Lilacの妊娠・出産・育児ノート

キャリア志向の強い女性や、仕事で既に責任ある立場にあったりする女性向けの妊娠・出産・育児ブログ。 妊娠したときのTips集、キャリアと妊娠・育児を取り巻く論点、女性リーダーシップと子育ての両立、日本と海外の状況比較、今は仕事に没頭中だけどいずれは子供も欲しいと思う若い女性向けのメッセージなど、様々な話題をお届けします

昨年3月に生まれた娘ももうすぐ1歳半になります。復帰からも約1年。早いものです。第二子を妊娠、10月末に生まれる予定です。

リーダーシップと妊婦であること、を両立する5つの方法

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変なタイトルだが、私が妊娠前から初期にかけてずっと悩んでいたのは、これだった。

「リーダーシップ」とは、自分が何かをしなくてはと思って、周囲の人や物に働きかけ、「動かない人・ものを動かす力」であり、「何か新しい動きを作ったり、何かを変えていく力」のことだ。
例えば、伝統的な組織で根回しをし、人の気持ちを動かして、今までのやり方を変えていくのはリーダーシップと呼べるし、周囲の同僚に働きかけて、労働環境を改善していくのもリーダーシップである。
組織の上からトップダウンで動かすのも、平社員が草の根で動き方を変えるのも、どちらのタイプもある。
どのような仕事でも、何かを作ったり、変えたり、動かしている人たちは皆リーダーシップを発揮している、と言える。

私がやっているコンサルタントという職業は、クライアント企業を変革するのが仕事で、リーダーシップをとることが常に求められる。
更に、私のいる会社は、リーダーシップの権化みたいなところで、入社面接で最も重視されるのはリーダーシップであり、新卒の頃から仕事のみならず遊びに至るまでリーダーシップを取って積極的に動くことが求められ、卒業した人々はリーダーシップについてたくさんの本や教科書を出している。
立場が上がってくれば、尚更重要になるものだった。

にもかかわらず。

昨年の夏、私は妊娠を機に、リーダーシップを取って何かにチャレンジすることが出来なくなった。
「らしくないね」、という人がいた。「あいつ、やる気無いんじゃないの」と噂をする人もいた。
気持ちとしてはやりたいが、妊婦であることと、リーダーシップを発揮することをどうやって両立すれば良いのか、わからなくなってしまったのだ。
その後数ヶ月、苦しみながら模索し、どう両立すれば良いのか、だんだんわかってきた。
このエントリでは、その方法論について書こうと思う。

妊娠中、または妊娠をしようとしている時、女性がリーダーシップを発揮するのが難しくなる事がある。
その理由は主に2つある。

ひとつは体調だ。
妊娠初期は、個人差はあるが、つわりで体調が悪く、思うように頭が働かない、体が動かないことも度々ある。
二日酔いの気分の悪さがずっと続いている状況で、人を動かし、組織を動かして、何かを率先して進めていこう、と決意することができるか? 中々大変なことだ。
何事にもやる気が出ず、億劫で、何もやりたくないと思ってしまうことも多い。
ましてや、体調が悪いのを押して自分が疲れるだけなら無理をしてでもやってやろう、と思うが、今は自分が体調を崩すとお腹の赤ちゃんに影響するので、なかなか無理もできない。

もう一つは、数カ月後には産休を取らなくてはならないのに、今から責任のある新しいことを始められない、という思いだ。
商品開発にいて、新しい商品の開発を担当し、自分が完成に至るまでの全責任を持てるか。
営業にいて、新しい顧客を開拓し、自分が会社を代表して顧客に責任を取ることができるか。
妊娠中の女性だけでなく、今から妊娠しようと思っていたり、不妊治療をしている女性も、いつから自分が休みに入るかわからないと思い、責任を取るのは難しいと感じる人は多いだろう。
責任感が無いからではなく、責任感があるからこそ引き受けられない、そういう女性は多いのではないか。

