Lilacの妊娠・出産・育児ノート

キャリア志向の強い女性や、仕事で既に責任ある立場にあったりする女性向けの妊娠・出産・育児ブログ。 妊娠したときのTips集、キャリアと妊娠・育児を取り巻く論点、女性リーダーシップと子育ての両立、日本と海外の状況比較、今は仕事に没頭中だけどいずれは子供も欲しいと思う若い女性向けのメッセージなど、様々な話題をお届けします

昨年3月に生まれた娘ももうすぐ1歳半になります。復帰からも約1年。早いものです。第二子を妊娠、10月末に生まれる予定です。

保育費用が収入を超えても女性が仕事を続けるべき5つの理由

Fotolia_85479472_XS

4週間ぶりのブログです。大変長らくお休みしました。
その間、生後4ヶ月の娘は慣らし保育で3回風邪をもらってきたり、 私が復帰準備を始めたりと、忙しく過ごしておりました。
風邪が治るたびに急成長。なかなか首がすわらないと心配していたのに、4ヶ月の誕生日を過ぎて首が座ったとたん、寝がえりをコロコロするようになったり、人見知りをするようになったりと、目が離せなくなって来ました。

さてさて、タイトルの件ですが、保育費用がキャリア妻の収入を超える、というのは実はよく聞く話。
「え、そんなにかかるの?」と思う人は多いだろうが、子どもが二人以上いて都心の私立保育園に入れていたり、夫婦ともに激務でベビーシッターや病児保育を使い倒していたりなどで、月の保育費用が40万円を超える人は私の知り合いにも片手の指を超えるくらいはいる。
そこまで行かなくても、家事代行なども含めた保育にかかる費用が月に20万、30万に達するという共働き夫婦は割といるようだ。
そうすると、「え、そんなまでして働き続けるの?」という疑問を持つ人もいるだろう。

ウチも、計算したら結構高かった。
3月生まれで認可保育園に申し込みできなかったので、空きがあった託児所に入れる事にしたが、都心のせいか、びっくりするくらい高い。
加えて、病児保育や家事代行などの諸費用を含めると、ゼロ歳児のうちは、日本企業に勤めるうら若きウチの夫の月収を超える見込み。
それでも、夫が仕事を辞めて専業主夫になるべきとは私は全く思っていない。

一方、保育費用が妻の収入を超える家では、妻の仕事に理解がない夫に、「お金もったいないから仕事辞めろよ」「お前の収入と同額払ってんじゃバカみたいだろ」とか言われることも多いと聞く。
結構なキャリアを積んでいる女性でも、旦那さんにそう言われる話はママ会でもよく聞く話。

でも、仕事が好き、仕事を続けたい、と考えている妻(夫)は、自分が働いていることでかかる保育費用が高くても、仕事は続けた方がよい。
一時的に保育費用が収入を上回ったとしても、仕事を続けるメリットは沢山あるから。

もちろん専業主婦(夫)になる理由はお金だけではないし、否定するつもりは全くないが、ここでは仕事を続けたいのに「お金もったいないから仕事辞めろよ」と言われている人が反論にも使える、何故仕事を続けたほうが良いか、という5つの理由を書いてみる。

1. 生涯年収は、保育費用を差し引いても、仕事を続けたほうが圧倒的に高い

お金の話への反論は、やはりお金の話から。

結局のところ、保育費用が妻(夫)の収入を超えるなどというのは、長くても5年。一時的なことなのだ。
それでも仕事を続け、キャリアを積めば、収入は上がるので、ベビーシッターを雇ったり、家事代行を使ってでも仕事を続けた方が生涯年収は圧倒的に高くなる。

じゃあ実際どのくらい高くなるのか、というのをエクセルで簡単なモデルを作って検証してみた。
すると、年収にもよるが、保育費用が嵩んでもキャリアを積み続けた場合と、仕事を辞めて10年間専業主婦(主夫)をして、その後オフキャリアに復帰した場合では、生涯年収には二倍近くの差が出る、という結論。

モデルは、23歳で就職して初任給350万円、50歳に年収650万に達し、その後徐々に年収が下がって、65歳まで働き続ける設定(働き続ければ生涯年収2.4億円)を基本とする。
ここで、
ケース①:妻(夫)が30歳から育児中も出来るだけ働き続けてキャリアを積み、5年間は給料をまるまる保育費用に充てた場合、保育費用を除いた生涯年収は2.1億円程度になる。
ケース②: 30歳ですっぱり仕事を辞めて専業主婦(主夫)となり、40歳で復帰してオフトラックで60歳まで働き続けた場合、生涯年収は1億円程度だ。

(補足:
ケース①は、キャリアを積み続けることを優先して、育休などはキャリアの妨げにならない程度にしか取らず、ベビーシッターなどを活用し、年収を保育費用につぎ込み続ける、というモデルです。
生涯年収のうち、3000万円弱を保育費用につぎ込むイメージです。
保育費用が月額40万円かかっている、という冒頭のケースでも5年間で2500万円ですから、実際には育児休暇中の減給分も含めて、これの額を超えるのは珍しいと思われます)

一応、1000万円に達するケース(生涯年収3.4億円)もやってみたが、ケース①3億円、ケース②1.5億円だった。
図にするとこんな感じ。

Total revenue
年収やその増え方によっても、生涯年収は全然違ってくるし、専業主婦(主夫)をしばらく続けてから、起業して大成功、なんて人もたまにいるので必ずとはいえないが、キャリアを積み続けたほうが圧倒的に生涯年収は高い、というのは多くの場合に言えるはず。

そんなわけで家族に「仕事辞めたら」などとチクチク嫌味を言われて不安な人は、上記を元に反論するか、実際に自分の年収を元にモデルを組んで検証してもよいと思う。

2. 子供が手元にいるのはたった20年。仕事(や趣味)を続ければ、自分の一生の財産になる。

子育てに専念するために一度仕事を辞めてしまうと、資格や特殊な人脈があるわけでない限り、前線に戻るのはとても大変だ。
でも、ベビーシッターなり祖父母なり色んな手を借りながら、仕事も続けていれば、仕事を通じて得られた経験や人脈は一生の財産になるだろう。
子供を手元で育てられるのは、せいぜい20年くらいのもの。
一方、自分の人生は、子供が巣立った後も20~40年は続くのだ。

仕事や趣味に没頭して育児放棄するのでは最悪だが、逆に仕事も趣味も辞めて「子育てだけが生きがい」になってしまうと、子供が成人しても子離れが辛いし、子供も辛い。
親が自分の好きな仕事や趣味を続け、子育てに加えて自分の人生を生き続けるのは、子供の為でもある。

なお、これは趣味や地域活動にも言えることで、専業主婦(主夫)という道を選んだとしても、趣味や子育て、地域活動を通じて知り合った人脈はいつまでも大切にし、一生の財産にしたほうが良い。
仕事をしている人も、子育てしながら趣味まで続けるのは大変なことだが、人脈だけはちゃんと持ち続けた方が、老後も楽しめることだろう。

