Lilacの妊娠・出産・育児ノート

キャリア志向の強い女性や、仕事で既に責任ある立場にあったりする女性向けの妊娠・出産・育児ブログ。 妊娠したときのTips集、キャリアと妊娠・育児を取り巻く論点、女性リーダーシップと子育ての両立、日本と海外の状況比較、今は仕事に没頭中だけどいずれは子供も欲しいと思う若い女性向けのメッセージなど、様々な話題をお届けします

長女2歳、昨年生まれた次女は8ヶ月になります。2回目の産休からは3ヶ月で復帰して、はや4ヶ月が経ちます。最近更新できてませんが、わたしはげんきです。

妊娠中期に旅行に行っていいの?

妊娠中期に入り、人によっては徐々に苦しかったつわりから解放されるので、急に何かを始めるエネルギーが出てくるようになる。
20週も過ぎれば、胎動も感じ始め、ちゃんと赤ちゃんが定着している安心感も生まれてくる。
せっかくなので旅行とか、妊娠初期には出来なかったことをしたい、と思うが、旅行については、行くべきか迷うカップルは多いのではないだろうか。

インターネットで「妊娠 安定期 旅行」などのキーワードで検索すると、「安定期はマタ旅に行こう!」と煽る、雑誌や旅行会社の商業的なサイトと、「そんなことも我慢できないのですか?親としての自覚が無さすぎます」など否定的なコメントが多い、小町や知恵袋などのサイトに分かれている。

私は、妊娠中期の旅行が安全だと太鼓判を押すつもりはないが、安全に旅行することは可能だと思っている。統計的には、旅行をしても何のトラブルもなく旅行を終えるカップルがほとんどだろう。旅行に行っても良い、良くないと誰が言った云々の問題ではなく、リスクを負うことが夫婦二人にとってOKなのかどうか、ということに尽きる。
したがって、大切なのは、次の4点だと思う。

1. 妊娠中の旅行のリスク・危険性、起こりうる事態について把握しておく: どんなことでも、リスクと対処法を知らずに実行するほど危険なことはない。
妊娠中の旅行が通常と異なるのは、
・頻尿で、トイレが近い 
・とにかく疲れやすい。頻繁な休憩と、長い睡眠時間が必要
・温泉とかは、滑って転んだりするケースが有るらしい。感染症のリスクもある
・何かの事態で病院に駆けつける必要があるかもしれない。最悪の場合、切迫早産で子供が生まれてくることがある。新生児集中治療室(NICU)が必要になるが、旅行先によっては受け入れてもらえない 

2. そのリスク・危険は回避する旅行を設計する。普段より余裕を多く設け、無理は絶対にしない

3. 妊婦の状況によって違うので、かかりつけの産婦人科医にも相談しておく: これも「医者が良いと言ったからOK」とかではなく、自分たちのリスクを知り、自分たちが判断するための材料として聞くこと。

4. 二人で楽しむのが目的なんだから、最後は夫婦で相談し、二人にとって良いと思う結論を: 夫婦で楽しむために旅行をするのであり、二人にとって「これなら良い」と思える落とし所を探すのが一番大切だと思う。どちらかが「どうしてもこれをしたいから」と言って、片方が不安や心配をしながら旅行するのは健全ではない。特に上に書いた切迫早産でNICUが必要になるとかのリスクを二人で受け止める覚悟があるかは、ちゃんと話し合っておくべき。

私達の場合は、二人で話し合って、つぎの決まりを作って2回ほど旅行した。
・(ふたりとも土日しか休みがなかったので)国内一泊旅行で、ゆっくり出来る場所に限定→温泉!
・温泉は部屋についてるところ。せっかく夫婦二人の旅行なので、二人でゆっくりしたいし、「滑って転ぶ」などが怖かったので
・メジャーな温泉地または地方都市に限定。病院の目処は立てておく。秘湯とか奥まったところには行かない
・電車で行く場合は乗り継ぎが少ない行き方。グリーン車があれば使う。車は40分運転・20分休憩で余裕を持って旅程を組む

その結果、こんなところに行きました。

伊豆旅行

9月中旬、妊娠15週の頃。
個室で露天風呂がついてるところに限定して、そんなに高くないメジャーな温泉地で探して、伊豆の旅館へ。
新幹線と伊豆急行の乗り継ぎで行きました。

風呂→夕食→風呂→寝る→風呂で日の出を見る→寝る→風呂→朝食→風呂→チェックアウト
という感じで、食事と風呂しか活動していなかった気が・・・
この頃、ふたりとも平日は仕事で忙しかったので、ゆっくり出来ました。

唯一やった活動が、日の出の時間に起床して、日の出を見ながら風呂にはいること。
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日が昇るのが早くて、すぐにこんな景色になってしまいます。
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その後は朝食。伊豆だけにお魚いっぱいでした。
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帰りは伊豆のテディーベアミュージアムによりました。

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大洗旅行

妊娠19週の頃。10月下旬でした。
Facebookで友人が大洗に行っていたのを見て影響を受けたのと、某アニメの影響で大洗の温泉旅館へ。
夫はペーパーで、私のほうが運転経験も長く慣れているので、私が運転。
普段では考えられない程に疲れることに驚き。本当に休み休みじゃないと高速を集中して運転できない。
夫の要請で40分走って20分休憩という予定を立てており、私はトイレの問題もあるので受け入れつつ、内心「そんなに必要ないだろう~」と高をくくっていましたが、必要でした。夫の先見の明に感謝。
常磐道のメジャーな休憩所には全て止まった感じです。自分で必要だと思う以上に休んで、安全第一に。
私は車の運転が大好きですが、この旅行を機に、妊娠中はもう車の運転はいいや・・と思いましたね。
あと夫もこの旅行を機に、ペーパードライバー講習に通い始めました。

二人で泊まるには広すぎるくらいの旅館。ゆっくりしました。

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そして恒例となった部屋風呂からの初日の出。
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この時も、旅館では食事と風呂を繰り返す以外はやらなかった・・。
食事の場所は、海が見える気持ち良い場所。
そして、やっぱりお魚いっぱいでした。大洗は漁港が有名ですものね。