また、上の2つほど決定的ではないし、どちらかと言えば克服すべきものだが、不安というのもある。
人は、何か不安がある時、別のことに集中するのはなかなか難しい。
男性にとっても、家庭の問題や病気など不安があるとき、己をマインドコントロールし、仕事でリーダーシップを発揮するのはなかなか大変だ。
妊娠初期は、染色体異常で流産する確率が2割程度あると言われる。妊娠がわかった女性は嬉しい半面、腹痛や出血などちょっとした体の変化のたび、赤ちゃんは大丈夫か、と不安に思う。
どのような状況でも自分をマインドコントロールして不安を乗り越え、リーダーシップを発揮して何かをやり遂げるかどうかは慣れもあり、立場が上がるほど必要になるスキルであるが、30代など若いうちから当たり前に持っている人は少ない。

どの国のどの企業でも、管理職や経営層に出世するためには、リーダーシップを発揮できるかどうかが決定的に重要になることが多い。
実際、女性の経営層や管理職が男性より少ない理由として、女性のほうが責任感を持って何かを成し遂げるリーダーシップが少ないから、と指摘されることが多くある。
そんな中で、女性としてリーダーシップを発揮したくても、出来ないことは辛い。

そんなわけで、昨年の夏、私はかなり辛い思いをしていた。
例えば、私には今までずっとやってきて、ノウハウがたまっている仕事があるが、自分がリーダーシップを取って、それを他国や異なる産業に展開をすることを求められていた。
求められるだけでなく、自分でもそうしたいと思っていた。
しかし、妊娠が判明し、来年には産休を取るかもしれないのに、新しいことを開始する無責任なことは出来ない、と思い、思い切った行動を取れずにいた。

短期間で成果が求められる難しいプロジェクトの責任者を、お断りしたこともあった。
こんなこと、これまでにはなかったことだ。難しいプロジェクトこそ、やりがいもあり、大好きだったのに。
しかし、プロジェクトの責任者として、クライアントに十分満足な成果を届けるためには、徹夜をしてでも完成させるし、自分が駆けずり回ってでも情報を取ってくる必要があることもある。
いざというとき連日徹夜をして、駆けずり回れるか、と言われると、今は無理だ、と判断した。
自分らしくないな、と思い、落ち込んだ。

それから数ヶ月経って、昨年の10月頃から、徐々にリーダーシップと両立する方法を編み出していった。
その結果、様々なことに取り組めるようになり、良循環が回るようになってきた。

その良循環が回るようになった、5つのポイントを書いてみる。
どの点も、何故このことに気付かなかったのだろう、と今は思うことばかりだ。
次にまた妊娠をすることがあったら、かなり初期から、または妊娠前から実施したいと思っている。

1. ひとりでやらない。必ず仲間を見つけ(焚きつけ)、ダブルヘッダー以上でリードする

妊娠中、または近いうちに妊娠しようと思っている女性であっても、新商品の開発や新規顧客開拓など、新しいことをリーダーとして始めることを諦める必要はない。
同じようにやりたいと思っている仲間を見つけ、またはその人を焚き付けてやる気にさせ、ダブルリーダーになれば良いのである。

「この商品のことを一番知っているのは自分だけだから、自分しかできない」となどと思う必要はない。
むしろ、自分だけが知っていることだからこそ、ダブルリーダーになっても価値を発揮できるのだ。
自分の役割は、自分だけが知っているそのノウハウを伝授することだ。
相手の役割は、自分が体調面もありリードできない時に、やってもらうこと、そして自分が産休に入っても継続的にリーダーシップを取ってもらうことだ。

産休が終わって、自分が帰ってきたら、ダブルヘッダーを再開すれば良いし、自分がいなくても回るようになっていたら、また新しいことをリードし始めれば良いことだ。

会社の仕組みとしては、妊娠した女性を「プロジェクトから外す」のではなく、他の人とダブルリーダーにする仕組みを導入することが、女性のリーダーシップ育成に役立つだろう。

2. 他の人をリーダーに据え、自分は後方支援に徹するタイプのリーダーシップを学ぶ。
  または、自分がいなくなってもリードできる人を育てる。


自分が前面に出て、物事を推し進めるだけがリーダーシップではない。
人前に出るリーダーは他の人にやってもらい、自分は後方でその人を支援しながら、チームとして物事を動かしたり、変えたりしていくのも、立派なリーダーシップである。