3. 仕事と家庭を両立する楽しさや大切さを教えられる親になれる

以前、ハーバード大の研究で、働く母親の元で育った娘は、管理職に就く比率が高く、年収も高い、息子は家事に貢献し、家族の面倒を見る父親、要するにイクメンになる比率が高い、というのがニュースになった。

ハーバード大のニュースリリース(英語)
それを元にしたThe Guardian誌の記事(英語)
日本語の記事(マイナビニュース)

共働きの家は相対的に世帯収入が高いので、娘に良い教育を授けられ、年収も高くなるだろうと思うので、この調査結果のどこまでが母が働く効果かはわからない。
でも、働く母親に育てられるほうが、迷いは少なく仕事をしながら子育てと両立できることだろう。
専業主婦の母親に育てられ、高学歴でキャリアを積む娘の、自分は母親ほど育児に時間をかけられないけど、うまく育てられるのか・・・というコンプレックスは根が深い。

結局、両親が共働きで仕事を続け、仕事を両立しながら家族の面倒を見ることで、それを見て育った子どもたちは、それが当たり前だと思い、抵抗なく続けていくことが出来るのだろう。
自営業の子供に、起業家が多いというのと似てる。子供は親の背中を見て育つのだ。

だから、子供にも仕事と家庭を両立するような大人になってほしいと思うなら、自らそうして子供に背中を見せるのが、効果が高いのだろうと思われる。
ただし、限られた短い時間でも子供と一緒に過ごし、子供に愛情を注いで、寂しい思いをさせないようにしないと、反面教師になってしまうことも。

4. 世間をよく知る、社会性の高い親になれる

別に専業主婦(主夫)が世間知らずだと言うわけではないが、仕事を子育てと両立しながら続ける母親・父親達が身につける知見や社会性スキルは、子どもの教育にも役に立つ。

小学校で、民間企業などで働く社会人を先生として招く、という話に似ている。
実際に社会に出て、お金を稼ぐことの大変さを知っている親が子供を育てることで、社会を生き延びるための知恵の面でも、社会性スキルの面でも、子供が社会にでる前に色々と教えられる事は多いだろう。

子供が社会人になり、会社で困ったことがあっても、人生の先輩として、相談に乗ってあげることも出来るだろう。

5. 小さい時から色んな人に育てられる方が、子供の社会性が身につく

両親とも働いていれば、子供は色んな人に育てられることになる。
父母に加えて、祖父母、保育園の先生、ベビーシッター・・・
保育園に通っていれば、小さい頃から社会の中で生きるすべを身につけることになるだろう。
子供の時から社会性が高い、という経験は、大人になってからの自信にも影響すると思われる。

なお、専業主婦(夫)などで保育園に通っていない場合でも、小さな頃から子どもたちだけの社会の中に子供を入れることを意識して育てる方が良い。
自宅でママ友会をやって、子どもたちだけで遊ばせておいたり、児童館や公園で遊ばせたりなど。
そこでのママ友との付き合いは面倒だ、と思う人もいるかもしれないが、子供の教育のためだと割りきって付き合えば良い。


以上。
子育てと仕事を両立するために保育費用がかさみ、自分の年収を一時的に超えても、仕事を続けたほうが、金銭的にも、自分の人生にも、子どもの教育を考えても、長い目で見ればメリットがあるよ、という話でした。

1. 生涯年収は、保育費用を差し引いても、仕事を続けたほうが圧倒的に高い(2倍以上)
2. 子供が手元にいるのはたった20年。仕事(や趣味)を続ければ、自分の一生の財産になる。
3. 仕事と家庭を両立する楽しさや大切さを教えられる母親(父親)になれる
4. 世間をよく知る、社会性の高い親になれる
5. 小さい時から色んな人に育てられる方が、子供の社会性が身につく

家族にチクチク言われる人、自分でも両立は大変だ、辞めた方がいいかなぁと気弱になってしまう人は、これを読んで頑張ってください。

一方、仕事は嫌い、仕事を続けるより家にいる方が自分らしくいられるし、楽しい、という人は専業主婦(主夫)になったほうが子供にも良い影響を与えられるかも知れない。
いずれにせよ、忙しくても子供に愛情をかけつつ、子育て以外にも好きなことを続けて、イキイキしている親の姿を子供に見せるのが、子供の教育にも大切なのだと思います。

アメリカの病児保育事情-子供が病気の時、共働き夫婦はどうするの

Fotolia_78685047_XS

風邪をひいた4ヶ月の娘。
咳は治まってきましたが、まだ鼻がズビズビ、たまに詰まらせて大泣きします。
やはり長引くなぁ。
私は、家事はルンバと洗濯機に任せ、昼はレトルトと冷凍品でササッと済ませ(赤ちゃんの栄養のため、手抜きでも品数だけは揃えてます)、一日中赤ちゃんのそばで様子を見ています。

さて、先日書いた「病児保育をつかう、ということ」の記事は、その後BLOGOSに転載され(転載先リンク)、一時は人気記事のトップにあがり、100を超えるコメントがつきました。

頂いたコメントを読むと、私のことを育児を放棄して迷わず仕事をする鬼母みたいに書いてる人がいますが、そんなことはありません。
娘を愛し、育児も不慣れながら一生懸命やり、娘の笑顔を見るたび「この子を幸せにするため、仕事も頑張ろう」と思い、復帰したらこのクソ忙しく責任の重い仕事と、育児をどう両立しようかと悩んでいる、普通の母なのです。

さて、コメントの中で結構多く、気になったのが、

「日本の会社は育児に不寛容すぎる。子供が風邪でも休めない職場は日本だけ。」
「子供が病気でも、病児保育に預けて仕事に行くって、どんだけ社畜を前提とした社会なんだよ」
「アメリカでは、子供が病気ならどちらかの親が休むのが普通です。日本はおかしい」
「子供の風邪でひとりやふたり抜けたくらいで、業務が他の人にふりかかるような仕組みで回してるのがおかしいんだよ。こんなの日本だけ」 

というように、日本は育児に不寛容、海外は育児中の親にやさしいユートピア、みたいに書かれているコメントが多いこと。
本当にそうなのでしょうか。

私自身、2年以上も米国に住み、東海岸での留学に加え、西海岸でも半年ほど仕事をしていたのに、当時は育児に関心がなくて、余り記憶がなく。

そこで、娘の看病の合間に、スマホで"when both parents work and children get sick" でGoogle検索し、上位40の記事やサイトをざっと読み、海外での共働き夫婦の実態を調べてみました。
「海外」と言っても、私が調べられたのは英語圏のアメリカ、オーストラリア、イギリスだけですが。
色々わかったので、これらのサイトの一部を、和訳しながら紹介します。


