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さて、前記事とは打って変わって違う話題で。

皆さんは、日本語でははっきりわかっているのに、英語で分からない・通じないで悲しい思い、悔しい思いをしたことはありますか?
私は数えきれないほどあります。

昔、別ブログMy Life After MIT Sloanでも書いたので、興味があれば是非こちらも読んで頂ければと思いますが、どんなに勉強していたり、知っていることでも、固有名詞や専門用語が英語圏で使われているものと異なるため通じず、悲しく寂しい思いをしてしまうことが、海外の人と話しているとよくある。

私にとって初めての海外経験だった、大学4年生でのドイツの研究所でのインターンの時のこと。
インド人の学生から「シャルルマーニュ」と言われて誰だかわからず、思わず「誰?」と聞いたところ「日本人は余り世界史を知らないんだね」と決めつけられてしまった。
後で、神聖ローマ帝国のカール大帝(Karl der Grosse、実は日本語のほうがドイツ語に忠実)のことを英語圏ではシャルルマーニュと呼ぶことが知るが、自分の無知のために日本人全体を否定されたような気がして、大変悲しい思いをした。
その後も、社会人になってからや留学中など、科学系の専門用語、現代哲学、歴史上の人物や事象などが全く外人に通じず、悲しくつらい思いを何度もした。

それ以来、何か新しいことを勉強するときは、私は必ず英語と日本語の両方で学ぶようにしている。

というわけで、長い前置きでしたが、今回も、妊娠が分かってから、英語圏の記事なども読み、英語で何ていうのかを覚えるようにしていたので、仕事などで外人と話すなどの時に使えそうな英語表現をご紹介する、というのが当記事の趣旨です。

まずは基本編から。
これは、自分が妊娠していなくても、同僚などに妊婦がいれば普通に使う表現。

1. I am expecting/I am expecting a child (私は妊娠している)
pregnantという形容詞は直接的すぎて、日常会話では余り使われないのはよく知られている。
pregnantを使う場合でも、I got pregnantなどと言い、Be動詞は使わないことが多いようだ。

で、代わりにexpecting という表現を使う。
この表現は英米欧、その他ヨーロッパの英語通話でも、普通に使われるので間違いない。
I am expecting だけで通じるし、I am expecting my first child(第一子を妊娠中です)などと明確に表現してもよい。

逆に、expecting を単独に使うと、そういう意味にしかならないので注意。
先日、私の後輩(♂)が「期待してます」というつもりで、I am expecting. で言葉を止めてしまい、外人パートナーを一瞬??という顔にさせていた。男だし、文脈的に誤解されることは無いと思うが。
I am expecting XX to happenなど、目的となる言葉を入れないと「期待する」という意味にはならない。

2. Due date (出産予定日)/ When is your due ? (ご出産はいつ?)
これもよく使う。
私の妊娠が会社内で知られるようになってから、海外の人によくこう聞かれることが増えた。Due date も「締切」という意味があるが、単独で使う場合、妊婦やその家族に使う場合は出産予定日のことを指す。
When are your due? と聞かれたら、My due date is March 8th. とか I am due in early March などと答えれば良い。

3. Morning sickness (つわり)
英語圏はつわりは朝だけの人が多いのか、というのは冗談だが、朝の空腹時に特に気分が悪くなることが多いため、こう呼ばれるらしい。
日本では、つわりは一日中続くイメージが多いので、不思議に思うが、英語圏で一日中つわりを感じる人も、Morning sicknessと言っている。Morning sickness in the evening, Morning sickness at night などでググると、午後以降つわりに苦しむ人の数の多さがわかる。

少なくとも、英語圏では、食べづわり(食べないと空腹で気持ち悪くなるつわり)が多いのかもしれない(冗談です)

4. First trimester (妊娠初期)/ Second trimester (妊娠中期) / Third trimester (妊娠後期)
これは言い方の違いだけなので、覚えれば良い。どこまでを初期とするか、どこまでを中期とするか、などは日本国内でも医者によって異なるくらいなので、気にする必要はない。
I am in the first trimester といえば、つわりの多い時期、不安定な時期。
The second trimester なら安定期。
The third trimester ならお腹も大きいし、もうすぐ生まれるのね、
という認識は全世界共通なので、これらをちゃんと覚えていれば、とりあえずは問題ない

