代から20代の女性を対象にした「妊産適齢期」教育を高校や大学などで実施することは、産む・産まないは別として、早めに人生設計を考えることにつながる。
もちろん人生設計なんて、産む・産まないも含めて意図したとおりになるとは限らないのだが、何となく生きるのではなく、「30代前半で産むために、早く資格をとって早めにキャリアを積むほうが良いな」とか考えて動くことにつながるので、良い影響を与えるだろう。

もし現在、20代でこの記事を読んでいる方がいたら、是非こんな作業をしてみて欲しい。
横軸に年齢。今の年齢から始まって5年毎に区切って50歳まで書く。縦軸は2つに分けて仕事とライフイベントと書く。
仕事の欄には、自分は何歳でどんなスキルや資格を身に着けているか、会社勤めならどんな役職でどんな仕事をしているかを書く。
ライフイベントの方には、未婚のことはとりあえず結婚は飛ばして、子供は何歳で何人産むのかを書く。
5歳ごとに区切った最初のところで、各子供が何歳なのか、自分の親は何歳なのか、を書き込む。
この作業をすると、5年毎のライフステージごとに、自分はどんな仕事をしながら、どのくらいの年の子供を育てているのか、親の介護をやっているのか、などの想像がわくようになろうだろう。

「妊産適齢期」に加え、このような作業をして人生設計を早めにすることで、若いうちにやるべきことや指針が見えてくる。是非高校や大学で積極的に取り入れて欲しい。

3. 20代で産んで、育児をしながらキャリアを形成し、女性リーダーを増やしていく政策とは

さて、私など、ある程度のキャリアを作ってから結婚→出産しているから、これからもキャリアと育児の両立は想像がつく。
なぜなら、スキルや社内の人間関係も構築できているので、産休や育休を取って仕事に復帰した時、自分が帰る場所があるし、どうすれば必要とされるかが分かっているからだ。

一方、先ほど書いたように、出生率増加を考えると、個人の立場からしても2人目、3人目が欲しいと考えているなら、20代のうちに産み始めるのが理想的である。

しかしながら、自分がもし20代後半で子供を産んで、同じようにキャリアを積めたのだろうか、と思うと、今の日本の状況では難しいのでは、と思ってしまう。 
今の日本の会社では、20代後半といえば、ようやく仕事を覚え始めたくらいの程度だ。
そんな時に、産休や育休を取って帰ってきて「非戦力宣言」されないだろうか、と不安に思う人は多いだろう。

その結果、20代で産んだあと、いわゆるマミートラック(出世は遅いが、育児との両立がしやすい負担の少ない部署で働くコース)に乗って、キャリアの優先順位は下げるか、キャリアを積むのを優先して子供は30代過ぎまで遅らせるのどちらかになってしまう人が多い、というのが現状ではないだろうか。

出生率増加と、女性リーダーを増やしていく、という両方を実現するには、マクロには、20代後半で産みながら、キャリアを積んで、ちゃんと出世コースにも乗れる、という人を増やさないとならないだろう。

何故20代後半で産むこと、と女性のリーダーシップ育成が両立できていないのか、もう少し原因を探りながら、対処方法を考える必要がありそうだ。仮説的には

・「早くキャリアを積める仕組み」 20代後半でも、会社に必要とされる-育休明けでも戦力として会社が保持しようとするキャリア形成の仕組み
・「残業しないのが当たり前」で、残業しなくても出世に響かない働き方

の2つは重要だと考えられるが、これは一朝一夕でできる事ではない。

すぐには残業が減らせないのであれば、保育園を増やすというベーシックな話に加えて、保育園の時間延長、保育園以外を使う場合(ベビーシッターなど)への金銭的援助などを行うなどにより、残業しても大丈夫な環境などを整えるしかないだろう。

今までの子育て支援政策は、女性が育児と仕事を両立する、という意味では成功し始めている。
しかし、もう一歩前に行き、女性が育児とキャリア/リーダーシップを両立する、というのが次の世代に必要なことだ。
そのためには育児をしている女性リーダーを増やすこと、ひいては出生率増加と女性リーダー増加を両立することには、もう一歩の支援が必要なのだ、という認識を多くの人が持つことはとても大切だと思う。