■ アメリカの病児保育事情: 「病児保育」は存在せず、子供が病気なら父母が休む。「看護休暇」も20州で法的には認められている。しかし会社を休みづらい状況は日本と同じ。休み過ぎでクビになるリスクは日本より高いかも

日本語で「アメリカ 病児保育」でググると、最初にこの記事(リンク)が出てきて、アメリカでは、子供の病気で休むのは当然、他の人がイヤな顔をすることもない、とか書いてあるんで、誤解があるのかもしれませんが・・・

英語の記事を漁っていると、アメリカでは、子供が病気で父母が休んでも、イヤな顔するひとはいない・・・とはとても思えませんでした。苦労してるアメリカ人がどれだけいることか。

色んな記事をまとめるとこんな感じ。
  • 共働き夫婦は通常、子供をDaycareという保育園に預けるか、家でベビーシッターを雇う
  • Daycareでは、日本みたいに「37.5℃以上は一律ダメ」ということはないが、湿疹が出たり、吐いたりすると親に電話がかかり、迎えに来い、と言われるのは同じ
  • 一部のベビーシッターで、Totally OK with runny nose or a cough(鼻水・咳でも預かります)という人がいるが、病児保育のようなきちんとした仕組みはない。訴訟社会のアメリカですから、訴訟リスクが高すぎてやれないんじゃないでしょうかね
  • そのため、親は子供の風邪が治るまで交代で休みをとるのが普通
  • 「家族看護休暇(Family and Medical Leave Act)」が法律で認められている州もあるが、少ないので、自分の分の病気休暇まで使い切ることもザラ
  • 法律で認められてるからって、職場が休みに理解が有るとは限らない。休みにくい状況は日本と同じで、上司の理解が得られない、同僚に文句言われるなどの事例が出るわ出るわ・・。一流企業に勤めてる人でも、「周囲の反応を考えると休みづらい」という感覚は同じようです
  • 更に、子供が病弱で、法律範囲外に休暇をとると、給与が減らされたり、クビになるリスクと背中合わせ。アメリカのほうがこの辺は厳しそう
  • 一方、一流企業に勤めているアメリカ人は、子供の病気で休んでもクビ、とはなりにくく、休みも取りやすい様子。これは日本も同じですよね
  • 日本より良いのは、そんな環境でも働き続ける女性が多くて事例が豊富なこと、男女間の役割固定がより少なく「子供の面倒のために男が休む」のも一般的なこと、でしょうか
では記事を幾つかご紹介。

16 Things Working Parents Should Know about the Horrors of Caring for Sick Children -Pajaba
共働き夫婦が知っておくべき、病気の子供のケアにまつわる16個のホラーストーリー (2013, Nov)


この記事は、病気にかかりやすい小さな子供を持つ親が苦労する様子を面白おかしく書いている。
コメントの反響の多さ!中には「アメリカの職場は育児に不寛容すぎる」と書いてる人もいます。どの国もおんなじですね。
英語を読まない人のために、途中まで日本語で超要約しますが、英語読む人は是非上のリンクを読んでみてください。面白いので。

1. 子供は、親が最も困るときに風邪をひく。そう、必ず。裁判が始まる時、とか。明日が大事な昇進面接な時、とか。

2. 子供が3歳以下なら、年に10回は風邪をひく。これは科学で証明されてる(訳注:実際、1972年にLoda et alのそういう論文が有るらしい)。そして保育園は病気の培養装置。

3. 子供が鼻を垂らしていない日があったら、写真をとってFacebookにアップすべき。そんな日は殆ど無いから。

4. 子供のいない上司や同僚は、表では理解が有る素振りを見せるが、裏では陰口を言っている。「ちょっと信じられる?あいつまた子供の風邪で休みだってさ。子供おかしいんじゃないの?」 おかしいんじゃなくて、それが普通なの。子供は風邪引くんだよ、バーカ。

5. でも忘れないで欲しい。子供が産まれる前は、あなたもそのバカの一人で、同僚の文句を言っていたことを。
 
6. 悲しいジレンマ。子供が熱出して保育園に行けなくて、あなたが仕事を休んでも、保育園の金は払い続けなくてはならないってこと。あなたは自分の子供の面倒見ながら、他の子供の面倒を見るための月謝も払ってるの。

7. そして夫婦ゲンカ。どちらが明日の仕事を休んで、子供の面倒を見るか。
「オレは2時までにレポート仕上げないとダメなの」「私だって11時から大事なクライアントミーティングがあるの」。このエンドレスなケンカは次のように終わることがある。
「わかった。明日仕事に行かなかったら、オレはクビだよ。そしたら毎日家にいられるよ。ダンボールの家にね!」.

(この後、9つくらい、面白い事例が並んでます。最後までオチがなく、文句ばかりですが・・・)


Should staying home with a sick kid cause a working mom so much anxiety? - The Washington Post (2014, Jan)

言わずと知れた、アメリカで最も著名な新聞の一つ、ワシントン・ポストの記事。

子供がグズり始めた。夫婦のどちらが休みを取るか、スケジュールを見せ合って交渉。自分が休むと決まったら、同僚に何と言って休むべきか、同僚の嫌がる様子が目に浮かぶ…

(要約訳)「一番小さい子の病気でまた休む、と言ったら同僚はえぇーって言うだろうな。グループEmailで早退します、と書いたら目を回すかも。 
どのくらい、事情を話すべきだろうか。3番目の子供が夜中じゅう吐きまくってたって言ったら、同情を得られるかしら。それとも単に、病気休暇取りますだけのほうがいいかしら・・でも、先週2番目の子が熱出した時、私が病気でって嘘ついちゃったのよね。 前の週に一番上の子の病気で休んだばかりだったものだから・・

そんな悩める母親の気持ちを描いた後、「子供が病気の時、会社を休むことが出来るか」について2013年にアメリカで行われた調査について書かれている。
なんと、小さな子供を持つ親の3分の1もが、「子供が病気の時、休みづらい。給与を減らされるか、クビになるリスクがあるから」と答えているのだ。
そして別の調査では、10人に4人は、家族の病気の時の有給は認められていない、という。

A working mom's guide to sick kids- Parents 

Parents、というアメリカの親向け雑誌のサイト。結構驚きの事例も書かれていてびっくり。

(要約) Oregon州のDaycareでの極端なケース。1歳2ヶ月の女の子が昼寝後に吐いてしまったので、親に来るように連絡したところ、どちらも来られない、との返事。父親は新しい仕事についたばかりで、休んだらクビにされてしまうかも、と言い、母親は前の週に上の子供の病気で休んだばかりで、これ以上休んだら給料を減らす、とボスに脅されているという。
そこで、母親は何と自分の指を喉に突っ込んで、オフィスのカーペット中に吐き戻したという。それでボスは、彼女自身の病気ということで家に帰らせてくれて、彼女は漸く娘を迎えに行くことが出来たという