中級編。
妊娠している人は覚えておくと良い言葉。

5. XXth Week(妊娠XX週)/ I am XX weeks pregnant (私は妊娠XX週です)
日本では妊娠期間を十月十日などと呼び、4週間を一ヶ月と数える月齢で10ヶ月まで数えるのが習慣化しているが、海外では妊娠期間は9ヶ月、または8ヶ月半など太陽暦で数える国も多いようだ。
そのため、海外から来た人に「I am 5 months pregnant (私は妊娠五ヶ月です)」と言って通じない人がいたり、正確に伝わらなかったりする。
一方、週数は世界共通なので、必ず通じる。
少なくとも妊婦の経験がある人や、身近に妊婦がいた人はわかる。

6. Show/ Starting to show (お腹が出てきた)
妊娠4ヶ月、12~13週に入ると、人によってはだんだんお腹が出てきて、今までの服ではきつくなる事がある。
この状態を She is starting to show (彼女お腹が出てきたね)などという。
マタニティ服などを準備し始める時期。
そのほか、口語でBaby bump(お腹の膨らみ)などの言葉があるが、会社では余り使わない。

7. Delivery (子供が産まれること)/Deliver your baby(子供を産む)
これは、私が最近良く海外の同僚に言われる。
"All you have to think is your delivery" "First you have to do is (to) deliver your child!" など、とにかく産むことを「Delivery」単独で使うようだ。これもexpecting とか due dateなどと同じで、単独で妊婦に使えば、文脈上そういう意味になるということだ。

8. Break water/ my water breaks(破水した)
アメリカなどだと、出産前日まで妊婦が仕事していることがザラなので、オフィスで破水する、なんてこともあるらしい。先日、アメリカ出身の同僚に、"One of my colleagues broke her water in the office" という話を聞いたばかりだ。
My waters break など、何故か複数形で言うこともあるらしい。
産休が短めで直前まで働く予定で、海外にいたり、外人に囲まれて仕事をしている人は、これを覚えておけば良い。
なお、「破水」は正式にはRuptureと言うらしいが、これは英語圏の記事などでは読むが、口語では余り使わない。

9. Labor (陣痛)/ She is in labor (陣痛が始まっている)/ going into labor(陣痛が始まった)
同じく、出産直前まで仕事をしていて、破水に気づかず突然陣痛が来てしまう人はこれである。
I'm going into labor などと周囲に訴えて、タクシーなり手配してもらって直ぐに病院に行こう。


上級編。
これは、海外の妊娠関連の記事を読んだり、情報を集めたりする際に参考になる単語や表現。
普段の日常会話しか必要ない人は、全く覚える必要がない。

10. Gestational sac(胎嚢)
そもそも胎嚢って何、という人もいるかもしれないが、 妊娠検査薬(pregnancy test)で陽性(positive)が出ると、最初に病院に行って超音波検査で妊娠の確認をするのがこれ。胎児が入る赤ちゃんの袋である。
妊娠6~7週くらいで、まだ胎芽が確認できない時期だと、この胎嚢の大きさだけが、赤ちゃんがどれくらい育っているかを確認できる手段なので、妊婦の人はとても気にする。
Googleで gestational sac size などで調べると、日本語にはない圧倒的な量の、胎嚢の大きさと週数に関するデータが出てくるので、どうしても不安な人はこれで調べると良い。

11. Embryo (胎芽)
そして、赤ちゃんが胎嚢の中に見えるようになると、これを日本語では胎芽(まだ胎児ではない)と呼ぶが、英語では普通にEmbryoで良い。いわゆる「胚」である。
これもイメージ検索などをすると、日本語にはない凄まじい量の情報が出てくる。

12. Prenatal diagnosis (出生前診断)
出生前診断は、日本では決定診断(確率ではなく、直接染色体を観察することで決定打になる診断)として、羊水検査(amniotic diagnosis)、絨毛検査(chorionic villus sampling)の他に、最近認められた新型診断がある。
出生前診断は、日本よりも米国やイギリスのほうが圧倒的に知見もあり、様々な議論がなされているので、受けようか迷っているひとは、日本のウェブだけでなく、これらの言葉を使って海外のサイトも調べて見るのが良いと思う。

さて、専門的な用語は書こうとすると他にも山のようにあるのだが、きりがないのでここで終わりにしておく。

最後に、英語で情報を得たい人のためのオススメ携帯アプリを紹介しておく
Sproutというアプリで、週数ごとに、妊娠中の状況、注意しておくべきことなどが提供される。
これを使っていると、「ふーん、アメリカではこの時期にこういう診断をするのか」「こういう英語表現をするのか」などがわかるので、米国系企業などに勤めている人は話のネタが出来る、という以上でもそれ以下でも無いのだが。

iPhoneでもAndroidでもどちらにもあるアプリなので、興味がある人は是非インストールしてみてください。

Sprout