長い育休は女性のキャリア形成の妨げになる

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会社のアメリカ人の同僚に、子供が生まれてからどのくらい休むの?と聞かれたので、
「う~ん、3ヶ月で復帰したいけど、状況次第ね。長くても6ヶ月のつもり」 と答えると、「6ヶ月は長いね!早く復帰できるといいね。」 と言われた。
同じことを日本人同僚(年上男性)に話すと、「早く復帰するんだね。頑張ってね」という人から、「そんなに早く復帰したら、子供が可哀想じゃないか」という心ない反応まで。とにかく「早い」という反応。

米国には法令で決まった産休や育児休暇というものがなく、各企業が制度や金銭的補助を自主的に設けている事が多い。それがだいたい2-3ヶ月。だから、女性の復帰も産後2-3ヶ月が普通だ。それでこの反応なのだろう。
同じことは、東南アジアの各国でも見られ、女性の復帰は産後3ヶ月程度だ。

一方、日本では出産をきっかけに仕事を辞める女性が多いのに加え、育児休暇を子供が1歳(保育園に入れない場合1歳半)になるまで取得できる。その間も給与の67%(ただし上限は3ヶ月間28万円、その後21万円)が保証される。そのためか、1年近く職場を離れる女性が多いので、この反応なのだろう。

(ちなみにヨーロッパ人はアメリカ人に近い反応だ。育休制度は整っているが、キャリアを積んでいる女性は早期復帰の傾向が高いからだ)

日本は、2000年代の政府の涙ぐましい努力のお蔭で、世界でもまれに見る、育児休暇の整った国だ。
日本より制度的に育休が長く、給付額も大きい国は、他にはスウェーデンくらいしか無いのではなかろうか。

各国の育児休暇制度との比較はこんなページで見られる
・最近のもの(2015年2月)→ 国際比較から見る日本の育児休業制度の特徴と課題
・ちょっと前(2010年12月)→ 男性の育児休暇を促す育児休業制度のあり方
・だいぶ前、でもP49の表が見やすい(2005年)→主要国における仕事と育児の両立支援策

しかし、育児休暇が長いことは本当に良いことなのだろうか?

こういう制度は、働く女性が子育てをするのを支援するものだが、決して女性がキャリアを積むのを支援するものではない。
もっと言ってしまうと、保育所やシッターなどの育児インフラが整っていないので、働く女性(または男性)に給付金を与え、休ませて子育てをさせ、キャリア形成を阻害している、という見方もできる。

働く立場から見ると、職務にもよるが、1年ものブランクがあると色んなスキルや感覚が鈍ってしまう。
社内のネットワークも希薄になるし、営業等であれば、顧客との関係も今より薄くなってしまうだろう。
それらをもう一度再構築して、キャリアを築き始めるのには時間がかかる。
妊産適齢期である20代から30代前半にかけては、体力もあり、仕事上のスキルを身につけながら、キャリアを駆け登っていく時期だ。そんな時に、一人産むごとに1年も休んでいるのは、もったいない。

職場から見ても、1年ブランクがある社員を、復帰のサポートをしながら使うのは結構な負担だ。
これが3ヶ月程度なら、欧米で言えば長期のバカンス程度に過ぎず、そこまでサポートしなくても、フル戦力になってもらえるだろう。

日経文庫「女性が活躍する会社」 には次のような下りがある。
空調設備で世界一のダイキン工業は、2014年に、出産後6ヶ月未満で職場復帰する女性社員に対して、最初の1年の保育補助費を従来の30万円から60万円に増額するという人事施策を導入しました。(中略)
ダイキン工業の井上礼之会長兼CEOは、「本人にとってもブランクは短いほうが現場感覚が鈍らないし、キャリア形成もしやすい」と、制度導入に踏み切った背景について説明しています。

井上会長は、ワーキングマザーは大変だからと、責任ある仕事を任せないのは「優しさの勘違い」だとも指摘しました。その「優しさ」に安住していたら、いつの間にか戦力外になってしまうリスクが有るのですが、企業で働く女性も、そこに目をつむっていたのです。   
女性が子育てをしながら、キャリア形成を支援する施策というのは、育児休暇中の給与を補償するものではなく、早期の職場復帰を促しながら、ベビーシッターなども必要に応じて雇えるほど金銭面でのサポートをする、このダイキン工業のような施策を言うのだろう。