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午後は某アニメの聖地を色々尋ねた後、ひたち海浜公園にコキアを見に行きました。
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私の場合、高齢初産だし、病院が見つからないリスクを考えると怖く、海外は考えなかったな。。
行くなら行き慣れてるし、住んでいたこともあるアメリカ西海岸(ナパバレー)と思いましたが、別に今リスク取って行かなくても良いかな、と思ってました。お酒飲めないから楽しみ半減だしね。
一方、奥さんが過去に国際線CAだった友人夫妻は普通に海外旅行していました。奥さんが飛行機の経験豊富なだけでなく、旦那さんも海外で色々ネットワークが有る人なので、緊急の対処法などわかっていたのだと思います。自分たちが経験豊富で、明確にリスクとその対処法を分かっているなら、海外行ってもいいかと思います。
でも、初めての海外旅行とか、初めての国とかはリスクが図りにくく、私は絶対におすすめしませんが。

私は、安定期に仕事で2回ほど飛行機で国内出張をしましたが、久しぶりにつわりのような症状が出て気分が悪くなりました。
海外だと最低3時間は飛行機にのることを考えると、行かなくて正解だったと後で思いました。
どうしても沖縄などの遠いところや、海外旅行に行きたいという人は、まずは国内短距離で飛行機に乗って、自分がどんな気分になるか試してみれば良いと思います。

国内で、かつ一泊旅行しかしなかったけれど、いい思い出は出来るので、さっきも書いたとおり、夫婦でリスクについて相談して、二人が心配や不安なく、楽しめる場所に行って最大限楽しめば良いのでは、と思います。

一応、最近のマタ旅ブームに警鐘を鳴らしている記事も貼っておきますので、判断の参考にして下さい。
「救急受診の4割が安定期-妊婦の旅行に警鐘」 宋美玄のママライフ実況中継 
「マタ旅」~妊娠中の旅行の危険性【「安定期」の嘘】 Naverまとめ

提言:「パートタイム育休」は可能なのか-Part2 反響まとめ

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先週の記事「提言:「パートタイム育休」は可能なのか」にたくさんの反響を頂いた。
こちらのコメント欄に加え、FacebookTwitter、個人メッセージ、BLOGOSなど・・・
本当に色んな意見があり、私が思っていなかったポイントも多くあり、非常に参考になった。
コメントを下さった方、有難うございました。

今日の記事では、これらコメントを頂いて、もう一度、提言という形で書いてみたい。

1. 育児休業のあり方の希望は、職務内容、育児への考え方等で大きく異なる。
→ だからこそ、育児時短だけではない、パートタイムも含む、色んな選択肢があった方が良い


今回、「パートタイム育休」を提言したのは、記事にも書いたとおり、1)女性が職場復帰しやすいのでは、2)男性も育休を取りやすいのでは、の2点から。
コメントを読むと、1)の女性の職場復帰に限っても、時短の方が良いか、パートタイムが良いかは、現在の職務内容や勤務時間、育児への考え方、両親の助けを得られるか等で色々と異なることが浮き彫りになった。

まず、役所、銀行、事業会社などに務めており、毎日何らかの形で職場にいることが求められる職務の場合、パートタイムで週2とかで休むより、週5勤務で時短が良いという意見が多数だった。または時短まで行かずとも、残業にならず、保育園の延長保育を利用しなくて済む時間に帰れるのが利用しやすいようだ。
自治体にもよるけれど、保育園の終了時間が18時、延長保育で19時半だが、延長保育が予約できるとは限らないので、ということのようだ。
「そんなことより、子供が病気になった時フレキシブルに休める方が助かる」という声も多かった。

一方、医者などの専門職、営業職など、複数業務をマルチタスクでこなしている、そして時短が難しい、日によっては残業を避けられない職務の場合、パートタイム出勤が合っているようだ。
医者は一般人からすると極端な例だが、現状でも、週3でXX病院、週2で○○病院、のようにパートタイム勤務が一般的なので、単に務める病院の数を減らせば、現状の仕組みで対応可能。既にパートタイム育休やってます、という人も多かった。
また、営業職等で複数の顧客を抱え、顧客対応など日によって残業・夜遅くなるなどが必ず発生するという人は、担当顧客の数を減らして週の勤務数を減らし、働く日は残業して働くやり方が合っているようだ。
やはり業務によっては一度仕事を始めると、時短で帰るわけに行かないものも多いので、子どもと時間を過ごすためにパートタイム勤務という選択肢は魅力的の様子。

職務内容や育児の考え方は多様化しており、全ての人に同じ制度を当てはめるのは難しいことを改めて感じつつ、選択肢としてパートタイム育休みたいな仕組みがあるのはやはり良いのでは、と思った次第です。

2. どんな制度であっても、休業制度だけだと、周囲に負担がしわ寄せされる
→ 本人が休みをとっている間、サポートする組織的な仕組み(マルチリーダー制など)が必須


もう一つ、ものすごく多かったコメント(愚痴?)が、「どっちでもいいけど、周りの人の仕事が増えて迷惑なんだよ」という声。
育児や介護などで休みや時短を取る人がいることを前提とし、その分も含めて組織として仕事が回る仕組みにないと、周囲の個人にしわ寄せが来る。

今の時代、全ての人が結婚して子供を産むわけではない。
女性どおしの子あり vs 子無しの戦い、すなわち子供がいない人が、子供がいる人が時短などで出来ない業務を一手に背負う不公平感が問題になっている職場も有ると聞く。
男性でも「俺は奥さん専業主婦で誰にも迷惑かけてないのに、なんで共働きの人の負担を追わなきゃいけないんだよ」的な人もいる。
そう思ってる個人に「そういう狭量なこと言うから日本はいつまでも少子化なんだよ」などと言っても全く問題解決にならない。
組織で解決せずに、個人に負担を押し付ける限り、周囲の人は不公平感を持ち、育休とってる人が働きにくくなるだけなので、誰の得にもならない。

時短であれ、パートタイムであれ、フルタイム育休であれ、休みをとる人の業務を組織として吸収する仕組みが必要だと思う。
育休等の制度は徐々に整いつつあるが、サポートする方の仕組みを持っている企業が余りにも少ないのではないか。
もう個人に負担を押し付けるやり方はやめるべきだ。