他の人、特に後輩をリーダーとして仕立て、足りないスキルを後方からサポートすることに徹すれば、その人の成長にもつながるし、感謝され、信頼関係を構築することも出来るだろう。
自分は前面には出ないが、いつでも電話や社内会議で相談してもらい、行くべき方向性を示したり、やり方を教えたり、やる気を出させてあげたりすればよい。
と書くと、まるでその人の上司みたいだが、実際、本当の意味での管理職になる良い練習になるだろう。

このやり方を成功させるには、信頼できる人(勝手に進めないで、失敗する前にちゃんと相談してくれるなど)を探し出すのも重要になる。

会社の仕組みとしては、妊娠した女性が後方支援でも価値を発揮しやすい仕組みを整える(会議体を電話会議中心にする、後輩をリーダーとして育てる仕組みを導入するなど)のが、女性リーダーを増やしていく、または子育て中の男性も含めてフレキシブルなリーダーを増やしていくのに役立つだろう。

3. 妊娠中でもリードできるタイプのことを見つける

妊娠中で体調がすぐれない時でも、そこまで負担がない、または長期的な責任が必要とされない案件というのは、探してみると意外に多く存在する。
今やっている案件が、妊娠中だと負担が多く、最後まで責任を取れないという場合でも、ただ辞めるのではなく、そういう代わりの案件を見つけて、シフトすることを提案する方が圧倒的に良い。
リーダーシップが無い、信用出来ない、と思われるリスクを避けられるし、自分にとってもリーダーシップを維持し続ける良い練習となる。

4. 一緒に仕事をする人、自分をサポートしてくれる人には包み隠さず話す

これは最も後悔していることの一つだ。
当時は、自分は高齢出産だし、体調も優れなかったので、流産する可能性が高いだろう、と思っていて、一緒に仕事をしている後輩にも話せなかった。
今は、たとえ残念な結果だったとしても、同じプロジェクトで一心同体に仕事をしてくれる後輩には話しておくべきだった、と思っている。
噂が広がり、心ない噂で傷つくことがあったとしても、一緒に仕事をする一部の人達から信頼を得られることのほうがずっと大切だ、と今は思う。

自分が傷つくかもしれない、デリケートなことを包み隠さず人に打ち明けるのは、とても難しいことだ。
でも、古今東西どのリーダーシップの教科書にも書いてあるように、自分の悩みや秘密を相手に包み隠さず打ち明けることは、相手と親密になり、相手の信頼を得るために最も効果的なことだ。
多くの場合、相手はあなたのことをサポートしてあげようと思うようになり、最大の助けを得ることが出来る。

最終的に話すかどうかはあなた次第だが、相手の信頼と助けを得るためには秘密を打ち明けるのが最も効果的である、というリーダーシップ論があることは知っておいても良いだろう。

5. かなり先のことまで予測・計画し、長めのリードタイムで行動することを優先する
   頼まれたことは出来るだけその場で解決、あとに残さない


最後は妊娠中に限らず、常に心がけておくべきことだが、妊娠中もリーダーシップを取って何かを進ませ続けるためには特に重要になるポイントだ。
妊娠中は、いつ体調がどうなるかわからない。突然入院、なんてことも起こりうる。
いざというときの馬力が効かないし、その場の力で何とか乗り切るなどという技が使えないことも多くなる。
ので、かなり先のことまで予測して行動、早め早めに物事を進めておき、いつ自分が倒れても大丈夫なようにしておくことだけに、
また、頼まれたことは出来るだけその場で、またはその日のうちに解決してしまい、ためておかない。
そうすることで、自分も余裕を持って安心して物事を進めることに専念できるし、周りも安心して妊娠中の自分に任せておく事ができる。

妊娠初期は体調も優れず、何をするにも億劫で、何でも後回しにしたい気分になることが多いものである。
そんな中で、周囲の信頼を維持しながら、何かを進ませるためには、先まで計画すること、とにかく先に終わらせること、それだけをなんとか優先して進めるのが良い。


実はどのポイントも、妊娠しているかに関わらず、もっと言うと男女にかぎらず、フレキシブルなリーダーシップを取るために大切になるポイントだと思う。働き方が多様になっている今だからこそ、男女ともに大切なスキルかもしれない。

