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「キャリアが先か、子供が先か」シリーズ(前篇後篇)に、Facebookでかなりのコメントを頂いたが(有難うございます)、その中で「キャリアか子供かを迷う以前にそもそも相手がいないのがネック・・・」というコメントも多数いただいた。

キャリアを積んでいる女性で、結婚相手が見つからないことに悩む人は多い。
古くは男女雇用機会均等法世代の女性がアラフォーになりはじめた2003年、酒井順子の「負け犬の遠吠え」が流行した頃から、結婚しないキャリア女性が目立ち始めた。

私自身、独身生活がかなり長く、仕事や趣味に邁進していたし、今の夫に出会ったのも35歳の時だったから、独身キャリア女性のあり方について思うところは色々ある。

でも、いったん結婚してしまうと、何かイチ抜けた感があり、書きづらい。
しかし、結婚していない頃に書いても、それこそ「負け犬の遠吠え」と思われるだけなので、書きづらい。
どちらにしても書きづらいネタなので、いま書いてしまうことにした。

1. 仕事を頑張っているなら、今はキャリアを作っている時期なので、焦る必要はないと思え

20代の若い時期に「キャリア構築」を意識している人って、どれだけいるんだろうか。
キャリアについて色々書いているが、自分の過去を振り返ると、20代の頃は「キャリア」というものの具体的なイメージがなかったし、築こうという明確な意識もなかったことを思い出す。
仕事をがむしゃらに一生懸命やっているうちに、仕事のスキルとか、経歴とか、人脈など、「キャリア」と呼べる財産が出来た。
それで、「キャリア」が大切なものだと思えるようになり、ちゃんと作っていこうと自覚するようになった。
そういう仕事をただ頑張る時期があって良かったと思っている。

むしろ、キャリアとは、作られてはじめて本人もちゃんと築いていこうと自覚し始めるのかもしれない、と最近思う。
だから、独身で他のことに煩わされずに、仕事に熱中できる時期があることは、キャリア構築には重要なのではないか、と思い始めている。

だから、彼氏を作ったり、婚活をする暇もないほどに、仕事を頑張っているのだとしたら、今はキャリアをしっかり作っている時期なのだと思えばよい。

2. 仕事が忙しくても、 趣味など自分の時間をちゃんと作り、生き生きとした自分でいること

20代なら仕事だけでも良いが、就職して4,5年経って慣れてきたら、自分の時間を持つことをお勧めする。
以前の記事で、どんなに仕事が忙しくても、趣味などの自分の時間をつくることは、その仕事を成功させるためにも大切、と書いた。

家族持ちでも独身でも、自分の時間を確保するのはプロを任じる人の役目-Lilacの妊娠・出産・育児ノート

これは、仕事だけでなく、婚活という側面でも、大切なことだと思う。
趣味であれ、自分の時間を持っているひとは、生き生きして魅力的だし、人としての幅の広さを感じる。

仕事は仕事なので、長いキャリアの中ではうまく行かなくなることもある。
そんな時でも、ちゃんと自分の趣味なり目標をもっているひとは、輝きを持ち続けられる。

3. 自分でちゃんと稼げるキャリア女子のほうが、結婚相手も幅広く選択できる。だからキャリアを積んでいる自分を後悔する必要はない


ネット上には「キャリア女性は結婚の幅が狭まる」みたいなアオリ記事がよくある。
確かに、キャリア女性の周囲の男子には既婚者が多く出会いが少ないし、似た経歴の男性に敬遠された経験があったりすると、「やっぱり・・」と信じてしまうかもしれない。

しかし、論理的に考えれば、稼げる女子のほうが結婚相手を広く選択できるはずだ。
相手が人生の勝負どころにある人(起業や資格、学者や芸術家を目指してるとか)でも、「しばらくは私が稼ぐから、やってみなはれ」と言うこともできるし、まだ若くて収入が少ない人とか、専業主夫希望の人とかを選ぶことも出来る。
「お金はなくても、愛があるの」などと言えるのは、実はキャリア女子の特権ではないだろうか。

もし仮に、無意識的に相手の選択肢を狭めている女子がいたら、それは意識して考えなおした方が良いと思う。
せっかく選択肢の幅が広いのに、もったいないから。

そんな人に出会えない、と思う女子は、恐らく探す場所を間違っている。
自分の身の回り(職場や出身校とか)には、自分と似た経歴の人しか見つからないはずで、学歴や経歴が関係ない趣味の場とか、結婚相談サービスとか、幅広い場所で探したほうが良い。

「自分より学歴/キャリア/収入が高い女性は嫌」という男性は、実際には意外と少ないものだ。
自分はキャリアを積んでいるから、相手が見つからないんだなんてことは思わないでほしい。

4. 子供のタイムリミットが心配な人は、かかりつけの産婦人科医をつくり、定期的に検診に行くこと

このまま結婚せず年をとったら、子供を作ることが出来ないのでは、とただ不安な人は、検査を受けて自分の状態を知ったほうが良い。
現在は未婚でも卵子凍結サービスが利用できる。
やることをやれば、不安は解消して、仕事にも集中できるし、安心して婚活にも臨めるだろう。