ダブル担当・ダブルリーダー制: 妊娠した女性や、数ヶ月後に育児休暇や時短等を取ることが明らかな男性は、事前に申請して、業務をひとりで担当しないようにする仕組み。
一つの業務を複数名で担当する代わりに、ひとりの人が2-3の業務を担当することで効率化をする。

ローテーション担当制:出産の予定は少なくとも8ヶ月前にはわかるはずである。男女ともに産休・育休の予定は早めに決めてもらい、同じ業務をローテーションで担当する計画を職場の中で立てる。
外資系企業のマーケティング部門など、女性が多い職場では、こういった制度が導入されているところもあると聞く。

復帰時期のコミットメント:上記の仕組みを成り立たせるには、育児休業などからの復帰時期をきちんとコミットする必要がある。
日本は保育園の事情が余りにも悪いため、「保育園に入れなかったので育休を延ばします」みたいなケースが普通に認められているが、そういうことが余りに多いと、上記のような仕組みは成り立たない。
本人も復帰したいのに出来ないのはわかるが、ベビーシッター等を活用してでも職場復帰するコミットメントが出来ないのなら、最初から育休は最大値の1年半と設定し、もし保育園に入れたら、早めに復帰する、という形を取る必要がある。
職場としては、帰ってくるはずの人が帰ってこないことが問題であり、コミットメントより早めに帰ってきてくれてリソースが余るのはむしろ助かるので。

あと、「リソースが常に足りない中小企業では無理だよ」という反論をいただくが、本当にそうだろうか。
以前、Facebookで、女性がたくさん働いている20名ほどの企業で、育児休暇や時短、ダブルリーダー制などの仕組みを20年も前から導入しているという方からコメントを頂いた。
中小企業でも、個人のスキルではなく、組織のスキルに業務を落としていかないと、いつまでも火の車のままであり、それ以上に成長することは難しくなる。
どんなに小さな組織でも、組織として回るようにするのが経営者の役目ではないか。

3. 「男性の育児休暇を取りやすくするには」という視点で考えている人が男女ともに非常に少ない
→もう少し「イクメン礼賛」してでも、意識を変えていく必要があるのかも・・・


今回のパートタイム育休の提言は、個人的には男性の育児休暇取得を促進するため、というのが実は一番大きかった。
現在、日本の男性の育児休暇取得率は2.03%と低く(女性は76%)、それも2週間などの短期間が多いと聞く。
(ちなみにスウェーデン男性は70%超、ドイツ男性は18%という統計だった記憶。手元にファクトがないが・・・)

女性は、産休・育休などで長期で職場を離れることが何故か許されているが、男性にはそういう雰囲気は少ない。
(なお、医者などの専門職でない限り、女性でも職場を長期で離れると、社内ネットワークや顧客との関係が希薄になり、キャリア形成上余り良いものではないのだが、この点は今後別の記事で触れる)

そういう、長期間職場から離れることが出来ないので長期の育休が取りづらい、という男性が、育休を取れる仕組みとして、パートタイム育休というのは良いのではないかと思っている。

なのだが、そういう視点でのコメントは今回ほとんど得られなかった。
(一部に、男性でも時短をもっと取りやすくなるのが良いのでは、というコメントは頂いた)
共働きでバリバリ働いているキャリア女性からのコメントも、自分の夫が育児休暇をもっと取りやすくするため、というものが少なく、残念に思った。
キャリア女性でも、育児は自分の責任と思っている女性が多いのだろうか?

私自身は、以前の記事で書いているように、「イクメン礼賛」より、根本にある労働生産性などの問題を解決しないと意味が無い、と思っているが、今回のコメントの偏りを見て、もっとイクメン礼賛しても良いのかも・・と思うようになった。
男性もだが、女性自身も意識改革をし「育児はどっちもやるのが当たり前でしょ」みたいにならないと、男性も含む長時間労働の慣習はなかなかなおらず、労働生産性の問題も解決しないからだ。

・・・
というわけで、働き方の多様性のため、フルタイム育休、時短だけでなく、パートタイム育休のようなものも制度として取り入れ、選択肢を増やすことは意味がありそうだ。
一方、何にせよ、減ったリソースを補う組織としての仕組みがなければ、いつまでも個人にしわ寄せが来て、誰の得にもならない。
また、キャリア女性こそ「男性の育児休暇取得を促進する」、そのために仕組みを導入する、という意識を高める必要があると改めて思った、というところだろうか。

またの反響もお待ちしています。 
(あと、コメントは是非ブログのコメント欄へ。匿名でOKです。
もちろんFacebookやTwitterでも良いですが、個人的には集約して議論を活性化させたいです。)

提言:「パートタイム育休」は可能なのか

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育児休業って、何故100%完全休業しかオプションがないのだろうか、というのが以前からの疑問である。
「パートタイム育休」-例えば週に2日間だけ育休を取り、3日間は出勤、というようなフレキシブルな育休の取り方は出来ないのだろうか。

育児休業中は、通常、給与の約3分の2が支給されることになっているが、パートタイム育休というオプションを取る場合、出勤日については全額もらえるが、休業日については3分の2が支給される、という形である。

私は労働関係の専門家でもないし、これ自体が練り切れたアイデアでもないので、ここは是非、専門家の方に意見を頂いたり、皆さんにアイデアを叩いてもらおう、と思いブログに書くことにした。

パートタイム育休なら、ママの職場復帰はよりスムーズに

私の友人で、子育てと仕事を両立している人に話を聞くと、一番大変なのは、育休が明けて職場に復帰した最初の2-3ヶ月だった、という人が多い。自分自身が、仕事から100%離れていたところから、突然週5日フルタイムで働くことに加え、子供も保育園という慣れない環境に突然週5日間預けられるため、熱を出したり、病気になったりしやすい、という二重苦に見舞われる、とのことだ。
気の利いたママは、復帰の2~3ヶ月前から、週に2日3日を保育所に預ける「慣らし保育」を行う、と聞いたこともあるが、保育所の数自体が不足している現在、全員がそんなことを出来るわけではない。