女性の早期の復帰を阻むのは、保育所不足問題と、その代わりに育休を長く取れる制度のせいだけではない。
母親は子育てを優先すべき、という周囲の価値観や期待が、早期復帰しようという女性をとどまらせる。
「そんなに早く復帰したら、子供が可哀想だよ」「お母さんは子供にとって一人なのだから」などの言葉が、悪気もなく、女性だけに浴びせられる。

なお、「子供が可哀想だ」という人たちは、決してあなたの子育てを手伝うわけでも、あなたのキャリアを築く協力をするわけでもない。
むしろ、あなたのキャリアに興味もないから、こういう言葉が悪気もなく出てくるのだろう。
本当にあなたのキャリアを築く協力をしようと思っている人たちは、こんなことは言わない。

例えば、私には、会社に何名かの男性のメンターがいるが(メンターとは→参考記事)、彼らはこのようなことを言う。
「早く復帰したいなら、会社として出来る限りのサポートをする。
でも、子育てを楽しんでゆっくり復帰したいなら、復帰した後に、しっかりとキャリアを再形成出来るように協力するから、安心して休みなさい。
子供を産み育てることで、人として大きく成長することが、キャリア形成にも非常に意味があるから。」

ブランクは短いほうが、本当は、本人は楽にキャリアを築けるので良い。長く育休を取ればきっと苦労するだろう。
でも子育てにしっかり時間を使いたいという考え方もあるから、強制は出来ない。子育てでキャリア形成に学ぶところもあるだろう。
どんな選択肢を取っても、協力をしよう。
あなたを本心からサポートしようとしてくれる人はこのように考えるものだ。「子供が可哀想」「母親は一人だ」など、他人事でしかない人達の話を真に受ける必要は全くない。

話を戻して。
日本の両立支援制度が、育児休暇を長く取りやすい方向だけに進むとしたら、大きな問題である。
保育所やベビーシッター・学童保育、およびそこへの補助金などを充実させること。
育児休暇時の給与補助ではなく、保育費等の金銭的補助をすること。
こうやって、女性が出来るだけ短いブランクで働き続けられるほうが、安部政権が目指している「少子化を解消しながら、女性リーダーを増やす」という目標には近づくだろう。

追記: 先週の記事「パートタイム育休」制度は、どうしても保育園が見つからず高いけど無認可で・・というような女性の職場への早期復帰を促すものだと考えています。
提言:「パートタイム育休」は可能なのか
提言:「パートタイム育休」は可能なのか-Part 2 反響まとめ

追記2: 誤解がないように補足すると、この記事の趣旨は、現在の政策が「育児休暇を支援」することに重きを置かれていることへの批判です。本当に女性のキャリアをサポートするなら、育児支援金を出すとか、保育所などの施設を増やす方にも行くべき、というものです。
「キャリアを優先したいけど、金銭的な理由等で出来ない女性に無理をしろ」という趣旨ではないです。(もちろん意識改革は必要ですが・・)

参考文献

女性が活躍する会社 (日経文庫)
大久保 幸夫
日本経済新聞出版社
2014-10-16

 
「女性活躍推進」=「少子化推進」の失敗を繰り返さないために-超少子化社会、脱却への処方箋-
ニッセイ基礎研究所 天野馨南子
・・・こちらは妊産適齢期の20代後半の女性へのサポートの必要性を訴えるもの 

提言:「パートタイム育休」は可能なのか-Part2 反響まとめ

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Photo credit: Fotolia

先週の記事「提言:「パートタイム育休」は可能なのか」にたくさんの反響を頂いた。
こちらのコメント欄に加え、FacebookTwitter、個人メッセージ、BLOGOSなど・・・
本当に色んな意見があり、私が思っていなかったポイントも多くあり、非常に参考になった。
コメントを下さった方、有難うございました。

今日の記事では、これらコメントを頂いて、もう一度、提言という形で書いてみたい。

1. 育児休業のあり方の希望は、職務内容、育児への考え方等で大きく異なる。
→ だからこそ、育児時短だけではない、パートタイムも含む、色んな選択肢があった方が良い