極端なケースだが、それくらい、子供が病気でも、休みを取るのが大変だという人がいるということだ。


■ ではアメリカでは、子供が病気で、両親とも仕事を休めないときはどうしているのか

流石、ハウツー本の国アメリカ。
その解決法を論じてるサイトもたくさんありました。

The working parents' guide to dealing with sick kids- Today's Parent

このサイト、太字だけ読み流すと、自分の権利を知ること、とか、上司の許可をとること、とかアタリマエのことしか書いてないんですが、目から鱗の正しいアドバイスが文中に隠れてるんで、しっかり読むべきです。

1.  もし子供の病気のために休むだけの十分な有給がなければ、地域の代議士などと相談し、雇用主に対して有給を増やすよう、掛けあってもらうべき

流石ロビイングの国アメリカ、と思いましたが、最近は日本も、地方政治の公約は子育てのことばかり。地元の有力な、市区町村の議員などに相談して掛けあってもらうのも、もしかしたら、結構効くかもしれないです。

2. 子供が病気になってから上司に許可を取るのでは遅い。病気になるずっと前から、上司と話して子供の病気の際の有給の許可をとっておくこと。家族の予期しない事態に準備するのは、仕事のリスクマネジメントで最優先事項だと思え。

リスクマネジメントについては全くその通り。そして、事前根回しはどんな場合でも重要。
この話は、他の記事でもかなり触れられてました。
実はアメリカは根回しの国。そしてリスクマネジメントが出来るかどうかは、リーダーの資質があるかどうかで最も問われる要件です。

日本でも、「職場の理解が得られない」とか嘆いている多くのケースで、「子供が病気だから」と言っていきなり休むケースが多いのではなかろうか。
前々から、子供が病弱で冬場は休みを結構取るかも・・などと上司や同僚に話して、事前に仕込んでおけば、休みやすい環境を自分で作れるかもしれません。

そういえば私の夫も、私の仕事復帰時に2ヶ月の育休を取るため、数か月前から上司や同僚にあの手この手で根回しをしていたようです。
(夫がどうやって根回ししたのか、は本人の許可があればそのうち書きます)
男性の育休取得率2%の今の日本で、男性が波風を余り立てずに育休を取るには、相当根回しが必要だと思うので、取ろうと思っている人は、かなり前もって、しっかりやって下さい。

3. 休暇が必要なほど、子供が病気ではないケースも多いので、良く症状を聞いて保育園・学校と話し、大丈夫なら預け続けること。子供が家に帰されるケースのうち57%は実際には急を要する病気ではない、という調査結果。

別の記事を読んでると、保育園から電話が来ても、「それは病気ではなくてアレルギー」などと言いくるめて、そのまま預けさせるケースが多いらしい。
それが良いかはともかく、自分の子供の面倒を見ているうちに、「こんな症状の時は大変な事態にならないから大丈夫」という親の勘が育つだろうから、その場合は安心して病児保育などに預ければ良いのではないだろうか。

4. 祖父母、親戚、友人、ベビーシッターなどの信頼できるケアネットワークを作ること。咳・鼻水程度なら面倒を見れるベテランベビーシッターもいるので、探しておくこと

前々から、祖父母や信頼できるベビーシッター等、親の自分でなくても、親と同じくらいか、準じる形でケアしてくれるような人たちのネットワークを作っておく大切さは、日本でも同じですね。


■ アメリカで、病気がちの子供を見ながら、「キャリア」も成功させるには…

さて、病気がちの子供を持ちながら、どうやって仕事と両立するか、という話を見てきましたが、リーダーシップ職に就くなど、「キャリア」との両立、となると少し話が違ってくると思います。
キャリアとの両立について、これ!という記事は無かったので、20程度の記事を読んで、見えてきたことを書きます。

1) 看護休暇が取りやすく、キャリアとも両立しやすい企業、というのはあり、そこに勤めることが重要

色んな記事を読んで思ったのは、やはりいわゆる一流企業に勤めている方が、子供の病気で休暇は圧倒的に取りやすく、キャリアとの両立もしやすい、ということです。
実際、Google、Facebook、P&Gなどで、子供が病気で休む、在宅での仕事を認める、などフレキシブルな対応のケースが沢山出てきました。
(Yahoo!はMarissa MayerがCEOに就いてから在宅を禁止しましたが、職場に託児所を設けました。Marissa自身の子供も含め、病児もそこで預かっているっぽいです→参考記事

一方、労働者階級は、州法で認められるはずの「家族看護休暇」すら、十分に取れないことも多い。そして減給と解雇のリスクに常にさらされている・・・

結局、良い大学を良い成績で卒業し、良い企業に勤め、育児と両立前に仕事でも実績を作っておく、というのが、アメリカでは日本より、育児とキャリアの両立には最も大事のようです。
当たり前かもしれません。すみません。

2) 事前準備、事前に根回しをしっかりやるのはリーダーの資質

ただ、そんな一流企業に勤めていても、休みづらい繁忙期、休んでもらったら困る時、などは有るわけで、相手が想定してなかったネガティブなことをいきなりやる人は「仕事が出来ない奴」と認定されます
「子供が病気だからと言って、突然休んで周りを驚かせる」というのは、仕事に対する計画性とリスクマネジメントがない証拠、イコール、リーダーとしての資質が問われる、と思って良いと思います。

え、子供の病気なんて事前に計画出来ないよ、と思うかもしれませんが、文字通りの計画ではなく、相手を驚かせないことが重要。
「休むことを知らない人に事前に可能性を知らせておく」
「余り協力的でない人にも、自分の窮状を話して、事前に同情を得ておき、サポートをしてもらえる雰囲気を作っておく」ことは可能なはずです。

キャリアとの両立を成功させたかったら、「職場が育児に不寛容」と嘆く前に、自分自身が子供が病気でも休むことに寛容な雰囲気を、十分な根回しやコミュニケーションで作っていくくらいが望まれるのかもしれません。

3) 共働きなら、夫婦どちらのキャリアを優先するかを決めておく

どんなに根回ししても、仕事を休んでばかりでは、キャリアとの両立は出来ないでしょう。
米国の消費財大手P&Gでは、「子供が小さい時は夫婦どちらのキャリアを優先すべきかを決めておくべき」と教えられるそうです。
この辺りは、また別の機会に書こうと思いますが、夫婦どちらもが同じ時期に育児とキャリアを両立するのは難しいんだ、という覚悟は必要なのかな、と思いました。