もし、ここでパートタイム育休という制度があったらどうだろうか。

例えば子供が生まれて1年で完全復帰するプランを立てている場合、最初の半年間は完全休業、次の3ヶ月は週3日育休で2日間出勤、最後の3ヶ月は週1日育休で4日間出勤、という形で徐々にランプアップしていくことが可能になる。
1年の休業明けで、突然フルタイムという事態も避けられるし、そもそも職場からそんなに長く離れずに済むので、浦島太郎にならずに済むだろう。子供も「慣らし保育」的に徐々に保育園に馴染んでいくことが可能だ。

日本の育児休業は世界的にも長く、逆に女性の社会復帰が難しくなっているという課題がある。パートタイム育休制なら、早くに職場に戻ることが可能になるので、この問題も低減するだろう。

パートタイム育休なら、パパも育休を長めに取りやすい

現在、父親の育児休業取得率は2%弱、それも2週間から1ヶ月の短い育児休業が多いと聞く。これだけ「イクメン礼賛」されていて、育休を取りたいと思う男性が増えていても、なかなか取りづらいのが実情だ。
これは、パパだって、育児休業をそんなに長く取ったら、業務から離れすぎて浦島太郎になってしまうこと、責任ある立場にいると、半年だの1年だの長く業務から離れられない、などが理由ではないだろうか。(ま、本当は女性も同じことなのだが)

もし、ここでパートタイム育休制度があったらどうだろうか。

例えば、ママが週3日育休で2日間出勤としている3ヶ月は、パパは逆に週2日育休で3日間出勤とするなど、週の中で交互に育休を取ることも可能になる。または、ママが完全復帰して、パパが長期の育児休暇を取る場合でも、週3日育休で2日間出勤で半年、とすれば業務から離れずに育休を取ることが可能になる。
あるいは、週1日育休で4日間出勤を1年間続ける、なんていうのは現実的ではないだろうか?

パートタイム育休実施の妨げになると思われる諸問題

以上のように書くと、ぱっと見、良い案に見えると思うが、パートタイム育休を実際にやるには色々と課題がありそうである。

1)保育所入所問題
現在、多くの地方自治体の認可保育園は「週5日間預け」がデフォルトになっているようである。認可保育園を活用しようとする限り、週3日だけ預ける、とか週4日だけ預ける、というのは難しくなりそうだ。
また、認可保育園に入るためには、各家庭の勤務の状況を申告し、その状況のひどさに応じて「点数」が加算され、点数の高い順に(つまり状況がひどい順に)保育園に入ることが出来るのだが、多くの自治体で「母親が週5日間勤務している・・・1点」のように設定されている。つまりフルタイム勤務でないと入園に不利になってしまう。

これは、保育園の制度の改革、点数の計算の仕方等を変えることにより、解決可能に思えるが、いずれにせよ、変更は必要となる。

2)給与計算・保険支払の手続きコスト倍増問題
上記で提言した形で、給与と保険が支払われるとすると、例えば週3日育休・週2日勤務の場合は、週2日分の給与は会社から支払われ、週3日の育休分は加入している社会保険等から支払われることになる。
その支払にかかわる手続きコストは、支払いが2箇所になる分、倍増することになり、コストが大きくなってしまうだろう。

この手続コストが高くなる問題と、パートタイム育休で国民が受ける恩恵のどちらが大切か、という問題だが、国を上げて女性の活用を促進しているのであれば、この程度のコストは織り込んでも良いかもしれない。(トレードオフなので、いくらになるかは計算する必要はあるが)

3)職場がまだパートタイム勤務に対応していない問題
仮にパートタイム育休が取れる様になったとしても、職場のほうがフルタイム or 完全休業にしか対応していなければ意味が無い。
以前紹介したダブルリーダー制や、一業務に複数名が担当する制度など、パートタイムで働くことが普通にできるよう職場も変わっていけば、育休云々にかぎらず、もっとフレキシブルな働き方が出来る様になるだろう。

他にもパートタイム育休実施に向けた課題はあるかもしれないが、素人考えでは、導入することのメリットは大きいのではないか、と思っている。どうだろうか。

というわけで、この記事は是非皆さんのコメントを募集しています。特に
・そもそもパートタイム育休って意味あるのか
・パートタイム育休実施の妨げになるその他の問題と解決方法
・パートタイム育休を実施するために、どのような制度を変える必要があるか
といったところについて、コメントをお待ちしております。

(追記)こちらの記事に頂いた反響を元に、続編を書きました。
提言:「パートタイム育休」は可能なのか-Part2 反響まとめ 

女性のキャリア構築で重要となる「メンター」にまつわる10個の誤解

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最近、女性が昇進するためのメンターやスポンサーの重要性があちこちで語られている。
このブログでも女性のリーダーシップを論じる以上、一度は書かないといけない、と思っていた話題がこれだ。
私自身、現段階でメンターやスポンサーとなる人を探し、関係構築をしているところであり、偉そうに語るほどに分かっているわけではない。ただし、私の少ない現在の経験から思うことも多いので、勇気を振り絞って(笑)まとめてみる。

そもそも、メンターとかスポンサーって何?という方もいるだろう。
メンターとは言葉通り、仕事上での指導者や助言者という意味だ。キャリアを構築するために、もっと生々しく言えば組織で生き残り、階段を登っていくために必要不可欠なアドバイスをくれたり、指導をしてくれる人をメンターと言う。女性も、男性も、キャリア構築にはメンターの存在は非常に重要だ。

一方、スポンサーとはメンターより狭義で使われる言葉で、昇進したり、立場を築くのに投資してくれる人、リスクを取ってくれる人である。例えば、他の幹部にその人を推薦して、昇進しやすくしたり、新しい仕事のチャンスを与えたりするためにリスクを取ってくれる人が「スポンサー」と呼ばれる。

なお、ここで「リスク」と言っているのは、例えば「こいつはよく出来るぞ」と他の幹部に自分の部下を推薦したのに、その部下が成果を出せなければ、部下の能力の目利き力に疑問符がついてしまうので、他の幹部に人を紹介するのもリスクはある、というような世知辛いことを言っている。

メンターだと「アドバイスするだけの人」という意味にもなり、その人に仕事を与えるためや昇進するためにリスクを取るとは限らないから、最近は「メンターだけではダメ、スポンサーがいないと出世できない」などと言われて、スポンサーという言葉が区別して使われる、という文脈である。