この記事の続編はこちら
・ リーダー型女性が「頼る・後方支援に回る」スタイルを築く8つの方法(前編)
・ リーダー型女性が「頼る・後方支援に回る」スタイルを築く8つの方法(後編)
 

About this blog-妊娠・出産ノートを始めるにあたって

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小さい頃からものを書くのが好き。

2008年から2012年まで、一時は人気ブログと言われたブログをずっと書いていたが、2012年に実名で著書を出版したのを機に、風当たりが強くなり、仕事も忙しくなり、社内で立場も上がって色々難しくなり、といろんな理由が重なり、ぷつりと書くのをやめて2年半が経つ。

その後忙しくなる仕事に没頭するばかりだったが、一昨年ようやく結婚したいという人に巡りあい、昨年結婚。今年2015年の3月に、第一子を出産する運びとなった。

それで今週から、産前6週間の産休。
少し仕事は続けているけど、時間も出来たし、何より会社から距離を置ける。
再度、書きはじめよう、と思った。
まずは、いま自分が直面している妊娠・出産について書こう。

昨年7月に妊娠が分かってから、ネットや本でいろんな情報を集めたが 、仕事で既に責任ある立場にあったり、キャリアを大切にしている女性が、妊娠した時に役に立つ情報がほとんど無い、ということに気がついた。

巷に出ている雑誌は、専業主婦や、仕事をしていても妊娠を機に辞めたりする人がメインのターゲットだ。
(そういう雑誌を買って読む暇がある人がターゲットなのだから、当然といえば当然なのだが)
自分がプロジェクトの全責任を負っている立場で、「仕事は他の人に出来るだけ振って体を大事にしましょう」なんアドバイスは何の役にも立たない。
2-3割が染色体異常で流産すると言われ、人にどう伝えるかも迷う妊娠初期に、飛行機に乗って出張できないことをどうクライアントに伝えるべきか。そんなことは、どこを読んでも書いていない。
おなかが大きくなってきて、仕事で着る服をひとつ探すのも苦労した。
クライアントや顧客に頻繁に会う仕事をしていて、マタニティ用のスーツを着る人も日本では少ないのだろうか。

妊娠初期から後期に至るまで、そんないろんな課題にぶつかるうちに、私と同じような悩みを持っている女性は実は多いのではないか、と思い始めた。
男性と同じように働いて、キャリアを積む女性が増えて、出産年齢も遅くなっている現在、責任ある立場についてから妊娠・出産を迎える女性や、自分で顧客を持ち責任を負うプロフェッショナルの仕事をする女性はますます増えているだろう。中には起業したり、経営陣として活躍しながら、産む人も米国並みに増えていくだろう。そんな人達が、私と同じ立場に立った時、少しでも参考になる情報を、と思い、このブログを始めることにした。

また、私は海外の同僚と仕事をすることも多く、他国の出産・育児を取り巻く状況を聞き、日本の状況を疑問に思うことも増えてきた。
例えば、日本の産休・育休制度はアメリカより圧倒的に整っており、一見良いように見えるが、逆に女性が休んで育児をするのが当然という社会的コンセンサスを生じ、女性の職場復帰を阻む結果となっていること。
「母体を大切に」「子供との時間を出来るだけ取れるように」という思いやりも、行き過ぎると、仕事を優先する女性に対して「何故あなたは母体を・子供を大切にしないのか」という母性を問う攻撃になってしまうこと。
そもそも、妊娠しても体力的に厳しい仕事をさせられ続け、流産する、というレベルのマタハラが問題になっているような国で、こんなこと言うと贅沢に聞こえてしまい、まともな議論にならない。
結局、多様な選択肢を認められるほどに、制度も社会的環境も整っていないから、画一的な対応で苦労するのは、当の女性なのである。
そういったことも、書いていきたい、と思った。

技術やビジネスについて書いていた今までと180度変わるので、新しくブログを立ち上げることにした。 
久しぶりの執筆で、うまくいかないこともあるかもしれません。見守って読んで頂ければ幸いです。 
まずは、過去を振り返りつつ、毎日続けてみます。 コメント、お待ちしていますね。 
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