以上、まとめると
  • アメリカには病児保育の仕組みはなく、子供の病気の時は親が休む。休む法律もあるが、職場が子供の病気に対して不寛容、というのはアメリカでも一緒。たくさんのアメリカ人が苦労している。ただ、働く女性が多いのと、男性が育児をするケースも日本より多いせいで、理解は得やすそう
  • それでも、仕事と育児を両立する方法はいくつかある。子供が病気になるずっと前から、根回しして病児休暇を取りやすくする、議員に掛け合う、祖父母・友人・ベビーシッターなど、いざというときのネットワークを作っておく
  • 病気がちの子供を見ながら、キャリアも成功させたいなら、そういうことに寛容な一流企業に勤め、成果を出しておくこと。そして、そういう企業においても、ちゃんと根回しし、休みやすい雰囲気を作っておくこと。相手を驚かせるのは厳禁
子供が病気の時、親が休んであげられれば良いに越したことはないと思います。
でも、子供の病気って本当に長引くものは長引くし、その全てをお休みして付き合うことは、やはり難しい。
そんな時、病児保育、という選択肢がある日本は実はラッキーなのかもしれません。
「病児保育」と言うもの自体、ケアを提供できる日本のベテラン主婦のレベルの高さ、利用者のマナーの高さ、訴訟リスクの低さ、など日本ならではの事情によって成立しているんだろうな、と思います。

あと、今回の記事は、英語の記事文献のみをソースとして書いたんで、今度時間があるときなどに、アメリカ人の子供がいる友人に話を聞いて、どこかでアップデートしようと思いまーす。

病児保育を使う、ということ

Fotolia_61804745_XS

もうすぐ4ヶ月になる娘が、おとといの晩から風邪をひいた。
熱は37度程度と低いが、鼻をズビズビしており、咳も多くてかなりつらそうだ。
昨日は保健所の3-4ヶ月検診に行く予定で夫も有給を取っていたのだが、検診は延期して、朝から二人して娘を連れてかかりつけの小児科に行ってきた。

帰ってからお薬を飲ませ、暖かくして寝かせてあげるが、30分に一度はゲホッゲホッと咳をして、泣きだしてしまう。
抱っこをしてあげると少し落ち着いて、人の顔をみてはニコニコするが、また苦しそうにゲホゲホ。
調子が悪いんだから、そんなに愛想を振りまかなくても良いのに・・・
咳が苦しそうなのが、余りに可哀想で、一日中、二人つきっきりで看病していた。

こんなんで、二人とも仕事に復帰して、子供が病気になった時は、どうするのか。
当然、病児保育などのサービスを使うことになるだろう、と私は思っているのだが、夫は「こんなひどい病気の時に他人に預けるなんて可哀想すぎる。自分が休むか、実家の親を呼び出す」という。


■ 子供が風邪のとき、他人に預けることに抵抗があると、夫婦のどちらかが犠牲になる

その気持ちは痛いほどわかるが、子供の風邪ってそんなに簡単には治らない。
風邪が治って熱が引くまでは数日かかるわけで、そんなに長く会社を休む訳にもいかないし。
病児保育の施設も、埋まっていて使えないことがあるから、そんな時には実家を呼び出すか、どちらかが休むのは仕方がないとは思うが、最初から「子供が可哀想だから他人に預けられない」がデフォルトの発想は良くないんじゃないの、と私は思う。

おじいちゃんおばあちゃんだって、自分の仕事や生活があり、そんなに融通がきくとは限らない。
37.5℃の熱が出ればすぐ呼び出しがかかる日本の保育園に預けている以上、他人に預けることに抵抗があると、結局、夫婦のどちらかが責任をもつことになってしまう。
そうすると夫婦のうち休みやすい方、または収入が低いほう-多くの場合は、妻の方が、子供の風邪で仕事を休み、保育園に呼び出されて早退することになる。
病弱な子供の場合は、頻繁に仕事に穴を開け、そのうち職場に居づらくなり、仕事を辞めることになることも。

うちの場合、私が仕事を大切にしているのを夫も理解しているから、彼自身が休む、と言っているのかもしれないけれど、若い彼がキャリアを犠牲にしていく状態は如何なものか、と思う。

子供は大切だけど、仕事やキャリアも大切にしたほうが良い。
病気のたびにシッターを雇うのはお金もかかるけれど、たとえ「保育費=自分の給料」になったとしても、仕事は辞めずに働き続けたほうが生涯年収は圧倒的に高くなるのは明らかだ。
仕事を続けるのは、お金のことだけじゃない。
そうやって生き生き働き続けるお父さんお母さんを見て育つほうが、女の子は将来仕事を持ちたいと思うようになるし、男の子は家庭を大事にするようになるといわれている。
だから、子供が風邪をひいていても、ちゃんと病児保育や病児シッターを利用して、持続可能な子育てと仕事の両立をしようよ。

■ 不安なら、病児保育やシッターを事前に試し、信頼できるところを探しておく

病児保育には今のところ正式な国家資格はなく、ベビーシッターと同様、誰でも出来る。
ましてや、今の時代、病児保育が不足しており、経験の少ない人も入れて拡充されているところだ。
病状が悪化した時に、病院に行くなどの適切な判断をちゃんと下してくれるのか、など不安になる人は多いだろうが、ちゃんとシッター教育を施し、シッターと本部との連絡を密に行っている会社では、事故は過去には起こっていないようだ。

実は、世の中の保育事故の殆どは事故であり、病気の悪化によるものは殆ど無い。
考えてみれば、病気の時は、死に至る前からずっと何らかの症状が出ているはずであり、働いているお父さん、お母さんであっても、もっと前に病院で何度か診察を受けに行っている。
保育時に死に至るほどひどいなら、その前に入院などの処置を施されているからだ。

そういうわけで、きちんとした組織で運営されている病児保育であれば、問題はないはずだが、もし不安であれば、事前に試しておけば良いと思う。

チェックポイントとしては、保育士やシッター自身の質もあるが、
・新人への教育、マニュアルはどのように行っているか
・病状のチェックの仕方や頻度(体温をどの程度はかるか、病状のチェック項目に何が有るか)
・病状が変化した時の判断をどのように行うか
・保育士どうしや本部との連携はどのように取られているか(朝礼などで何がシェアされてるか、こまめに連絡をとっているか、一人で判断せず、組織として判断しているか)
というところ。
このご時世、病児保育は保育士やシッターが足りず、新人がどんどん募集されているところ。新人が送られてくることだってあるだろう。
だから、仮に担当の保育士やシッターの経験が浅かったとしても、組織の経験が活かせる仕組みかどうかをチェックするほうが大切だ。

病児保育には、子供を連れて行く「託児型」とシッターが来てくれる「シッター訪問型」がある。
託児型には医療機関併設型と保育園併設型、単独型の3つがある。

託児型については、こちらのサイトが参考になる。
子供が病気だけど会社を休めない方へ!病児保育室の比較と全国の施設一覧

医療機関併設型の場合は、その医療機関で事前に診療を受けることで、病気で預けるとどのような対応を受けられるのか、調べておくことが可能だ。
保育園併設型は、通常の保育園を併設しているので、空きが有るなら子供が元気なときに試しに預けて、状況をチェックすることが出来る。
単独型は、NPOなどが単独で病児保育を行っているところであるが、事前チェックできるかどうかは施設によるだろう。