1. メンターとスポンサーは違うもの?-No その区別を付ける必要はない。幅広い層のメンターを持つことが重要

というわけで、メンターとスポンサーは定義としては違うが、それを敢えて区別する必要はないと考えている。というか、同じ直線上にある、程度の問題であり、区別することは難しい。メンターと言うものの実態を考えると、「メンターだけでなく、スポンサーがいないとダメ」という言説は、非常に浅く聞こえるのである。

そもそもメンターがメンティーのために時間を割いてアドバイスをくれることだって、投資である。それ以上の投資をするのは嫌だと思っているメンターはいない。信頼関係が深くなるにつれ、自然と投資額が増えていく、というだけのことなのだ。
または、自分のメンティーのために何かをしよう(投資しよう)、と思っているが、メンター自身が若かったり、社内での立場がまだ低く、できる事に限界があることもある。その限界の中で、自分の上司にメンティーを「彼女は有能なんです」と推薦してチャンスをあげたり、評価を高めようとするのが、若いメンターの自然な行動だ。

重要なのは、スポンサーを持つことではなく、幅広い層のメンターを持つこと、そしてそのメンターとの信頼関係を徐々に深めていくことである。自分のメンターポートフォリオの中に、直接昇進させるなどの実力があり、スポンサーとして振る舞える人がいるのが理想、というだけである。
逆にスポンサー的な偉い人だけが評価し、直属の先輩や上司がメンターになってくれない人は、恐らく何か問題がある。

というわけで、この文章では、メンターとスポンサーは分けて使わず、スポンサーの意味を含む形でメンターという言葉を使う。

2. メンターを持とうとするのはいやらしいこと?-No 出世のためでなく、楽しく賢く生きるために必要なこと

自分が出世するために「メンター」を持つなんて、日本人の美徳からするといやらしい、と思う人もいるかもしれない。これに対しては、メンターが自分の出世のため、などと考える必要はない、と言いたい。

メンターとは、自分を評価し、相談に乗ってくれて、新しいチャンスをくれたり、アドバイスをくれる人だ。会社の中で、自分がやりたいことをやるために、他の部署に掛けあってくれたり、顧客など社外の人を紹介してくれたりと、時間やネットワークを投資してくれる人もメンターだ。また、仕事を進める上で困っている時(例えば仕事と育児の両立など)に、時間を割いて相談に乗ってくれたり、アドバイスをくれたり、問題解決をしてくれる人もメンターだ。

そういう形で、自分のために時間やネットワークその他を投資してくれる人がたくさんいれば、仕事も成功させやすいし、自分も楽しい。「出世のためのメンター」がいやらしいと思う人は、自分が仕事を成功させ、楽しむためにはメンターたちの協力が必要不可欠であり、結果として出世も伴う、と思う方が自然だろう。

3. 私にはメンターはいない-No. 組織で生きてきた以上、メンターは絶対にいる。「この人は私のメンターだ」と意識することが信頼構築の第一歩

最近、「女性のキャリア構築にはメンターが不可欠」と喧伝されるせいか、「私にはメンターがいない、それで苦労しているのだ」などと思い込んで焦っている女性が増えているように思う。しかし、新入社員ならともかく、それなりの期間働いてきているのであれば、絶対にメンターやスポンサーがいるはずだ。常に自分を抜擢するほどの信頼関係がまだ築けていないとしても、少しは自分に投資をしてきてくれているはずである。過去に小口でも自分に投資してくれた人に対し、「この人が私のメンターなんだ」と意識をすることが、メンターたちとの信頼関係を深め、もっと多くの投資を引き出すための第一歩である。

今週3回目の引用になるが、LEAN INの中でシェリル・サンドバーグはこんな経験を紹介している。
グーグルにいた頃、非常に優秀な若い女性に数年にわたって注目し、彼女が重大な決定をする局面で折にふれてアドバイスをした。「メンター」という言葉は使わなかったが、彼女の成長のためにたくさんの時間を費やしたつもりだった。だからある日彼女が、「私にはメンターはいなかったし、私を見守ってくれる人は誰もいなかった」とひどくあからさまに言った時、私はびっくりしてしまった 

メンティーだと思って投資している人に「私にはメンターはいない」と言われる程、メンターにとって悲しいことはない。それでメンター・メンティーの関係が終わってしまうわけではないが、これ以上関係が深まることはないってことかな、と思ってしまうだろう。それは、非常にもったいないことである。

メンターがいないということは絶対にない。過去の仕事・プロジェクトや評価、昇進などを思い出してみよう。その仕事の上で、自分のために時間を割いてくれたり、自分のために他の人に働きかけてくれたり、評価をしてくれた人は本当にいなかっただろうか?評価や昇進の際、自分のことを評価してくれたのは誰だろうか?その人たちが、あなたのメンター・ポートフォリオの基礎になる人達だ。まずは彼らがメンターなのだと認識しよう。そう認識すれば、自然と色々と相談に乗ってもらったり、一緒に仕事をしようと思うようになり、信頼関係が深まっていくだろう。「この人がメンターなんだ」と意識することが、全ての第一歩になるのだ。

4. メンターは社内の人?-No 社外にもメンターがいるし、むしろ重要

メンターは社内の人とは限らない。例えば自分のクライアントや顧客は、メンターであることも多い。例えば、顧客がある会社を取引先として選ぶ場合、営業の人が気に入ったりして、「この子は信頼できる。投資してやろう」「彼女がいるから、この会社を使おう」という気持ちで選ぶ場合も多くある。この場合の顧客は明らかにメンター(スポンサー)だと言って良い。

そして3で書いたように、メンターだと意識することで、その人との信頼関係も深くなる。例えば、世間話で家族の話をしたり、一緒に食事に行って、仕事以外のことを相談したりすることもあるだろう。仕事だけでなく、人間として、信頼関係を勝ち取ることで、その人との関係はより盤石なものとなり、結果としてメンターはより多くの投資をしたいと自然と思うようになるだろう。