日本人は、未婚で「かかりつけの産婦人科医」がいる人が少ないように思う。
未婚でピルを飲んでいる人が少ないこと、以前の記事に書いた「妊産適齢期」についての知識が少ないことが原因かも知れない。
米国留学中、ヨーロッパ人の独身女性の友人たちは、米国でも「かかりつけの産婦人科医」を作っていた。
ピルを処方してもらうだけでなく、不妊に関する検診を受けていた。
当時の私はそういう意識は低く、ただ「すごいな」と思ったが、実は30歳を過ぎてそういう知識がないほうが、遅れていることを後で自覚した。

まず基礎体温をちゃんと測ること。
3ヶ月測ると、安定した規則的な排卵があるかどうかわかり、35歳前ならこれだけでも安心材料が増える。

不妊に関する検査は、いわゆるブライダルチェックにはじまり、血中エストロゲン検査、卵管癒着を調べる造影検査、現在の卵子の数を測定するAMH検査など。

ピルは、不妊につながる病気のリスクを減らすので、将来子供をと考えているなら飲んだほうが良いと、医者の友人によく勧められたが、これもかかりつけの産婦人科で相談すると良い。

卵子凍結は、賛否両論あると思う。
高額で、体の負担も大きいのに、将来受精して妊娠する確率が今はそこまで高くないからだ。
私は、32歳を過ぎた頃から、母がしきりに卵子凍結を勧めるので行ってみたが、当時は未婚で受け入れてくれるクリニックが限られていた。
最近はこれが増えてきている様子なので、「未婚 卵子凍結」などで検索して、病院を探すと良いと思う。

価値観が色々あるので、すべての人に勧めるつもりはないが、ただただ子供ができなくなるのが不安、という人は不安のまま過ごすのではなく、ちゃんとやることはやったほうが良い。

5. 婚活は後悔しないようにちゃんとやる、でも自分にウソをつかない、無理をしないこと

私が「結婚相手を探さなきゃ」と焦っていたのは、時期遅く、33歳の頃だった。
ネットの婚活サービスにも登録し、合コン的なものにも行き、色んな人に「紹介して!」と言っていたが、収穫はなかった。
それで、疲れたのでやめてしまった。

今思うと、婚活ではリーダーシップを取ってしまう女子は嫌われるんじゃないかと思って、おとなしく振舞ってみたり、ブログ書いているなんてことは当然隠し、合コンでは学歴や経歴を黙って、お酒が弱いふりをしてみたり、とまあ色々無理をしていた。
無理の結果に出会った人とお付き合いをしても、相手は「あれこの人、思ったのとイメージ違った」と思われるわけだから、うまくいくはずがないのである。

疲れ果ててもう趣味に生きようと思い、通い始めたワインスクールでは、どんどんリーダーシップを取って企画をつくったり、幹事をやったり、猫をかぶらずやりたいことをやった。
飲み会ではガンガン飲むし、皆がお腹いっぱいでも締めの焼きおにぎりを注文して食べるし、カラオケでは好きな歌を歌って、自由奔放に過ごしていた。
結局、そんな私を1年間見ていた今の夫と結婚した。
お蔭で、結婚しても素の自分のまま、無理せずにいられる事になった。

婚活はちゃんとやったほうが良い。別に結果として相手が見つからなくても、後悔は少ないほうが良い。
それ自体が人生経験になるし、学ぶことも多い。婚活サークルで出会って一生の友人になる人もいる。
でも、結果論かも知れないが、婚活で無理をしても、一生無理をし続けるのは無理なので、素のままでいるほうが良い。
それで好きになってくれる人が少数だったとしても、どうせ一人としか結婚できないのだから、問題はないわけだし。

6. 結婚していても、離婚したり、死別もある。人はすべからく「おひとりさま」になる。だから一人で生きられるようにしておいた方が良い

私はもともと一人で過ごす時間が好きだから、というのもあるが、「おひとりさま」でも居心地よく過ごせる場所をたくさん知っている。
銀座のバーとか、六本木のイタリアンとか、赤坂のワインバーとか。
中にはモツ鍋屋、焼肉屋、など一人では入りにくいと思われる場所まで行きつけにしている。
人と一緒に行くこともあれば、自分一人でも行ける場所がたくさんある。

趣味関連だと、旅行も一人で行くし、スキー場にも一人で行って滑っている次第。

こういう、ひとりの時間を楽しむ、というのは独身時代が長くないとなかなか出来ない、贅沢なことだ。
若くして結婚していると、男女ともに、ひとりだけで過ごす場所や趣味を探すのはなかなか難しいという。

結婚した今でも、離別や死別は起こりうるし、将来ひとりになることはあるかもしれない、と思って過ごしている。
そのほうが相手に依存せずに好きになれるし、いつまでも魅力的な自分でいられると思っている。

独身時代は、おひとりさまを楽しめる大切な時期。
どうせ結婚したって、ひとりになるかもしれず、その練習だと思ってもいい。

人生80年の長い列車には、幸も不幸もいろいろあって、一緒に旅をする仲間は結婚相手だけではなく、友人や兄弟など色々いるし、多少一人旅が長いほうが楽しいこともたくさんあるから。

 [参考]
 
負け犬の遠吠え
酒井 順子
講談社
2003-10-28

この本を読み返すと、この時代は「独身キャリア女性」の対義語は「専業主婦」だったんだな、 と隔世の感が有る。