シッター訪問型は、東京近郊だとフローレンスが圧倒的に有名だが、他にも色々な組織がある。
(追記:フローレンスは申し込み殺到のため、現在新規入会停止中だそうです。)
ここでは、子供が病気で、自分が休める時に敢えてシッターを頼み、その保育状況を観察し、上記のチェックポイントを確認すると良い。

最も信頼できるところを探せても、いざというときは埋まっていたりで、そこに頼めるかわからないのが病児保育なのであるが、候補となりそうなところは全て試しておけば、不安は軽減されるだろう。
私自身、安心して仕事に復帰出来るように、こんなことも復帰前にやっておこう、と思っている。

■他人は無責任なことしか言わない。周囲に何を言われても、自分の方針を貫いて

なお、私のように「病児保育を使ってでも、仕事を続けるべき」という考え方の人は、周囲の人達にこんな風に叩かれるらしい。

「病気のこどもがいるのに、そんなに仕事をしたいんですか?お金がそんなに大切ですか?」
「何でお母さんは、子供が何回も病気になっているのに、仕事を辞めないんですか?」
「子供に愛情があるんですか?」
中には、病児保育の保育士さんに言われるケースも有るというから驚きだ。

病気の子供のために会社を休めば、職場に「迷惑だ」と言われて煙たがられる。
かと言って、迷惑をかけないよう、病気の子供を預けて出勤すれば、「子供に愛情がないのか」と畳み掛けられる。
どっちに転んでも批判され、非難されるのが、仕事と育児を両立するママだ。

小学校の道徳の教科書にこんな話があった。
昔、父と子供が一匹のロバを連れて旅をしていた。
最初、子供がロバに乗り、父が引いていたところ、「子供が楽をして、親にロバを引かせてるなんて何て子供だ」
と街道からケチを付ける人がいたので、父がロバに乗り、子供がひくことにした。

すると「あの親は自分が楽して、子供に働かせて、子供が可哀想に。ひどい親だ」
というひそひそ話が聞こえてきたので、二人とも降りてロバを引くことにした。

今度は「あの父子はせっかくロバを引いてるのに、誰も乗らないなんて、バカなんじゃないか」
と野次を飛ばしてくる人々がいた。
それで、父子は二人でロバにのることにした。

しばらくするうちに、ロバは疲労で動けなくなり、ついに死んでしまった。

要するに、他人とは無責任に勝手なことばかり言うものなので、そんなことを気にして行動していては、大切なものを失ってしまう。
(家庭によっては夫が他人並である、というケースも有るだろう)

だから、自分が迷わずに方針を決めたら、あとは何を言われてもニコッと微笑んで、低姿勢で他人にお願いできる鉄の心臓と、何にせよ周囲に迷惑はかけるのだから、最大限の気配りをもって続けるしかない。
病児保育を使って仕事を続けるなら、「子供が可哀想」と言われても、「可哀想だから、しっかり看てあげて下さい、お願いします」と低姿勢でお願いすること。
使わないで休みつつ仕事を続けるなら、仕事のサポートを職場の周囲の人にお願いし、迷惑をお詫びしつつ、気配りしつつ、辞めずに続けること。

そういえば、病児保育のシッターが主人公で、訪問する家庭の様々な人間模様を描いた人気漫画「37.5℃の涙」がTBSでドラマ化されるらしいですね。
育児をしていなければ知らない人も多い病児保育シッターも、これでかなり色んな人の知るところになるんだろう。 
ドラマもだけど、その反応が楽しみです。 



(追記) 日本で「病児保育」という、海外では聞かない特殊な保育システムが有るのは、恐らく日本の保育園が「37.5℃以上の熱がある場合、子供が元気だろうが預けられない、親に呼出がかかる」という事情、そして、一般にベビーシッター・乳母などがほとんど普及していないという事情が背景にあるかと思います。
37.5℃以上の熱が出たら、誰かがすぐに迎えに行かないとならない、すぐには行けないなどと言おうものなら、保育園には居づらくなる。そんな時に病児保育シッターは代わりに迎えに行き、自宅待機してくれる、という使い方をしている人も多いようです。
また、ワーキングマザーがまだ少ない職場では「37.5℃問題」が余り知られておらず、「何で子供が熱を出したくらいで休むんだ・・・」と思っている人が少なくない、というのも有るかもしれません。
そういう意味で、こういったマンガが読まれて、そういった事情を広く知られることはとても大切なことだと思います

書評:モモちゃんとアカネちゃん-父の不在と娘の成長

最近、娘に読み聞かせる絵本を探していて、自分が小さい頃に読んだ絵本や児童書に出会うことが多い。
先日は、私が小学校に上がる頃に図書館で何度も借りてむさぼるように読んだ、モモちゃんシリーズを発見。
当時4巻までしかなかったシリーズも、いつの間にか続編が出ており、6冊に増えていた。 
今年の2月に、著者の松谷みよ子が亡くなっていたことも、今頃知った。
いずれ娘も読む名作だから・・・と思い、Amazonで6冊ともハードカバーで購入。

モモちゃんとアカネちゃんシリーズは、松谷みよ子の実話を元にした話である。

松谷みよ子の元夫の瀬川拓男氏は、彼女が若いころ身を捧げた人形劇の世界で、劇団を創設した団長であり、また、松谷を民話研究の世界に誘った師でもある。
モモちゃんが産まれた家は、劇団員の宿泊所や練習所、製作所を兼ねた場所で、良く言えば賑やかな、悪く言えば、騒々しくて赤ちゃんをゆっくり育てるような環境ではなかった、と松谷は振り返る。
劇団員たちは、その家の中をまるで小鳥のように自由に飛び回り、時には赤ちゃんのベッドや赤ちゃんの頭の上まで歩きまわる。
それだけでなく、師であり団長でもある夫と、小鳥たちとの間には、様々な愛憎劇が繰り広げられたのだった。

夫はその小鳥たちの一羽と不倫関係となり、松谷自身も愛憎劇の中で苦しみ、持病の結核も悪化して、心身をおかしくしてしまう。
そんな中でモモちゃんを育てながら、二人目のアカネちゃんを妊娠、出産した松谷はとうとう離婚を決意する。
自分と二人の娘を守るために。

シリーズ3作目の「モモちゃんとアカネちゃん」は、ママの体が病におかされ、パパとの離婚を経験した時期を描いたものだ。
物心ついてから、パパが家にいたことがなかったアカネちゃんこと松谷の次女は、なぜ自分にはパパがいないのか、ママとパパはなぜお別れしたのかをずっと不思議に思っていた。
2作目を読んだ当時5歳の次女が、つぎはそこんとこを書いて欲しい、と松谷にお願いしたのが、当時ではめずらしい、離婚を幼年童話で書いたきっかけだったという。