今回、「パートタイム育休」を提言したのは、記事にも書いたとおり、1)女性が職場復帰しやすいのでは、2)男性も育休を取りやすいのでは、の2点から。
コメントを読むと、1)の女性の職場復帰に限っても、時短の方が良いか、パートタイムが良いかは、現在の職務内容や勤務時間、育児への考え方、両親の助けを得られるか等で色々と異なることが浮き彫りになった。

まず、役所、銀行、事業会社などに務めており、毎日何らかの形で職場にいることが求められる職務の場合、パートタイムで週2とかで休むより、週5勤務で時短が良いという意見が多数だった。または時短まで行かずとも、残業にならず、保育園の延長保育を利用しなくて済む時間に帰れるのが利用しやすいようだ。
自治体にもよるけれど、保育園の終了時間が18時、延長保育で19時半だが、延長保育が予約できるとは限らないので、ということのようだ。
「そんなことより、子供が病気になった時フレキシブルに休める方が助かる」という声も多かった。

一方、医者などの専門職、営業職など、複数業務をマルチタスクでこなしている、そして時短が難しい、日によっては残業を避けられない職務の場合、パートタイム出勤が合っているようだ。
医者は一般人からすると極端な例だが、現状でも、週3でXX病院、週2で○○病院、のようにパートタイム勤務が一般的なので、単に務める病院の数を減らせば、現状の仕組みで対応可能。既にパートタイム育休やってます、という人も多かった。
また、営業職等で複数の顧客を抱え、顧客対応など日によって残業・夜遅くなるなどが必ず発生するという人は、担当顧客の数を減らして週の勤務数を減らし、働く日は残業して働くやり方が合っているようだ。
やはり業務によっては一度仕事を始めると、時短で帰るわけに行かないものも多いので、子どもと時間を過ごすためにパートタイム勤務という選択肢は魅力的の様子。

職務内容や育児の考え方は多様化しており、全ての人に同じ制度を当てはめるのは難しいことを改めて感じつつ、選択肢としてパートタイム育休みたいな仕組みがあるのはやはり良いのでは、と思った次第です。

2. どんな制度であっても、休業制度だけだと、周囲に負担がしわ寄せされる
→ 本人が休みをとっている間、サポートする組織的な仕組み(マルチリーダー制など)が必須


もう一つ、ものすごく多かったコメント(愚痴?)が、「どっちでもいいけど、周りの人の仕事が増えて迷惑なんだよ」という声。
育児や介護などで休みや時短を取る人がいることを前提とし、その分も含めて組織として仕事が回る仕組みにないと、周囲の個人にしわ寄せが来る。

今の時代、全ての人が結婚して子供を産むわけではない。
女性どおしの子あり vs 子無しの戦い、すなわち子供がいない人が、子供がいる人が時短などで出来ない業務を一手に背負う不公平感が問題になっている職場も有ると聞く。
男性でも「俺は奥さん専業主婦で誰にも迷惑かけてないのに、なんで共働きの人の負担を追わなきゃいけないんだよ」的な人もいる。
そう思ってる個人に「そういう狭量なこと言うから日本はいつまでも少子化なんだよ」などと言っても全く問題解決にならない。
組織で解決せずに、個人に負担を押し付ける限り、周囲の人は不公平感を持ち、育休とってる人が働きにくくなるだけなので、誰の得にもならない。

時短であれ、パートタイムであれ、フルタイム育休であれ、休みをとる人の業務を組織として吸収する仕組みが必要だと思う。
育休等の制度は徐々に整いつつあるが、サポートする方の仕組みを持っている企業が余りにも少ないのではないか。
もう個人に負担を押し付けるやり方はやめるべきだ。

ダブル担当・ダブルリーダー制: 妊娠した女性や、数ヶ月後に育児休暇や時短等を取ることが明らかな男性は、事前に申請して、業務をひとりで担当しないようにする仕組み。
一つの業務を複数名で担当する代わりに、ひとりの人が2-3の業務を担当することで効率化をする。

