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先週の記事「提言:「パートタイム育休」は可能なのか」にたくさんの反響を頂いた。
こちらのコメント欄に加え、FacebookTwitter、個人メッセージ、BLOGOSなど・・・
本当に色んな意見があり、私が思っていなかったポイントも多くあり、非常に参考になった。
コメントを下さった方、有難うございました。

今日の記事では、これらコメントを頂いて、もう一度、提言という形で書いてみたい。

1. 育児休業のあり方の希望は、職務内容、育児への考え方等で大きく異なる。
→ だからこそ、育児時短だけではない、パートタイムも含む、色んな選択肢があった方が良い


今回、「パートタイム育休」を提言したのは、記事にも書いたとおり、1)女性が職場復帰しやすいのでは、2)男性も育休を取りやすいのでは、の2点から。
コメントを読むと、1)の女性の職場復帰に限っても、時短の方が良いか、パートタイムが良いかは、現在の職務内容や勤務時間、育児への考え方、両親の助けを得られるか等で色々と異なることが浮き彫りになった。

まず、役所、銀行、事業会社などに務めており、毎日何らかの形で職場にいることが求められる職務の場合、パートタイムで週2とかで休むより、週5勤務で時短が良いという意見が多数だった。または時短まで行かずとも、残業にならず、保育園の延長保育を利用しなくて済む時間に帰れるのが利用しやすいようだ。
自治体にもよるけれど、保育園の終了時間が18時、延長保育で19時半だが、延長保育が予約できるとは限らないので、ということのようだ。
「そんなことより、子供が病気になった時フレキシブルに休める方が助かる」という声も多かった。

一方、医者などの専門職、営業職など、複数業務をマルチタスクでこなしている、そして時短が難しい、日によっては残業を避けられない職務の場合、パートタイム出勤が合っているようだ。
医者は一般人からすると極端な例だが、現状でも、週3でXX病院、週2で○○病院、のようにパートタイム勤務が一般的なので、単に務める病院の数を減らせば、現状の仕組みで対応可能。既にパートタイム育休やってます、という人も多かった。
また、営業職等で複数の顧客を抱え、顧客対応など日によって残業・夜遅くなるなどが必ず発生するという人は、担当顧客の数を減らして週の勤務数を減らし、働く日は残業して働くやり方が合っているようだ。
やはり業務によっては一度仕事を始めると、時短で帰るわけに行かないものも多いので、子どもと時間を過ごすためにパートタイム勤務という選択肢は魅力的の様子。

職務内容や育児の考え方は多様化しており、全ての人に同じ制度を当てはめるのは難しいことを改めて感じつつ、選択肢としてパートタイム育休みたいな仕組みがあるのはやはり良いのでは、と思った次第です。

2. どんな制度であっても、休業制度だけだと、周囲に負担がしわ寄せされる
→ 本人が休みをとっている間、サポートする組織的な仕組み(マルチリーダー制など)が必須


もう一つ、ものすごく多かったコメント(愚痴?)が、「どっちでもいいけど、周りの人の仕事が増えて迷惑なんだよ」という声。
育児や介護などで休みや時短を取る人がいることを前提とし、その分も含めて組織として仕事が回る仕組みにないと、周囲の個人にしわ寄せが来る。

今の時代、全ての人が結婚して子供を産むわけではない。
女性どおしの子あり vs 子無しの戦い、すなわち子供がいない人が、子供がいる人が時短などで出来ない業務を一手に背負う不公平感が問題になっている職場も有ると聞く。
男性でも「俺は奥さん専業主婦で誰にも迷惑かけてないのに、なんで共働きの人の負担を追わなきゃいけないんだよ」的な人もいる。
そう思ってる個人に「そういう狭量なこと言うから日本はいつまでも少子化なんだよ」などと言っても全く問題解決にならない。
組織で解決せずに、個人に負担を押し付ける限り、周囲の人は不公平感を持ち、育休とってる人が働きにくくなるだけなので、誰の得にもならない。

時短であれ、パートタイムであれ、フルタイム育休であれ、休みをとる人の業務を組織として吸収する仕組みが必要だと思う。
育休等の制度は徐々に整いつつあるが、サポートする方の仕組みを持っている企業が余りにも少ないのではないか。
もう個人に負担を押し付けるやり方はやめるべきだ。

ダブル担当・ダブルリーダー制: 妊娠した女性や、数ヶ月後に育児休暇や時短等を取ることが明らかな男性は、事前に申請して、業務をひとりで担当しないようにする仕組み。
一つの業務を複数名で担当する代わりに、ひとりの人が2-3の業務を担当することで効率化をする。