ママである松谷が心身を蝕まれていく様子は、「死に神」として描かれる。

死に神はママのことがひどく気に入ったようで、なかなか離れない。
眠っているママの胸の上にいることもあり、ママは息をするのも苦しいが、身動きもできず、声も出ない。
このままでは死んでしまう。そうしたら子どもたちが困るから、なんとかしなくちゃ・・・

そして、ママは森へでかけ、転んだり、倒れたりしながら歩き続け、「森のおばあさん」の家にたどり着く。
森のおばあさんは、ママが何も言う前から、あんたが来た理由はわかるよ、死に神にとりつかれているんだろう、という。
そして、一つの植木鉢に植えられた二本の枯れた木を指さし、これがママとパパであるという。
ママは「そだつ木」、パパは「あるく木」だという。
おばあさんは、うえ木ばちをもって外へ出ました。そして二本の木をひきぬくと、よく根っこを洗いました。それから森の土をほって、二本の木を別々にうえました。
するとママの木は、みるみる、たれていたはっぱをしゃんとさせ、生きかえり、すくすくとのびはじめました。
ところがパパの木はちがいました。やはりかれかかったはっぱは、しゃんとしましたが、あるきはじめたのです。
「そうさ、おまえさんのごていしゅは、あるく木なんだよ。そこをしっかりみなくちゃいけない。」
そうして、あるく木は、金色に光る宿り木を肩に載せて、どんどん歩いて行ってしまった。
(宿り木は不倫関係にあった女性と考えられるが、作中では明確にされていない)

あるく木は、歩かないではいられない。そだつ木と一緒に我慢して植木鉢に収まっていることは出来ないのだ。
そして、そだつ木は、あるく木に乗っかって人生をすごす「宿り木」にはなり切れない。
だから、二人共枯れないで、生きるためには、もう根分けして、絡まりあった根をほぐして、別々になるしかない。

そうして、パパとさようならをしたママと、モモちゃんとアカネちゃんとネコのプーは新しい家に引っ越していく。
新しい家のそばには、やさしいくまさんが住んでいて、シチューを作ってくれたり、アカネちゃんがグズった時にはいつでも預かってあげるわ、と言ってくれる。
そうやって、モモちゃんもアカネちゃんもたくさんの人に見守られながら、すくすくと育っていく・・・。


病気のことも、パパとの離婚のことも、当時実際に生きている人々を傷つけること無く、ファンタジーの中で描かれ、子供の心にもすぅっと入ってくるのは、松谷みよ子の卓越した想像力と表現力によるものだろう。

その後、別れたパパも、何度も物語の中に登場する。
姿形はオオカミだったりするが、心のなかは娘への愛情で溢れている。
そして、ママとは反りが合わなかったけれど、娘達にとっては素晴らしい父親として描かれる。
男らしくて、力強く、冒険を求めてどんどん新しい場所へ歩いて行ってしまうような人だ。

娘の成長には、父親に愛される経験が大切、という話がある。
父親が不在であっても、父が娘を愛していること、素晴らしい人であったことを、母親が伝え続けることは、娘たちの成長にとってとても大切だったに違いない。
松谷自身、夫に対して複雑な感情を持っていたに違いないが、だからこそ、このように児童文学の形をとることで、自分のドロドロした感情を交えずに、父親のことを娘に語り続けることが出来たのだろう。

念のため書いておくと、父親の愛情がなくても、娘はちゃんと育つ。
私自身がそうだからだ。

父親の代わりに、自分が父親らしくなって、家族を守ればいいんだ、と思ってすくすく育ってきた。
私を情緒豊かに育ててくれたのは、母親と、モモちゃんシリーズを始めとするたくさんの本だった。
恋愛には苦労したし、結婚も遅くなったけれど、自分が男らしく頼りがいのある存在でいることが、私自身のコンプレックスを解消するのに必要だったので、仕方がなかったんだろう、と考えている。

けれど、娘には余計な苦労はさせたくないので、優しいパパには積極的に育児に参加してもらい、娘をたくさん愛してほしいと思っている。
そして、世の中を生き抜く知恵として、沢山の本を読んで欲しいし、モモちゃんシリーズも是非読んで欲しい。

【モモちゃんとアカネちゃんシリーズ】

モモちゃんとアカネちゃんの本(1)ちいさいモモちゃん (児童文学創作シリーズ)
松谷 みよ子
講談社
1974-06-27

モモちゃんが赤ちゃんの時から3歳になるまでを描いたお話。モモちゃんの大好きな黒猫のプー、にんじんさん、はつかねずみのチュッチュなど、沢山のキャラクターが登場。「パンツのうた」をはじめとする、ちいさいこどもが大好きなリズミカルな歌や言い回しも沢山挿入されていて、 読み聞かせをするのも楽しそうだ。











 
 

キャリア女性が産休前にやっておくべき5つのこと

Fotolia_81368279_XS

早いもので今年も半分が過ぎましたね。娘ももうすぐ4ヶ月。
そして私の育休も残り2ヶ月・・・。
最近は、復帰に向けた準備も着々と進めています。

その復帰準備については、またおいおい書くとして、今回は産休に入る前にやっておくべきことを、時系列順に書いておこうと思います。

1. 現在の仕事の引き継ぎ相手の目星をつけはじめる(妊娠発覚後から)

日本にいれば産休だけでも確実に3ヶ月はお休みすることになるので、その間に仕事を引き継いでやってくれる人を探し、目星をつけるのは早い方が良い。

実際に引き継ぎの意を伝えられるのは安定期以降、引き継ぎ自体は産休直前だったとしても、その頃から探し始めるのは遅い。
引き継ぎする人が見つからなかったり、能力や適性のない人に引き継ぐことになってしまったりで、せっかく今までやってきた仕事が、ベストな形で組織に残らないからだ。

私は産休に入る4ヶ月くらい前から、「次のプロジェクトは、あなたが産休に入る前にフルタイムで出来る最後のプロジェクトなんだから、自分がやってきたことを全てその人に渡しても良いくらいの気持ちで、気合を入れてプロジェクトメンバーを探さなきゃダメだよ。」と言われていた。
実際にプロジェクトが始まるときは、「プロジェクト開始を遅らせてでも、ベストな人を探すことを優先すべき」とまで言われた。

引き継ぐ人の能力や適性を見極めるには時間がかかる。
組織の状況(異動や組織変更などの可能性)や、その人の仕事への意欲や態度を見て、引き継ぎ候補を何名か心づもりしておく。
心づもりが出来たら、正式な辞令などが出る前から、何かと仕事やプライベート含めて色んな話をしたり、可能なら会議等に出てもらうなどして、自然と巻き込みをはかり、その人自身から引き継ぎしたいと思うような環境を作るほうが良い。