更に言うと、メンターは仕事関係の人とも限らない。仕事以外の個人的なところにも、メンターは存在しうる。例えば、自分の親友で、自分のために何かを投資してくれる人はメンターと言って良い。趣味の世界で出会った人にもメンターはいるかもしれない。
メンターポートフォリオは、社内に偏ることなく、外部も含めて、幅広く持っているのが良い。単に組織の中で昇進するだけでなく、何か新しいことを始める際などにも、幅広いサポートを得ることができるからである。

5. メンターは自分の上司など上役の人?-No 同じくらいの立場の同僚にもメンターがいる

同様の理由で、メンターは上司とは限らない。同じくらいの立場の同僚も、メンターとして自分に投資してくれる人がいる。例えば、その同僚が、自分の上司に、あなたのことを推薦してくれたり、アドバイスをくれるかもしれない。ここでも「この人は私のメンターだ」と認識する謙虚さが、関係構築の第一歩となる。

6. メンターには「なって下さい」とお願いするものではない-Yes, but 自分から働きかけて関係構築は可能

LEAN INの中でシェリル・サンドバーグは、見知らぬ人に「メンターになって下さい」と言われて面食らう、と書いていた。メンターになって欲しい人に「なって下さい」というのは不自然だ、というのは全くその通りで、徐々に関係構築すべきものである。ただし、メンターになって欲しい人に自分から働きかけることは可能である。

例えば私の場合、社内で一緒に働いたことはないが、尊敬しているシニア・パートナーがいて、彼には定期的に時間を割いて頂いて、自分のキャリア構築に関する相談に乗ってもらっている。私のことを理解してもらうと同時に、彼のアドバイスを実行し、その成果を報告することで徐々に信頼関係を深め、今では何かあれば、私にチャンスをくれようとしたり、社内の他の人に働きかけたりしてくれたりと、彼が私に投資をしてくれる関係になっている。私は彼のことをメンターだと思っているし、恐らく彼は私をメンティーだと思ってくれている。何か機会があれば、一緒に仕事をするなどして、恩返しをしたいと思っている。

MITで私の指導教官であり、メンターでもあった教授も、私が頻繁に質問に行き、先生と議論をしていたことがきっかけで、メンターになって頂けたと思っている。

このように、メンターになって欲しい人には、「なって下さい」と言うのはおかしいが、質問に行ったり、相談に乗ってもらったり、問題解決をしてもらうなどで、その人を頼りにすることをきっかけに、関係を築きはじめる事が可能である。

7. メンターは待っていれば庇護を向けてくれる?-No 一緒に働いていなくても成長の状況くらい報告すべき

メンターは親鳥のように自分を育ててくれる人だと思い、庇護を待っている人がいる。残念ながら、女性にこういう人が多い。上にも書いたように、メンターは自分から働きかけて作っていくことが可能であるし、また関係を維持したり、深めるためには、自分から定期的に働きかけることが重要だ。

メンターになる立場の人達は忙しい。あなたがどんなに優秀で、素晴らしいと思わせる人だったとしても、一緒に働いていない期間が長すぎると、関係は薄れてしまうだろう。過去に一緒に働いて、評価をしてくれたなど、小口でも自分に投資をしてくれた人には、まめにメールを書いたり、連絡を取るなどして、関係を維持することは非常に重要だ。連絡の内容は、自分の近況報告でよい。メンターにとっては、メンティーが成長しているということが何よりも嬉しい報告なので、どのように成長しているかを連絡をするだけで良いのである。

8. メンターは頼ることで探すべき?-No まずは自分から与えることで、メンターになってくれる人もいる

メンターには働きかけるとしても、相談に行ったり、頼りにしないとダメだと思っている人がいる。必ずしもそうではない。相手が自分より立場がはるかに上であれば、頼りにするのが自然だが、自分と同じくらいの立場や、自分からも与えられる相手であれば、与えるところからメンターシップが始まることがある。

例えば、私の会社に、私とは全く異なる強みを持っている同僚がいる。私よりも人生経験も長い。私は、彼の強みの部分で色々とアドバイスを貰い、また一緒に仕事をしてスキルを学びたいと思っている。一方、私の方が彼よりもずっと勤続年数も長く、またある特定の分野では私に圧倒的な知識がある。
そんな彼にメンターになってもらうために私がやったのは、月一回時間を取り、彼の困っていることを聞き、私が役に立てるところでアドバイスをしたり、後方支援をする、ということだ。彼は、この時間をとても有意義に思ってくれ、お返しとして私にも色々なアドバイスをくれる存在になった。また、私が産休に入った今も色々とサポートをくれている。

9. メンターは常に与えてくれる人?-No メンターとは持ちつ・持たれつの関係であることを自覚する

これも女性に多いが、メンターは自分に与える人だと思っており、恩返しをしようという発想がない人がいる。一方、男性同士のメンターシップを観察すると、メンターがメンティーに時に無理なことをお願いしても、メンティーが「Yes, Sir!」という感じで言うことを聞き、それにより信頼関係が深まっているケースも多々ある。余りに無理なことをお願いする人をメンターとして持つ必要はないが、メンターのために何か恩返しをする、という意識を持つことは重要である。

例えば、普段相談に乗ってもらうなどでお世話になっているメンターとは、一緒に仕事をすることで貢献したり、メンターが困っている時には手伝うことで、恩返しをすることにより、メンターはメンティーのためにもっと支援しようと思うようになるのだ。こういう関係を「アプレンティスシップ(師弟関係)」と呼び、男性の方がスポンサーを得て、昇進しやすいなどと言われるのは、この師弟関係を自然に築けているケースが多いからではないかと思う。

女性のメンティーの場合、男性のように「Yes, Sir!」という感じにはならないと思うが、メンターのために貢献したい、という気持ちを持ち続け、機会があれば実行することを心がければ、より多くの支援を自然に得られるようになるだろう。

10. 自分がメンティーを持つのは早い?-No. メンティーを持つことは、メンターとの関係構築に重要である

最後のアドバイスは、自分自身がメンターとなって相手に投資をするという経験を、キャリアの早いうちに持ったほうが良い、ということである。そうすることで、メンターがメンティーに何を求めているか、どうすることで信頼関係を深めていくことが出来るか、自然とわかるようになる。メンターである自分が、メンティーにやってほしいことこそ、自分もメンターにやるべきことなのだ。

