Fotolia_54112961_XS
Photo credit: Fotolia

先日、大学の先輩の結婚パーティに行った時、まだ20代後半の結婚したばかりの女性の方からこんな質問をされた。

「子供も欲しいんですが、しっかりキャリアも積みたいと思っています。まずはキャリアを積むことに専念した方が良いでしょうか?それともまずは子供を産んで復帰してからキャリアを考えるべきでしょうか?」

以前の記事に書いたように、日本の少子化解消のことを考えれば、20代のうちに子供を産み、子育てと両立しながらキャリアを積んでもらえるほうが嬉しい。初産年齢が遅くなるほど、第二子を産む可能性は減っていくから、少子化解消につながらない。

しかし、実際には現在の日本で(そしてアメリカなどでも)、20代後半のまだ「半人前」の時期に子供を産み、育休をとって復帰して、復帰後も子育てと両立しながらキャリアを積んで出世街道に残る、のはかなり大変なことである。

国や企業が、女性のキャリアと子育ての両立を支援、といくら建前では言っていても、20代後半に産休→育休と長い人で1年くらい休まれ、その後も第二子出産で休むかも・・・、時短を取るかも・・・となると、キャリアを積ませるのは難しい、と本音では考えている職場が多いからだ。残念ながら。

また、多くの場合、20代後半では得意分野も確立しておらず、会社としてその人を失っても痛くない、だから「育休とっても帰ってきて!」と強く求められることも少ない。
その人自身も、まだキャリアが確立していないから、「会社に迷惑をかけるかも」とか「子供が可哀想」などと思うと、復帰することに自信を持てない。

結局、戻ってきても「マミートラック」的な内勤などに移されたり、本人も育児との両立を考えて遠慮したり、キャリア構築は優先順位から外れていくことも多い。

私の友人などでも、20代のうちに2人とか産んで、両立をしているのは、医者や弁護士、国家公務員などが多い。一般企業づとめだと、以前紹介した「育休世代のジレンマ」に出てくるように、仕事をやめて専業主婦になったり、別企業に転職したり、という人の方が多いだろうか。いずれにせよ、20代で出産、その後復帰してキャリアで成功、という成功事例が少ないとは思う。

一方、30代半ば以降の出産だと、子育てと両立しながらのキャリアの構築はやりやすい。
メリットは多い。
  • その人の得意分野や強みも確立しており、「時短でも何でも良いから、とにかく復帰して」と職場から求められるようになってくる
  • 自分のキャリア構築に積極的に投資し、復帰後も機会を与えてくれるメンター・サポーターも20代の頃よりは圧倒的に多くいる
  • 20代の頃よりも、仕事において自分の裁量が大きくなっており、両立しやすい
  • お金に余裕もあるので、いざという時にベビーシッターや病児保育を使ったりなども容易に出来るから、仕事に穴を開けずに両立しやすい
  • 自分自身のキャリアが構築され始めており、道筋が見えていることも多く、復帰することに迷いがない
だから、キャリアのことを考えると20代で出産するより、30代以降の出産のほうがメリットは多い。
自分自身、そのメリットを享受していると思うので、「キャリア構築は絶対に外せない」と思っている若い女性には、 「20代のうちに産むほうが良い」と自信を持って答えることが出来ないのが、今の私である。

もちろん年をとると、その分、妊娠可能性が減っていくというのが大きなリスクだ。
35歳を過ぎると、かなり確率が下がる。
ただし、自分が現在持っている卵子の数を推定するAMH検査や、卵管癒着など不妊につながる要素を持っていないかを調べる検査など、いわゆる「ブライダルチェック」があるので、出産時期を遅らせても大丈夫か、完全ではないものの、ある程度の判断をすることは可能だ。

というわけで、キャリアが先か、出産が先か、と問われた場合は、
「何はともあれブライダルチェックをしてみたらどうか?そこで若いうちに産まないと妊娠の可能性が低い、と言われたら子供を作ることを優先したら良い。
もし全く問題ない、ということなら、夫婦で相談して、33歳までは仕事に邁進してはどうか」
と伝えることにしている。

本当は「20代で出産して、復帰しても心配なくキャリアを構築できるよ!」と自信を持って言えるような社会環境に早くなればいいんだけど。

後篇はこちら→ キャリアが先か、子供が先か(後篇)