仕事の種類にもよるが、どんなに組織化していても、仕事の質はどうしても人によってしまう。
産休中、育休中、そして育休後の自分の仕事を楽にするためにも、とにかく引き継ぐ人は一番大切。
だから、一番最初に考えよう。

2. 産休および復帰プランの作成(妊娠発覚後から)、周囲にも話しておく

妊娠がわかった頃って、それどころではないとは思うが、産休と復帰のプランも出来るだけ早めに作っておくほうが良い。

私は、妊娠9週ころ、米国人のメンターに妊娠報告をした際、"So, what's your plan?" と聞かれて面食らった。
彼女によると、メンターと話す前に、いつから産休を取り、いつ復帰をしたいか、復帰したらどんな仕事をしたいか、という現状の考えをまとめて置き、報告と同時に話すほうが良い、と言う。
「その人のプランがないと、何もサポートしてあげられないから。でもプランがあれば、3ヶ月しか休まないとしても、1年休むとしても、どうすればベストな復帰が出来るか、考えてあげられるわ」

日本人は優しい人が多いからか、単に妊娠出産するキャリア女性に慣れてないからなのか、妊娠報告時に復帰後のことまで話すと、
「考え過ぎだよ。まずは何も考えず、健康な子供を産むことに専念しなさい」
などと言う人が多いが、そんな考えなしの優しさに甘えてはいけない。

「妊娠しました。出産予定日はXX頃なので、XX頃から産休を取ろうと思っています。XX頃まで育休を取りますが、その後に復帰します。復帰後は引き続き/新たにXXをしたいと考えておりますので、よろしくお願いします。」
と言えるくらいまで考えておくと、あなたのキャリアを真面目に考えている誠実な上司やメンターであれば、ちゃんと復帰後のことを考えておいてくれるだろう。

昔、誰かが、「新入社員の頃から、海外で働きたい」と会う人ごとに話していたら、本当に海外転勤の機会がやってきた、と言っていた。
海外の仕事の機会があった際、「そういえばあいつ、海外で働きたいと言っていたな」と思い出してもらい、任を得ることが出来たという。

育休復帰後の仕事についても同様だと私は思う。
日本人、特に男性は、妊娠・出産するキャリア女性の、その後のキャリアを真面目に考えている人は少ない。
だからこそ、「私はいつ頃復帰して、何がやりたいです」と産休に入る前から事あるごとに言い続けておくと、仕事の機会があった時に、「そういえばあいつ、復帰後にXXやりたいって言ってたな。復帰時期もちょうどいいじゃないか」などと思いだしてもらえる可能性が高いのだ。

3. 仕事の引き継ぎ(産休2~3ヶ月前から)

仕事の引き継ぎも、できるだけ早く、遅くても産休2ヶ月前には開始すること。
よく言われることだが、引き継ぎ資料はありものの資料をまとめておくなど、自分で作るのは最低限にし、引き継ぎする人に作ってもらうように仕向ける方が良い。

結局、苦労して引き継ぎ資料を作っても、知りたいツボはひとによって違うし、役に立たないこともある。
それよりも、引き継ぎする人が、まとめを作りやすいように、時間をとってあげたり、まとめ作りに必要な資料を提供したり、という形で最善を尽くすのが良い。

引き継ぐ相手が上司だったりして、「資料作れ」とは言えない場合は、今まで作った資料などアリモノをまとめる程度にしておき、とにかく相手と早い段階でミーティングを設定するなどして、話すこと。
話して、相手が知りたいツボ、わからないところだけに限って重点的に補足する。
もしくはそのミーティングを以って引き継ぎとしてしまい、それ以上は作らない。

こういった準備は早めに始めるほうが、結果として負担が少なくなる。
直前にやると、ギリギリになった自分が悪いから、ということで結果として全部作ることになりかねないので。
また、妊娠中というのは、切迫早産で即入院など、何が起こるかわからない。
引き継ぎの準備だけでも出来るだけ早めにしておくほうが良い。

4. 取引先等へのご挨拶(産休1~2ヶ月前から) 

取引先等へのご挨拶は、妊娠報告と同時くらいから開始し、引き継ぎ担当が決まった頃に再度連絡が良い。
とにかくこまめに連絡し、アップデートすること。
そうすることで、いざ何かが起こった時でも(即入院とか)、相手も状況が理解できるので慌てさせないで済む。
連絡の方法は、お会いして話すのがベストだが、あまり遅くなるようなら、「できるだけ早くお伝えしたいので、メールで」などと前置きして、電話やメールで伝えるのもありだと思う。

以前の記事、妊娠したことを職場でいつ伝えるべきか を参考に。


5. 上司/メンター/サポーター、そして同僚や後輩たちとの面談(産休1ヶ月前から)

最後だけど、キャリアを積みたい女性にとって一番大切なこと。
それは、上司やメンター、サポーターの皆様と、復帰後のことを話し合い、復帰の際のサポートを得られるようにすること。
現在の上司やメンター、そしてこの人と一緒に働きたいと何となく思っている先輩や後輩など、色んな人に時間をとってもらうチャンスでもある。
一人あたり、30分ほど面談の時間をいただくようにお願いする。

この面談は、復帰後に一緒に働くべき人や、復帰後のメンターを見極めるためにも大切なモノだ。
面談で話すことで、自分に対する、または一般にキャリア女性が育児と仕事を両立することに対する、相手の考え方を聞くことが出来る。
どんなに仕事が出来る、素晴らしい人でも、女性が育児とキャリアを両立することに関心がない人、は存在する。
人の考え方を大きく変えるのは難しく、残念ながら、そういう人は余りメンターとしてはふさわしくないかもしれない。

それから、復帰にあたっては、上司やメンターだけでなく、後輩やチームメンバーの協力も不可欠である。
面談するほどではないかもしれないが、自分のプランを話す機会を作ったり、産休・育休中もメールなどで連絡を怠らないようにしたほうが良い。

復帰したら、育児と仕事の両立が始まる。 
両立しながらブランクを取り戻し、キャリアトラックに乗って行く、というのはとても大変なことで、普通にしていて出来るものではない。
周りにちゃんと、サポートしてくれる人をたくさん作る必要がある。 
サポートしてくれる人を見極めて、ポートフォリオを作る。
彼らに自分のプランを理解してもらい、復帰を手伝ってもらう。
こういうことを、自分からやって、サポートネットワークを作っていくことが大切。

メンター・サポーターについては下記の記事をご参照。
女性のキャリア構築で重要になる「メンター」にまつわる10個の誤解-Lilacの妊娠・出産・育児ノート

以上、キャリアを積みたい女性がスムーズな復帰に向けて産休前にやっておくべき5つのこと。
復帰後にやりたい仕事をやれるようにし、スムーズに両立できるように周囲のサポートが得られるようにするには、産休前にしっかり準備をすることが大切、という話でした。
プロフィール
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 累計:

メッセージ

名前
メール
本文
最新コメント
Amazonライブリンク
  • ライブドアブログ