上記に書いたコツは、ほぼ全て、私自身が後輩のメンターになることで、よく出来たメンティーの行動に学び、また時には悪気のないメンティーの不可解な行動に戸惑い、「こういう失礼なこと、自分も過去にメンターに対してやってきたかも・・・良くないな」など他山の石としながら、身につけてきたことだ。こんなまとめ記事を読むよりも、自分がメンターになって色んな思いをするほうが、ずっと学びは大きいかもしれない。

以上、だいぶ長くなってしまったが、女性がキャリアを構築するにむけ、メンターを得るために重要と思うこと-そして世間によく誤解されていると思うこと10個を書いてみた。正しくメンターシップを構築し、キャリア構築に役立てて頂ければ、と思う。

参考文献
LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
シェリル・サンドバーグ
日本経済新聞出版社
2013-06-26

 

 

キャリア女性が妊娠初期の体調不良をどう乗り切るか

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一昨日は午前中仕事で会社に行っていた上、午後もマタニティヨガに行ったり、普段行かないカフェに行ってみたり、普段やらないショッピングをしてみたりと、産休生活を満喫しようと頑張ったためなのかは分からないが、昨日は少し体調を悪くしてしまった。そんなわけで昨日はブログはお休みした。妊娠後期でも、まるで「つわり」のように気持ち悪くなったり、極端に眠くなったり、という妊娠初期のようなことが起こることがある。

妊娠初期といえば、つわりを始めとする体調不良のオンパレードだ。これは個人差があるだけでなく、同じ人でも一人目と二人目で違うというし、実際に妊娠してみないと、ひどくなるかどうかはわからない。症状にも個人差が大きい。仕事でどんな立場にあろうと役職についていようと、妊娠の前には人は平等なのである。
一昨日の記事で書評したLEAN INの作者、シェリル・サンドバーグはひどいつわりが臨月まで続いたと書いていた。当時グーグルの担当副社長だった彼女が、オフィスのトイレにノートパソコンを持ち込んで、洗面所で苦闘しながらメールを書こうとしたり、クライアントミーティングで吐き気と格闘したり、というエピソードが本の中にも書かれている。

私の場合、母が入院直前になるほどつわりに苦しんだと聞いていたので、比較すると軽い方ではあったが、毎朝二日酔いで朝を迎えるような程度のつわりはあった。空腹のまま、急いでクライアントとの重要なミーティングに駆けつけようものなら、とたんに吐き気が襲ってくる。また、それまでは睡眠は6時間で十分だったが、妊娠してからは8時間は寝ないと頭が働いてくれない。更には夕方になると集中力が途切れるので、今までのように昼はミーティング、夜は自分の作業、ということが出来ない。自分の作業を出来るだけ減らし、昼のうちに何とか終わらせるように工夫する必要があった。寝る時はひどい鼻炎で、点鼻薬を使わないと苦しくて眠れない。
こういう体調の中、クライアントに対してプロジェクトの責任を負う立場にある私は、どのように両立するか、そして、いつ正直に伝えるか、というのは最大の悩みだった。

産院で順番を待ちながら、置いてある妊婦向け雑誌を色々読むものの、私の悩みに答えてくれるものはない。
ネットで調べてもなかなか思うような記事が見当たらない。
「妊娠発覚。仕事は辞める?続ける?」「妊娠初期は出来るだけ昼寝の時間を。家事が終わらなくても自分を追い詰めないで」など。
う~ん。家事は終わらなくても翌日以降にやればよいが、仕事は終わらせなくてはならないからなぁ。

確かに私は大多数では無いが、男性と同等にキャリアを積む女性が増え、出産年齢も遅くなっている現在、妊娠したくらいで仕事を辞める女性は減っている。それどころか、そこそこ責任ある立場についてから妊娠を迎える女性や、自分で顧客を持ち責任を負う仕事をしながら妊娠する女性は、ますます増えるだろう。そういう方には参考にならない記事が余りにも多いな、と言うのが私の印象だった。
というわけで、そういう女性がどうこの時期を乗り切るか、という視点で書く。

基本的には次の4つが原則だと思っている。

1. 体調不良の状況は個人差が大きい。自分の症状のパターンをよく観察し、試行錯誤で楽になる対処法を見つける
2. かかりつけの医者には相談するが、セカンドオピニオンも重視。
「我慢するしかない」「とにかく安静に」という古い考え方の医者もいるので、考え方が違ってアドバイスを貰えないなら、変えることを検討すべき
3. 仕事の量は減らし、休む時間を増やす。効率化する良い機会だと思って、先輩や後輩に仕事をお願いしたり、インパクトの出ないものはやらない
4. 周囲の人には話して理解を得ることも大切。安心すると症状も軽くなる。周りに妊婦がいた経験がある人は多く、気遣ってくれる人も多い。社外の人に話すのは抵抗があるが、実は社内より社外の人のほうが理解し、気遣いをしてくれることも多い

では、症状別の対処法を。

つわり

つわりは人によって症状が異なるが、食事もとれず入院するほどの酷さでなければ、通常はつわりと戦いながら、仕事を続けることになる。とにかく人によって症状が異なるので、自分でつわりがどんな時にひどくなるのか、という状況のパターンを観察し、それが起こらないよう、出来るだけ予防する、というのが最善の対処法となる。

注意深く観察をした結果、私の場合はだいたい次の3つの状況だと分かった
・朝起きた時、空腹の時
・寝不足の時
・寒い時

もともと朝食が苦手で、摂る習慣がない私は、朝起きた時に二日酔いのように起こるつわりが本当に辛かった。そういう時でも、常温に戻したウィダーインゼリーだけが食べられることがわかったので、自宅にはAmazonで購入するなどして10パック程度のウィダーインゼリーを常備、またカバンにも2つくらい忍ばせるようにしていた。大切なクライアントミーティングの前には、カバンの中からウィダーインゼリーを出して食べておき、話しながら気分が悪くならないように対処した。