ローテーション担当制:出産の予定は少なくとも8ヶ月前にはわかるはずである。男女ともに産休・育休の予定は早めに決めてもらい、同じ業務をローテーションで担当する計画を職場の中で立てる。
外資系企業のマーケティング部門など、女性が多い職場では、こういった制度が導入されているところもあると聞く。

復帰時期のコミットメント:上記の仕組みを成り立たせるには、育児休業などからの復帰時期をきちんとコミットする必要がある。
日本は保育園の事情が余りにも悪いため、「保育園に入れなかったので育休を延ばします」みたいなケースが普通に認められているが、そういうことが余りに多いと、上記のような仕組みは成り立たない。
本人も復帰したいのに出来ないのはわかるが、ベビーシッター等を活用してでも職場復帰するコミットメントが出来ないのなら、最初から育休は最大値の1年半と設定し、もし保育園に入れたら、早めに復帰する、という形を取る必要がある。
職場としては、帰ってくるはずの人が帰ってこないことが問題であり、コミットメントより早めに帰ってきてくれてリソースが余るのはむしろ助かるので。

あと、「リソースが常に足りない中小企業では無理だよ」という反論をいただくが、本当にそうだろうか。
以前、Facebookで、女性がたくさん働いている20名ほどの企業で、育児休暇や時短、ダブルリーダー制などの仕組みを20年も前から導入しているという方からコメントを頂いた。
中小企業でも、個人のスキルではなく、組織のスキルに業務を落としていかないと、いつまでも火の車のままであり、それ以上に成長することは難しくなる。
どんなに小さな組織でも、組織として回るようにするのが経営者の役目ではないか。

3. 「男性の育児休暇を取りやすくするには」という視点で考えている人が男女ともに非常に少ない
→もう少し「イクメン礼賛」してでも、意識を変えていく必要があるのかも・・・


今回のパートタイム育休の提言は、個人的には男性の育児休暇取得を促進するため、というのが実は一番大きかった。
現在、日本の男性の育児休暇取得率は2.03%と低く(女性は76%)、それも2週間などの短期間が多いと聞く。
(ちなみにスウェーデン男性は70%超、ドイツ男性は18%という統計だった記憶。手元にファクトがないが・・・)

女性は、産休・育休などで長期で職場を離れることが何故か許されているが、男性にはそういう雰囲気は少ない。
(なお、医者などの専門職でない限り、女性でも職場を長期で離れると、社内ネットワークや顧客との関係が希薄になり、キャリア形成上余り良いものではないのだが、この点は今後別の記事で触れる)

そういう、長期間職場から離れることが出来ないので長期の育休が取りづらい、という男性が、育休を取れる仕組みとして、パートタイム育休というのは良いのではないかと思っている。

なのだが、そういう視点でのコメントは今回ほとんど得られなかった。
(一部に、男性でも時短をもっと取りやすくなるのが良いのでは、というコメントは頂いた)
共働きでバリバリ働いているキャリア女性からのコメントも、自分の夫が育児休暇をもっと取りやすくするため、というものが少なく、残念に思った。
キャリア女性でも、育児は自分の責任と思っている女性が多いのだろうか?

私自身は、以前の記事で書いているように、「イクメン礼賛」より、根本にある労働生産性などの問題を解決しないと意味が無い、と思っているが、今回のコメントの偏りを見て、もっとイクメン礼賛しても良いのかも・・と思うようになった。
男性もだが、女性自身も意識改革をし「育児はどっちもやるのが当たり前でしょ」みたいにならないと、男性も含む長時間労働の慣習はなかなかなおらず、労働生産性の問題も解決しないからだ。

・・・
というわけで、働き方の多様性のため、フルタイム育休、時短だけでなく、パートタイム育休のようなものも制度として取り入れ、選択肢を増やすことは意味がありそうだ。
一方、何にせよ、減ったリソースを補う組織としての仕組みがなければ、いつまでも個人にしわ寄せが来て、誰の得にもならない。
また、キャリア女性こそ「男性の育児休暇取得を促進する」、そのために仕組みを導入する、という意識を高める必要があると改めて思った、というところだろうか。

またの反響もお待ちしています。 
(あと、コメントは是非ブログのコメント欄へ。匿名でOKです。
もちろんFacebookやTwitterでも良いですが、個人的には集約して議論を活性化させたいです。)
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