ローテーション担当制:出産の予定は少なくとも8ヶ月前にはわかるはずである。男女ともに産休・育休の予定は早めに決めてもらい、同じ業務をローテーションで担当する計画を職場の中で立てる。
外資系企業のマーケティング部門など、女性が多い職場では、こういった制度が導入されているところもあると聞く。

復帰時期のコミットメント:上記の仕組みを成り立たせるには、育児休業などからの復帰時期をきちんとコミットする必要がある。
日本は保育園の事情が余りにも悪いため、「保育園に入れなかったので育休を延ばします」みたいなケースが普通に認められているが、そういうことが余りに多いと、上記のような仕組みは成り立たない。
本人も復帰したいのに出来ないのはわかるが、ベビーシッター等を活用してでも職場復帰するコミットメントが出来ないのなら、最初から育休は最大値の1年半と設定し、もし保育園に入れたら、早めに復帰する、という形を取る必要がある。
職場としては、帰ってくるはずの人が帰ってこないことが問題であり、コミットメントより早めに帰ってきてくれてリソースが余るのはむしろ助かるので。

あと、「リソースが常に足りない中小企業では無理だよ」という反論をいただくが、本当にそうだろうか。
以前、Facebookで、女性がたくさん働いている20名ほどの企業で、育児休暇や時短、ダブルリーダー制などの仕組みを20年も前から導入しているという方からコメントを頂いた。
中小企業でも、個人のスキルではなく、組織のスキルに業務を落としていかないと、いつまでも火の車のままであり、それ以上に成長することは難しくなる。
どんなに小さな組織でも、組織として回るようにするのが経営者の役目ではないか。

3. 「男性の育児休暇を取りやすくするには」という視点で考えている人が男女ともに非常に少ない
→もう少し「イクメン礼賛」してでも、意識を変えていく必要があるのかも・・・


今回のパートタイム育休の提言は、個人的には男性の育児休暇取得を促進するため、というのが実は一番大きかった。
現在、日本の男性の育児休暇取得率は2.03%と低く(女性は76%)、それも2週間などの短期間が多いと聞く。
(ちなみにスウェーデン男性は70%超、ドイツ男性は18%という統計だった記憶。手元にファクトがないが・・・)

女性は、産休・育休などで長期で職場を離れることが何故か許されているが、男性にはそういう雰囲気は少ない。
(なお、医者などの専門職でない限り、女性でも職場を長期で離れると、社内ネットワークや顧客との関係が希薄になり、キャリア形成上余り良いものではないのだが、この点は今後別の記事で触れる)

そういう、長期間職場から離れることが出来ないので長期の育休が取りづらい、という男性が、育休を取れる仕組みとして、パートタイム育休というのは良いのではないかと思っている。

なのだが、そういう視点でのコメントは今回ほとんど得られなかった。
(一部に、男性でも時短をもっと取りやすくなるのが良いのでは、というコメントは頂いた)
共働きでバリバリ働いているキャリア女性からのコメントも、自分の夫が育児休暇をもっと取りやすくするため、というものが少なく、残念に思った。
キャリア女性でも、育児は自分の責任と思っている女性が多いのだろうか?

私自身は、以前の記事で書いているように、「イクメン礼賛」より、根本にある労働生産性などの問題を解決しないと意味が無い、と思っているが、今回のコメントの偏りを見て、もっとイクメン礼賛しても良いのかも・・と思うようになった。
男性もだが、女性自身も意識改革をし「育児はどっちもやるのが当たり前でしょ」みたいにならないと、男性も含む長時間労働の慣習はなかなかなおらず、労働生産性の問題も解決しないからだ。

・・・
というわけで、働き方の多様性のため、フルタイム育休、時短だけでなく、パートタイム育休のようなものも制度として取り入れ、選択肢を増やすことは意味がありそうだ。
一方、何にせよ、減ったリソースを補う組織としての仕組みがなければ、いつまでも個人にしわ寄せが来て、誰の得にもならない。
また、キャリア女性こそ「男性の育児休暇取得を促進する」、そのために仕組みを導入する、という意識を高める必要があると改めて思った、というところだろうか。

またの反響もお待ちしています。 
(あと、コメントは是非ブログのコメント欄へ。匿名でOKです。
もちろんFacebookやTwitterでも良いですが、個人的には集約して議論を活性化させたいです。)