また、寝不足も原因の一つと分かった。睡眠時間が6時間を切ると、昼すぎに吐き気を催す。オフィスにいるときは休養室のようなところを借りて、1時間も眠ると良くなった。
とにかく仕事を早く終わらせ、睡眠時間を確保することを目標にした。一緒に働いている先輩から、どうしても夜中に仕上げないとならないものを頼まれた場合は、どうしても夜中には出来ないことを説明して突っ返せるときは断ったり、頼りになる後輩にお願いをしたりした。頼まれたらすぐ断る・頼むなどの行動に出るのがコツである。

寒くて、体温が下がるとひどく気持ちが悪くなることも分かった。ある日、オフィスの冷房が効きすぎで寒く、10分もいると気持ち悪くて耐えがたくなった。オフィスの温度を今以上に上げることが出来ない。その日は、夕方まで社内ミーティングしかなかったので、「家に帰って全てテレコンで入ります」と宣言し、帰宅。夕方のクライアントミーティングに自宅から直行した。それ以来、オフィスには必ず毛布完備、真夏でもヒートテックを来て出社することにした。

あとは、一緒に仕事をしている周囲のメンバーにはつわりのことを話し、理解してもらうのは大切だと思う。若い人でも「姉がつわりがひどかったのを見ていた」とか、意外なほど知っていて理解をしてくれる人がいた。自分の奥さんの時の経験を話してくれるシニア・パートナーもいた。周囲の理解を得られると、自分が安心して仕事に取り組めるだけでなく、いざ何かが起こった時に周囲がサポートする体制も整えやすい。

クライアントや顧客にも、信頼できる、関係が深い方には早い時期から話しておくほうが良いと思っている。実はクライアントのほうが人生経験も豊富で、何人も子供がいるという人も多く、社内の人よりも理解が得られることもある。私が寒くないようミーティングルームの温度を事前に調整しておいてくれたり、いつもはタバコを吸うのに私がいるときは我慢したり、ミーティング用にコーヒーではなくお湯を手配してくれたり、優しく気遣ってくれる方は多かった。

とにかく眠い

睡眠不足でもないのに、とにかく眠くなり、体が動かなくなる、というのも私の場合、妊娠初期に限らず、ずっと続く症状だった。そういう時は、仕事中であっても、とにかく寝るのが最善である。ミーティングを早めに切り上げて、次のミーティングの始まるまでの10分は机で寝る、1時間くらい空いていれば休養室に行って寝るなど、ところかまわず寝ていたように思う。

睡眠時間を8時間は確保しないと、一日中睡魔やつわりと戦う必要が有ることが徐々にわかってきたので、とにかく仕事の量を減らし、効率化して、寝ることを優先した。それまでは自分でやっていたようなことも、後輩を育てて、後輩が自分でできるように仕向け、やってもらうようにした。また、本当にインパクトにつながらないものはやらずに切り捨てることも徹底した。こういうことは体調に関わらず、もっと前からやるべきだったと思うが、ギリギリに追い込まれてはじめて出来るようになったと思う。

鼻炎

妊娠中は、胎児に血液を送り込むため、血流が多くなる関係で、鼻炎になる人が実は多いのだが、つわりほど知られていない。日本語の記事もあまりなく、参考になるものが少ない。一方、英語圏では、Morning sickness, nausia at night (朝にはつわり、夜には鼻炎)と普通に言われるほど、鼻炎になることは一般的なので、英語圏の記事を探すと、鼻炎への対処法なども色々書かれている。

基本的には、普段通っている産婦人科ではなく、耳鼻科に行くこと。そして妊娠中でも問題なく使える点鼻薬を処方してもらい、夜に鼻炎で鼻が詰まって苦しい時にそれを使う、というのが対処法である。
使える点鼻薬は妊娠の時期によっても違ったりするので、以前から花粉症などで鼻炎の人も、自己判断で家にあるものを使わず、ちゃんと耳鼻科に行って処方してもらうのが良い。

腰痛

私はそれほどでもなかったが、妊娠初期から腰痛がひどくなる人も多いと聞く。
ひどいと動けなくなったり、仕事にも影響が出るから、治せるものなら直したほうが良い。ところが、かかりつけの産婦人科で相談しても「基本的には出産しないと治りませんね。家で安静にしていて下さい」などと言う昔ながらの先生もいるというので、整骨院や整体・マッサージなどに行くのも手ではないかと思う。

最近はマタニティマッサージなど妊婦向けのマッサージを提供する整体や、妊婦に特有の骨盤の開き・歪みを解消する整骨院等もある。私の場合、腰痛はなかったが、つわりによる肩こりがひどかったので、普段通っているマッサージの担当の方が、妊婦の人も何人も扱ってきたということだったので、彼女にお願いして肩こりを直してもらっていた。

(余談だが、女性が妊娠して仕事を続けることに反対する、古い考え方の医者も世の中に存在する。先生と考え方が合わず、良いアドバイスをもらえないなら、かかりつけの医者を変えるべきだろう。なお、私が通っている先生はアメリカ仕込みのため「本当は産前休業は取らず、出産ギリギリまで働いて、動いている方がいいんですよ」などと言っている。先生と考えが合わず苦しんでいる人は、そういう先生も世の中にいるんだと知っていてほしい)

無気力。うつ状態

妊娠初期は、それまでエネルギーにあふれている人でも、単純に無気力になり、何もやる気がしなくなることも多い。私も、今でこそ色々活動的にやっているが、妊娠初期は無気力に苦しんでいた。もちろん仕事の責任があるので、無気力になっているわけに行かず、自分を奮い立たせていたが、この奮い立たせるのもなかなか大変だった。重要なミーティングが終わった後とか、休日などにその反動が来て、理由の分からない無気力に苦しんだ。
自分のメンターでもあり、3人の娘を持つ男性のシニア・パートナーに話したところ、「Of cource, you're manufacturing something(そんなの当然だよ、君はお腹の中で子供を成長させているところなんだから)」と言われた。

妊娠初期の体調不良は、本当に個人差が多いので、ここには書いていないような症状で苦しんでいる人も多いと思う。ところが、ネットや雑誌を読んでも、立場が違う人が多く、中には医者でも「安静に」などとしか言わず、参考にならないことも多い。だからこそ、最初に書いた4つの原則を参考にして、悩まずに対処していってほしいと思う


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